SCP-412
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保管ユニット-11内の基準位置にあるSCP-412

アイテム番号: SCP-412

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-412は現在、サイト-19の保管ユニット-11に収容されています。アイテムの移動にはレベル3クリアランスを持つ職員少なくとも3名の承認が必要で、これはサイトセキュリティによって拒否される可能性もあります。SCP-412を取り扱う際には手袋を装着し、輸送する場合は不透明な容器に入れてください。

相互作用を行うスタッフはHazmatプロトコル7-Rを完全に遵守してください。SCP-412との物理的接触や直接観察を行う全スタッフは完全な身体検査を課せられます。身体的な改変が発見された場合、再拘留されて隔離されます。

説明: SCP-412は古風な銀製手鏡で長さ18センチメートル、幅7センチメートルです。鏡の左上隅には長さ4センチメートルのひび割れがあり、バラと蔓のモチーフがエッチングされています。SCP-412を直視した被験者のおよそ██%は、アイテムを手に取って自分の姿を確認したいという衝動を報告しています。影響を受ける被験者の「選定」に何らかのパターンがあるようには思われません。遺伝的要因や精神的要因など、可能性のある選定基準の実験が進行中です。

視認と接触を同時に行うことで、SCP-412からの衝動の有無とは無関係に被験者はアイテムに「接続」されます。拘束した被験者を用いた実験では、双方の行動(鏡に触れることと、自分の姿を見ること)が接続の確立に必要であることが示されました。この接続を「切断」する方法は発見されておらず、2年間以上完全に隔離した場合でも影響は消失しませんでした。

接続された被験者は、SCP-412に写った自分の姿を繰り返し見ることを強いられるようになります。最初は日に1回から2回ですが、数週間を超えるとこの頻度は増大します。55日前後で、被験者が鏡を見ることに費やす時間は睡眠を含む他の全ての活動を上回るほどになります。

被験者が鏡を見るごとに、リンパ節の腫大、顔面の発疹、皮膚の退色などの小さな身体的変化に始まる生物学的改変が発生します。正確なパターンは被験者によって変化しますが、90日でほぼ全ての被験者は、胸郭の下方への伸長、口の後方に大きな嚢胞が形成されることによる、開いた状態での顎の固定、生殖系と免疫系の重度の劣化を示します。さらに、被験者は記憶想起能力と情動反応を次第に喪失します。fMRIスキャンでは扁桃体と頭頂葉の活動の著しい低下が示されています。インタビューでは、被験者は「準備」を行っている「他者」への執着を見せることが示されました。

改変の末期(███日以上)を生存した被験者には、行動と身体にさらに著しい改変が現れ始めます。これらには、体内器官の再編成による胸腔内の小さな空洞の発生、粘液産生の増大、ホルモン産生の変化、[削除済]が含まれます。末期の被験者の剖検では、この「空洞」は独立した生命体を養うことが理論的に可能だと示されました。研究者はこの点から、SCP-412による改変は、人体を地球大気に適応できない生命体のための「環境適応スーツ」に作り変えることを意図していると推測しています。権限のある職員は詳細に関して補遺412-2を参照してください。

補遺412-1: 回収時の状況

████████████, ██において上記のパターンに一致した状況で5名が変死したことで、SCP-412は財団の注意を惹きました。死者のうち3名は同年代の手鏡(デザインはかなり異なる)を所持しており、その内1つの手鏡の鏡面のみがある程度無傷の状態でした。この手鏡が突然変異の原因となったことが確認され財団に押収されました。残る2つの手鏡は異常特性を示さず処分されました。

研究者は実験と観察から、鏡自体がSCP-412なのではなく、外部の作用が鏡に「定着」しているという仮説を立てました。この理論は証明されていませんが、同様の活動が確認された鏡は全て押収され収容されなければなりません。

補遺412-2: 事件412-A

20██/██/██、SCP-412との接続が確立されてから201日が経過した被験者D-56653は、鏡を見ることを止めて隔離室の隅に静かに座り込みました。3時間後、被験者は胸を押えて痙攣を始めました。3分の後に被験者は倒れて動かなくなり、どうやら死亡したようでした。死亡が確認され、遺体は分析に回されました。病理医は人工的な胸部の空洞の中に、大まかに人型をした小さな(8センチメートル)[編集済]を発見しました。生物は被験者の血管系と神経系に接続しており、被験者の気管を貫いて巻きひげを上方に伸ばし始めていました。巻きひげの先端5センチメートルの細胞はカイアシ類の視覚器と類似していましたが、それよりも遥かに複雑な構造を持っていました。現在、この生物の起源と死因は不明です。

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