SCP-414-JP
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回収前のSCP-414-JP

アイテム番号: SCP-414-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-414-JPはサイト-81██の標準収容室に保管されています。収容室の半径200m以内への立ち入りは再収容班のみが許可されています。
現在、SCP-414-JPは収容エリア-8103の第7区画にて収容されています。第7区画は中心に位置する収容室と人員を除き、一切の遮蔽物が存在しない状態に保たれる必要があります。収容室の外には少なくとも2名の武装した警備員が配置されます。収容室内は常時カメラで監視され、転移イベントの兆候が確認され次第、収容室の半径220m以内に再収容班が配置されます。SCP-414-JPの収容に関わる全ての人員は統覚型視覚失認1の職員から選出しなければなりません。SCP-414-JPの最新の図像を収めた記録媒体は、収容室内の施錠された金庫内に厳重に保管されます。SCP-414-JPを用いた実験は無期限に停止されました。

追記: 第5~8区画に配属される全職員は、"朱色"をトリガーとする撹乱ミームの接種が義務付けられています。そのため、朱色が含まれる物品の持ち込みは制限されます。

説明: SCP-414-JPは高さ54.5cm、幅48.5cmの麻紙と朱墨からなる目をモチーフにしたモチーフ不明の図像です。表面から乾燥した朱墨の粉末が常時剥離していますが、図像が欠ける兆候は確認されていません。堆積した朱墨は月に一度焼却処理されます。

SCP-414-JPを目視し、目が描かれていると認識した場合、対象の左目は即座に破裂します。1956年に、上記の現象がSCP-414-JPの特異性の一例に過ぎない事が判明しました。SCP-414-JPを目視し、何らかの概念を想起した場合、その概念に対し攻撃的な現象が発生します。この現象は機器を介した観測、図像の角度が異なる状態での観測でも発生する事が確認されています。発生した現象とその対象についての詳細は補遺1を参照してください。また、SCP-414-JPは2003/10/10により単純な図像へと変化しています。以前の図像は特異性を喪失しており、閲覧が許可されています。

SCP-414-JPは不規則な間隔で消失し、半径100 110m以内のランダムな地点に再出現します。また、破損した際にも同様のプロセスが開始されます。次の消失までの間隔は最長で95日、最短で31秒です。SCP-414-JPは消失する際、そこに透明な炎が存在しているかのように焼け焦げ、朱墨を撒き散らしながら燃え尽きると報告されています。

SCP-414-JPは1949/██/██に古神道系カルト教団「████」で発生した集団自殺事件の現場検証の際に発見されました。SCP-414-JPは捜査員二名の左目を破裂させ、同行していたエージェント・████の手によって速やかに回収されました。教団施設で発見された遺体の数は2██体に及び、例外なく左目を欠損しています。金庫内から発見された教祖の手記により、SCP-414-JPが"血涙を流す荒魂あらみたま"と形容され、教団内で極秘に崇められるシンボルであった事、そして1869年までは"慈愛に満ちた眼差し"と称される、より複雑な図像であった事が判明しました。また、祭壇に刻まれた"朱き澱 慈なるが故に 憤り 鎮めましかば 沈まざらまし"との記述から、教団はSCP-414-JPを祀る事で無力化を試みており、結果として"荒魂である"という共通認識が他の概念の想起を妨げていたと推測されています。

補遺1: 以下は、SCP-414-JPの効果であると確認された事例の記録です。

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日付: 随時
象徴:
対象: 観測者の左目
概要:眼圧の急激な増加による破裂。飛散した涙液と血液の混合物は瞬時に乾燥し、SCP-414-JPから分泌される朱墨に酷似した粉末へと変化し消滅した。外科的な手法による減圧は破裂の防止に有効であるが、眼球への水分移動は破裂、あるいは観測者が死亡するまで継続する。

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日付: 不明
象徴: ████教団の象徴"血涙を流す荒魂"
対象: ████教団
概要: 1949年の事件により壊滅。事件以降、教団施設の老朽化が非常に速く進行し、1956年に全壊。露出した鉄筋は中心部まで酸化しており、粉末状の赤錆が剥離し消滅していく様子が確認された。

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日付: 1945/██/██
象徴: デフォルメされた横向きの鳥類
対象: キジ(学名: Phasianus versicolor)
概要: 同時多発的に一貫した遺伝子異常を持つ個体が発生。成長するにつれてトキ(学名: Nipponia nippon)に酷似した外見へと変化し、異常行動に起因する負傷で死亡する。死骸は徐々に色素を失い、白色を呈する。1962年に該当遺伝子の復元が完了し、効果は消失した。
経緯: 眼球破裂効果の実験中にDクラス職員が「鳥のキャラクターに見える」と主張。想起された象徴と衰退効果との相関は1956年まで発覚していない。

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日付: 1945/██/██
象徴: 隈取を施した目
対象: 歌舞伎俳優
概要: 上演中の役者間でのみ伝染する特異なウィルスの発生。発症すると朱色の隈取が非常に緩慢な速度で拡大し始める。この隈取は如何なる手段でも除去できず、全身が覆われた時点で罹患者は消滅する。1974年にサンプルのみを残し根絶。
経緯: 同実験中、Dクラス職員が「歌舞伎で見栄を切る役者の目に見えた」と主張。"目"を想起したにもかかわらず破裂を免れた結果に対し、この時点では「単純に"目"を想起した場合のみ破裂する」と結論付けられていた。

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日付: 1956/██/██
象徴: つまんだネジおよびドライバーの先端
対象: マイナスネジ・マイナスドライバー
概要: 1935年以降に製造されたネジ・ドライバーの一部が突如として"+"の形状を模した物に置換された。元の物品はSCP-414-JPの周囲に出現し、激しく赤熱した直後に消滅した。世界規模の記憶処理および偽情報工作が実施され、カバーストーリー"発明"が適用された。その後、利便性・耐久性の観点からプラスネジ・ドライバーが広く普及した。
経緯: 教団施設の崩壊直後、SCP-414-JPが60秒以内の消失・再出現を十数回にわたり繰り返し、職員四名が曝露した。その内一名が左に傾いたSCP-414-JPを視認し、ネジおよびドライバーを想起した。この事案を受け、特別収容プロトコルは改訂された。

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日付: 1961/██/██
象徴: 円錐で一点を指し示し"ココ"と記された図
対象: 収容室
概要: SCP-414-JPの収容室に隕石が落下し、半径400mの範囲に深刻な被害をもたらした。混乱の中で、研究員二名が続けてSCP-414-JPに曝露し、後述の事案二件を誘発した。隕石は落下後に消滅しており、落下地点からは硫化水銀が検出された。
経緯: 再収容中の職員一名が突如として視覚失認から回復。直後に曝露し、一点を示す図を想起した。

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日付: 1961/██/██
象徴: 大型の蝶
対象: オオムラサキ(Sasakia charonda)
概要: 幼虫の食樹に未知の代謝拮抗物質が発生し、代謝効率が大幅に低下。副次的な影響として、成虫の翅に異常な鱗粉が生成され、朱色を呈するようになる。この鱗粉はきわめて容易に剥離し、その後何らかの表面に付着した際に消滅する。現在、食樹の異常は解消されつつあり、各種団体の放蝶活動によりオオムラサキの個体数は保たれている。

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日付: 1961/██/██
象徴: 手と膝をついて穴を覗き込む子供
対象: [データ削除]
概要: [データ削除]
追記: 事態の収束後、失踪した████研究員の遺体が遺書と共に発見された。

日付: 2003/10/10
象徴: 不明
対象: 不明
概要: 監視員は図像の変化を観測すると同時に巨大な破裂音が聞こえたと証言している。カメラは図像の変化直後、大量の朱墨が断続的にSCP-414-JPから噴射される様子を捉えていた。

補遺2: 以下は、2010年に収容エリア-8103にて実施されたオリエンテーションからの抜粋です。

SCP-414-JPの振る舞いに対し法則性や意図を見いだそうとする職員を時折目にする。「数ある対象から国鳥や国蝶を選んで攻撃する理由は"象徴"への敵意か」、「各現象にそれぞれ微妙に異なる赤色が関わっているのは何か意味があるか」、「発見時の角度が正位置だと判断するのは早計ではないか」など様々な憶測が飛び交っている。残念ながら、いずれもさして重要な要素ではない。特に、紙の向きに関しては。

我々の把握する限り、SCP-414-JPは二度変化しており、その度に図像が単純化している。より具体的に表現するならば、図像は"丸く"なっている。先程「紙の向き」について言及した理由が分かっただろうか?恐らく、SCP-414-JPの最終的な図像は"白地に赤い円"だ。それがSCP-414-JPのメインディッシュとなる。我々は断固として、象徴を見いだしてはならない。あの得体の知れない図像には、"得体の知れない図像"のままでいて貰わねばならない。我々が奴に出くわし、その中に奴ではない何かを見る。ただそれだけで、奴は獲物を食い散らかし、朱色の澱みの中でほくそ笑むのだ。

SCP-414-JPの特別収容プロトコルを要約するならば、たった一文で書き表す事が出来る。
奴の前に立ったならば、決して奴以外を見てはならない。

── ████博士

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