SCP-415-JP
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アイテム番号: SCP-415-JP
 
オブジェクトクラス: Euclid
 
特別収容プロトコル: 全てのSCP-415-JP実体は高気密の耐火収容室に収容し、専用に開発された対煙中和剤の撒布装置を2基設置してください。撒布装置には煙感知器を取り付け、煙を感知し次第、最低2時間は対煙中和剤の撒布を継続させてください。
SCP-415-JP収容室には、人間が出入りできないように出入口は設けず、SCP-415-JPの取り出しには基本的に専用のロボットアームと、二重扉の小型取り出し口を使用してください。
収容室内部の各機構の点検と修理にも、この小型取り出し口から有線操作のロボットを投入して行ってください。
 
被験者、もしくは被害者は必要なデータの取得と経過観察を完了した後に、処分してください。その際には、対煙中和剤を用いて体内除染を行ってください。
SCP-415-JPを用いた人体実験は、必ず収容室と同様の気密性と撒布装置を備えた屋内で行い、SCP-415-JPの煙が漏出しないよう最大限の注意を払ってください。
実験終了後には、実験室内部の壁、床、天井を含んだ全物品を対煙中和剤で除染してください。
 
説明: SCP-415-JPは複数銘柄と一致する外見的特徴を持ち合わせた煙草です。外見、または触覚、嗅覚等の感覚的な判別に於いては通常の葉タバコが用いられているように感じられますが、実際の素材は乾燥し、着色された人間の脳組織と肺組織によって構成されています。
SCP-415-JPの異常性はSCP-415-JPが着火された事によって発生する主流煙、もしくは副流煙を人間が吸引した際、その人間(以下「被験者」と表記)に表れます。
被験者は初吸引後、複数のステップを経て最終的に死亡します。ステップは経過時の環境、もしくはSCP-415-JPの使用の有無、頻度によって分岐するものであることが確認されていますが、いずれの場合であっても被験者の死亡という結果を引き起こします。
以下は、その分岐の中でも、SCP-415-JPが一般社会へと漏出した場合に多発するであろうと思われるルートのステップを述べたものです。
  1. 未解明の原因により、被験者の脳脊髄液が硬膜を透過し顔面方向へと浸透。両眼窩、鼻孔、口から漏出する。その間、被験者は頭部の激痛を訴える。脳脊髄液は約2時間後に全て漏出するが、SCP-415-JPの主流煙を吸引することで進行は遅行化する。SCP-415-JP主流煙の吸引を2分以上停止した場合、即座に全ての脳脊髄液が流出する(この時点でSCP-415-JP主流煙の吸引をさせなかった場合、脳脊髄液が全て流出することによる頭蓋底部の硬膜への圧力と脳そのものへの損傷による障害・出血による脳機能への障害によって死亡する
  2. 頭痛の症状が緩和するが、被験者は落ち着かず、強いストレスの徴候が現れる。また、被験者の軟口蓋部が上方へと穿孔するかのように溶解し始める。被験者をこの現象を知覚していないように見える。溶解は、およそ6時間をかけて孔が後頭骨から頭蓋腔へ達した時点で停止。溶解による血管への損傷は「火傷のような痕跡」によって塞栓されるため、出血は軽微。
  3. 全ての脳脊髄液が口腔を介して漏出。頭痛の症状が激化し、被験者はSCP-415-JPの喫煙の継続について強迫的な観念を抱き始める。この時点から、被験者が吸引した主流煙は明らかに能動的に活動し、孔を通じて頭蓋腔へ流入し、充満した煙が脳脊髄液の代替として脳の位置と機能を保持し始める。(これ以降、SCP-415-JPではない煙草の喫煙によってもステップの進行、もしくは喫煙の中断による死亡が発生するようになる。また、通常の煙草の煙であっても、被験者に吸引されると明らかに能動的に頭蓋腔内へと流入するようになる
  4. 16〜57時間、被験者は比較的鎮静状態へ入り、頭痛も緩和される。しかし喫煙行為について依存の徴候が見られ、これ以降、生命活動維持のためにも、喫煙を6分以上中断することが不可能となる。被験者は睡眠欲、食欲、性欲等の必要最低限の欲求が欠落する。脳内の神経伝達物質の合成が阻害されるが、煙草の煙が伝達物質の代替としての役割を担い始める。
  5. 被験者の言動に整合性が無くなり、認識能力や知覚能力に複数の障害が発生する。これらは煙による脳組織への損傷によって引き起こされるものと思われる。幻覚や幻聴が顕著に表れ、意味不明な発言を繰り返す原因となる。喫煙に対する欲求のみが極大化し、煙草を手に入れようとするに際しては、離脱症状に酷似した状態に陥りながらも規則的かつ知能的な行動に及ぶ。
  6. 脳組織の一部がSCP-415-JPに変異し始める。被験者とのコミュニケーションが不可能になり、精神や反応は完全に現実より乖離したような状態になるが、煙草のみを正常に認識し、知覚し次第積極的に入手を試みる。
  7. 3〜4時間後、被験者の肺が突如消失。同時に被験者の脳組織が全て580〜826本のSCP-415-JPに置き換わる。頭蓋腔内部のSCP-415-JPは約2秒かけて組織を溶解させつつ顔面へと浸透し、眼孔、鼻腔(鼻孔)、口より一挙に放出される。全SCP-415-JPの放出後、被験者は死亡する。

被験者の脳組織の変異または置換によって発生するSCP-415-JPの素材に用いられている脳組織、肺組織のDNA鑑定を行った所、全ての実体が異なる人物のDNAの素材によって構成されていることが判明しました。
これら実体の中には、被験者のDNAと一致するものは見つかっていません。また、SCP-415-JP実体のDNAに一致する人物についても未だ発見出来ていません。
 
補遺: 被験者の精神面に於けるSCP-415-JPの影響と、脳組織の活動との因果関係、運動機能と認識能力への影響の調査の一環として、複数の被験者に二時間ごとのレポートの筆記と提出を行わせました。それによって、被験者ごとの完全隔離状態での実験であったにも関わらず、全被験者に於いてステップ5状態での記述が部分的に一致している点が指摘されました。
以下は、部分的な一致が指摘された抜粋箇所です。

被験者: D-415-04

状態: ステップ5 筆記用具の保持が困難であったため、指先をインクに浸して筆記させた

筆記内容:
兄弟たち けむり 何も見えない
ましろなタバコと 煙幕がニャアとなく
中略
コアの暗示がよく響く
これが善良だと、まだ見ぬ兄弟たちが囁く
全人類煙草人類
焼き過ぎ注意

 

被験者: D-415-05

状態: ステップ5 眼球運動に障害 認知症の徴候を示す

筆記内容:
刑場が騒ぎ出す きょうだいがはやしたて
ゆらりとゆれる きょうだいたち ましろなきょうだい
パンチカッターの刃がぴたりと私の首に ニャアとタバコたちが叫んでいる
とびちるシズクが私のきょうだい かれらのきょうだい
それがよし 彼らが見守る
全人間煙草人間
刑務は嗤う

 

被験者: D-415-06

状態: ステップ5 無意識的自傷を行い続けるため拘束。筆記は口述のもの

口述内容:
兄弟たちが全て見る。ここ[咳]こにっにたたたたたえなき山、今日もよろしく。
真っ白[7秒沈黙][歯を3度噛み合わせて鳴らす]兄弟たちがニャアと[咳]揺らめく。
中略
いまここに罪あり兄弟あり[咳]彼らが私達の内よりしょうず[16秒沈黙]あげお[聞き取り不能]
人の死が兄弟たちを育む。兄弟の[咳]の視線[咳]視線[28秒間の咳]が思慮を突き破る。
中略
コアが示[嘔吐]我ら善良と罪悪。ヒトの使徒。
全人種煙草人種。
病は気から。

 
これらの記述がSCP-415-JPの直接的作用によるものか、SCP-415-JPによって脳組織が損傷することによる間接的作用によるものかについては、現在研究と更なる実験が進行中です。

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