SCP-4161
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財団が取得する前のSCP-4161。

特別収容プロトコル: SCP-4161はサイト-五の標準的な異常オブジェクト保管ロッカーに収容されています。実験はプロジェクト"綺羅星の瞳"のジョン・メイヤーズ監督官からレベル4クリアランスを付与された人物によってのみ実施されます。

D-15387は決してSCP-4161から分離されません。

説明: SCP-4161は身長165cm、体重47.7kgの乾燥したヒト型実体です。胡座をかいた体勢を取り、オレンジ色の僧衣を着用しています。不活性状態において、SCP-4161は細胞レベルで死亡しています。

SCP-4161はラップトップコンピュータと同様の手法で操作できます。しかしながら、その構造は非典型的であり、部品が身体の様々な部位に分かれて配置されています。これらの部品には以下が含まれます。

  • SCP-4161の胃の内部に位置するマザーボード。
  • 肝臓に埋め込まれた4ギガバイト容量のサムスン電子製RAMカード。
  • 心臓の右心室内にあるインテル i3の処理装置。
  • 結腸内部の動力供給装置。電源ケーブルは脊柱の根元から体外に出ている。
  • 舌の代わりに、SCP-4161の喉頭下部から食道を通ってUSB 2.0ケーブルが突出している。ケーブルの先端には雄コネクタがある。
  • SCP-4161の背中上部に設置された、目に見えるブランド名が無い大きなタッチスクリーン。

電源ケーブルを互換性のあるコンセントに差し込むと、体内の部品が機能し始めるにつれてSCP-4161の体温は上昇します。SCP-4161の細胞は呼吸を開始し、背中のスクリーンにはボタン式の簡素な選択画面が映し出されます。

活性化したSCP-4161はユーザーと口頭での意思疎通が可能になります。

初期回収: SCP-4161は2019年4月12日、ある仏教寺院で超常活動が発生したという通報が、中華人民共和国公安部の注意を引いた時点で財団に認知されました。GoI-084 "銀河連邦"との接点が疑われたため、潜入していた職員がこの通報を傍受し、機動部隊 刀-五 ("羯磨")が調査に派遣されました。

回答者: ケンチェン1ジャン
質問者: MTF 刀-五 指揮官代理 江舒ジァン・シュー


[記録開始]

江は寺院の内室に入る。

江: こんにちは? どなたか居ませんか?

張: 来たか。入れ。座れ。

江: 立ったままで結構です、ありがとう。私は公安局から参りました。こちらで異常な事件が発生したという通報を受けています。

張: 知っている。俺が通報した。

江: 内容はかなり曖昧でしたね。何が問題なのか、具体的に説明してもらえますか?

ケンチェンは自らの左側、石の台座に座っているSCP-4161を身振りで指す。SCP-4161はオレンジ色の布に覆われている。

張: 俺は子供の頃から寺院で育てられた。神秘的な宝具に囲まれて暮らしている。これはそういった物ではない。

江: どういう意味です?

張: こいつは絶叫するような負のオーラを発している。宝具は呪われた物品ではなく、宇宙のエネルギーの焦点に過ぎない。だが、これは — これはそれらのエネルギーが滑り落ちる穴だ。存在すべきではない物だ。

江: すみませんが、国家予算を単なる第六感に割くわけにはいかないんですよ。

張: いいだろう。なら自分の目で見るといい。

ケンチェンは立ち上がり、SCP-4161に近寄る。彼は素早く布を取り去る。

江: …他媽的。2

SCP-4161は完全に白目を剥き、顎は急速な開閉を繰り返している。褐色の液体が鼻腔から滴り落ち、石造りの床に水溜まりを形成している。充血した静脈が全身に見える。SCP-4161は低い掠れた声で話している。

SCP-4161: 天空の魂は過ちであり過ちはかの者によって打ち砕かれかの者は不信心者たちの血を流すために山へ至り不信心者たちは天空の魂を忘れ去り天空の魂は過ちであり過ちは…

SCP-4161は詠唱を一瞬止めて身震いする。喘ぐような音と共に、SCP-4161は前のめりになって咽び、口を開けて1匹のセミを吐き出す。セミは急速に窓から飛び去る。

江はSCP-4161に接続された電源ケーブルに気付いて引き抜く。SCP-4161は活動を停止する。

[記録終了]


結: この事件の後、SCP-4161はMTF 刀-五によって押収され、サイト-五へ移送された。

実験ログ:

序: D-15387がSCP-4161の実験担当者に選ばれた。

フォーマット

入力: 選択したボタン。
応答: SCP-4161の声による反応。


[記録開始]

スクリーン 1
暗い画面に3つのボタンだけが見える。ボタンには"WHO"、"WERE"、"BEGIN SUMSARA" [原文ママ] と表示されている。

入力: WHO (ダレ)
応答: "あなたは現在、かの者の栄光のための輪廻転生アシスタント、バージョン1.19.1を使用しています! 更なる情報をお求めの際は更なる情報を押してください。"

スクリーン 2
"MORE INFERMATION" [原文ママ] と表示された小さなボタン。

入力: MORE INFERMATION (サラナルジュウホウ)
応答: "このユニットには本来、方心應フェン・シンイェンのヴィジュニャーナ3が宿っていました。彼の魂は王の到来を告げる玉座の建造を支援するために再利用されています。彼は相応しき従僕がそうあるべきように忘れ去られるでしょう。"

スクリーン 1
暗い画面に3つのボタンだけが見える。ボタンには"WHO"、"WERE"、"BEGIN SUMSARA" [原文ママ] と表示されている。

入力: WERE (トコ)
応答: "栄光と永劫の玉座は虚空の虚無に座し、その力の重みが周囲の星々に暗黒を投げかけています。"

スクリーン 1
暗い画面に3つのボタンだけが見える。ボタンには"WHO"、"WERE"、"BEGIN SUMSARA" [原文ママ] と表示されている。

入力: BEGIN SUMSARA (スムサラヲハジメル)
応答: "宜しいですか? このプロセスは一度開始すると中断できません。"

スクリーン 3
2つのボタンが見える。どちらにも文字は表示されていない。D-15387はランダムに片方選ぶように指示され、左側のボタンを選択する。

入力: N/A
応答: "判定。あなたの魂はティリヤンチュ、即ち畜生のものです — 恐怖があなたの精神を通過し、あなたの意識に溶け込んでいます。あなたはサムサラ4に値しません。"

沈黙。

"あなたはかの者の玉座のために再利用されます。"

D-15387が一瞬の叫び声を上げた直後、コンピュータの冷却ファンがSCP-4161から高速射出され、D-15387の喉を穿刺する。SCP-4161は脊椎を180°捻ってD-15387の身体に腕を回し、彼を固く抱擁する。血液がD-15387の気管から零れ、SCP-4161は咳き込んで1枚のプロセッサチップを吐き出す。SCP-4161が片腕でチップをD-15387のまぶたの下に押し込むと、D-15387は活動を停止する。

解読不能の呟きがSCP-4161から聞こえる。

結: D-15387はこの実験以来、SCP-4161-Bに指定されている。SCP-4161-Bは標準的な異常変換スクリーニング検査手順の一環としてX線撮影され、胆嚢に2014年製 iPad Proが存在することが判明した。更なる実験は現在中止されている。

[記録終了]

補遺4161.3: 音声記録: 2020年8月15日、無線信号がSCP-4161の収容ロッカーから検出されました。転写は以下の通りです。

= 転写:

00:00-00:04: 広い室内であるかのように反響するダイヤル音。

00:05: 沈黙。

00:06-00:10: 液体の泡立つ音。

00:11-00:22: ダイヤル音は激しさを増し、00:18でクレッシェンドに達する。甲高い空電音のバーストが発生し、00:22まで続く。

00:22-00:25: 空電混じりの女性的な声が話している。"[先へ]進め、7-60-2。"

00:26-00:29: 更なる空電。ダイヤルアップ接続の音が散在している。

00:29-00:32: 先ほどと同じく空電混じりの、機械的かつ男性的な声。 "何か他に私のための物はありますか?"

00:32-00:35: 重機を連想させる機械的な音。

00:35-00:37: 再び女性的な声。 "準備完了。ベース・クリア。"

00:37-00:41: 薄れてゆく空電のバースト。

00:42-00:48: 空咳。音源がSCP-4161か、SCP-4161-Bかは不明確である。

事案4161.2: 無線信号から4時間後、小さなポップアップウィンドウがSCP-4161のスクリーンに表示されました。スクリーンショットが以下に添付されています。

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玉座が完全に充電されました!


現在地: おうし座ボイド
目的地: 月
打ち上げまで: -00:01:46
栄光の第二シッダールタによる人類惑星の啓発にご協力いただき有難うございました!
あなたの献身は彼の治世においてあなたが裁かれるにあたり考慮されるでしょう!

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