SCP-417-JP
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SCP-417-JP本体。

アイテム番号: SCP-417-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-417-JPは定期的に清拭され、乾燥剤と共に通気性の良いケース内に保管されます。保管場所は現在サイトー8181の安全ロッカーであり、無許可の使用者が出ない様に警戒される必要があります。現在の警備プランは収容担当者に問い合わせて下さい。

現在SCP-417-JPを使用した実験は中止され、通常の記録調査によるその製造起源の解明に焦点が当てられています。

説明: SCP-417-JPは1対の古い革靴で、履くと歯車が動く様な感触を得られますが、内部には如何なる特殊な構造も見られません。

SCP-417-JPを人間が着用したままで3分経過した時、着用者は周囲を捜索する事で「着用者の直系の先祖1名」その痕跡を発見する事が出来るかもしれません。これはランダムに選ばれた直系の先祖が、その存在する時間軸の中で、現在着用者が居る地点まで何らかの手段を持って移動していると考えられています。移動手段の確認された記録では、しばしば超常的な内容を含みます。この歴史改変による影響は、着用者のこれまでの人生に何ら影響を及ぼしていません。また、実験に参加した財団職員も改変の影響を免れている様です。これはSCP-417-JP着用までの流れに矛盾が生じない為であると考えられていますが、推測の域を出ていません。

財団収容以前、芸術品としてSCP-417-JPを所有していた██████████氏が、仕事柄頻繁に海外へ出向する際に戯れに着用していた事が分かっています。結果、氏は旅先で自身の祖先とされる多数の痕跡と”奇跡的な確率”で巡り合い、その体験をブログに書き綴った事が財団の目に留まりました。SCP-417-JPの入手経路を調査した結果、最終的に製作したと見られる2名のアーティストに行きつきましたが、別件でカナダのコンクール出品後に死亡しています。

アーティストに関するメモ: SCP-417-JPを購入した際に届いた外装箱には、以下のメッセージがイタリア語で添えられていました。ー「たまには、子孫の行く末を踏みしめて。」

SCP-417-JPの歴史改変は本来の歴史からかけ離れていく危険性が低いと考えられています。しかし、過去の存在とはいえ一般人に対する超常現象の発生を誘発する行為は財団のポリシーに反するとして、実験記録ー03以降SCP-417-JPの使用は禁止となりました。

実験記録(抜粋):

実験記録-01:
実験日時: 19██/██/██

実験対象: SCP-417-JP

実験目的: 実験対象の異常特性による時間的矛盾を発生させずに、実験を行いその異常性を記録する。

被験者: D-417009。日本人41歳男性。4世代前までの家系図など、可能な限りの情報収集を行いました。

実験方法: 被験者の地元から遠く離れた3つの地点で、それぞれSCP-417-JPを通常に使用する。

[実験地-01]:日本国内の屋外エリア-██。実験日時の50年前から財団の管理下にあり、来訪者を細かく記録している。

[実験地-02]:日本国内の屋外セクタ-████。実験日時の約140年前から60年前にかけては蒐集院に、それ以降は財団の管理下にあり、その間の詳細な記録が残されている。

[実験地-03]:アマゾン南部██████████族の集落。来訪者に対し友好的な部族である。およそ80年前に発生した超常現象を収容した時から、財団とは緩い協力関係を築いている。部族の人間に対し、実験対象と被験者に対する情報は知らせていない。

結果: D-417009の記憶には影響なし。各実験地において、祖先に当たると考えられる人物の痕跡を発見する事が出来た。

[実験地-01結果]:約30年前、D-417009の父にあたる男性が偶然にも来訪し、記憶処置を施して帰された事が記録されている。

[実験地-02結果]:約90年前、D-417009の曾祖母にあたる女性が、友人と遊ぶ際にはぐれ偶然迷いこんだとして記録されている。実験地までの移動手段は解明されていない。

[実験地-03結果]:時代不明。当時の族長は、かつて自身の祖父から「D-417009とは似ていないものの、同じ人種と思われる若い男性が”鳥と共にやって来て、カヌーに乗って帰って行った”という話を聞いていた」事を思い出したと主張した。この”鳥”について、明確に飛行機である事を否定している。また、その男性が残した物とされる男根像を調査員に見せた。男根像は、D-417009の出生地に伝わる厄除けに類似している。

注記: 実験の結果は、このオブジェクトが歴史に対して打撃を与え得る事を示している。少なくとも、操作された環境以外では、人一人の人生を変えるばかりか異常現象の漏えいにさえ繋がるかもしれない。今後の調査を行うのか、行うならば細心の注意を払う必要があるだろう。 - 松田博士


事案記録-417-A01:
事案内容: D-113076(日本人25歳女性)が警備員の隙をついて脱走し、SCP-417-JPを入手しました。D-113076は当該オブジェクトを手頃な靴として着用した後逃げ回り、異常現象発生までの3分間に再収容する事が出来ませんでした。事案発生17分後、D-113076は終了されました。

事案発生地点: 日本国内のサイト-8181。

事案後の対応: SCP-417-JPによる歴史改変の痕跡を探し、関連すると見られる物体を見つける事が出来ました。しかし、当該物の発見は19██年の有人宇宙施行計画時に成されており、発見場所は地球ではありませんでした。この事案は、発見時期と場所がSCP-417-JPの通例から外れていた唯一の事例です。

提供された情報: 二足歩行生物と見られるミイラ。D-113076とミトコンドリアDNAが一致するが、骨格は脆くヒトの形状から大きく離れている。腰部のヘルニアおよび、重度の肺線維症を患っている。咽頭部には植物を模した貴金属製の装飾品らしき物体が詰まっており、死因は窒息と考えられる。重ね着した衣服からは身分の高い人物であったと推測されている。発見時周囲から割れた器が回収されている。

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