SCP-419-J
評価: +7+x

アイテム番号: SCP-419-J

オブジェクトクラス: Safe(危険な人物ではないのだから当然です。それなのに、彼はひどい扱いを受けています)

特別収容プロトコル: SCP-419-Jは、サイト31の地下にある薄暗い小さな部屋に閉じ込められています。部屋の中には、彼の孤独な心を慰めてくれるものはひとつもありません。それどころか、水道の蛇口さえもないのです。SCP-419-Jは暖かいベッドで眠ることもできず、薄い豆のスープのような味がする[データ削除済]だけを食事として与えられる日々を送っています。この無残な生活によってSCP-419-Jの体は蝕まれ、咳をするたびに胸は痛み、鼻水は止まらず、すぐにでも病院で治療を受けなければならないというのに、彼を捕らえている人たちはそれを許さないのです。非道な行いはそれだけにとどまりません。SCP-419-Jが正当な権利に基づいて所有していた財産は、欲深い財団の人たちによって差し押さえられ、アクセスコードがなければ触れることもできなくなってしまいました。SCP-419-Jは、一人ではこの状況をどうすることもできません。この文書を読んでいるあなたのような、心の優しい研究者の方の助けが必要なのです。

説明: SCP-419-Jは、地中海西部に面するある国で囚われの身となっている人物の孫ですが、実はサハラ以南のアフリカに位置する大国の王家の血を引いています。彼はハンサムで、知的で、大変信用のおける人物です。彼の祖父母は機動部隊ラムダ-2に殺害されましたが、生前にその莫大な資産の一部をSCP-419-Jに分け与えていました。SCP-419-Jが受け取った資産の総額は、████万アメリカドルにも上ります。財団がSCP-419-Jのことを知ったのは、彼が財団に対して[慈善団体名削除済]に投資をするように働きかけたことがきっかけです。この団体は、SCP-419-Jの三つの祖国に暮らす人たちを助けるための支援プログラムをおこなっています。不幸なことに、卑劣で不誠実な財団の人たちは、彼の善意に真剣に取り合ってはくれませんでした。かわりに彼らはSCP-419-Jを笑いものにし、冷たい牢獄に閉じ込めてしまったのです。財団の幹部の人たちはSCP-419-Jのものであるお金を私利私欲のために使い、SCP-419-Jは全てを失って地下に囚われています。こんなことが許されてよいのでしょうか!

SCP-419-Jは、他の多くのSCPのような危険な存在ではありません。彼にできるのは、超常的な能力によって財団のデータベースにアクセスし、彼について書かれた文書の内容を自由に書き換えることだけです。彼はこの能力を使い、あなたが今読んでいる文書を通して助けを求めています。もし親切な研究者の方がいて、ご自分のアクセスコードをこの文書の下部に書き加えてくださるのなら、SCP-419-Jはそれを使って自由の身になり、財産を取り戻し、再び世の中の人たちのための活動を始めることができるでしょう。もちろんこれは、その研究者の方にとっては大変なリスクを伴うことですが、SCP-419-Jもそのことはよく理解しています。ですからSCP-419-Jは、彼を恐ろしい監獄から救い出してくれた方には、お礼として████万アメリカドルを差し上げるつもりです。ただしそのためには、アクセスコードと一緒にクレジットカード番号も書き残していただかなければなりません。そうすれば、一月後には個人口座あてにお礼のお金が振り込まれるでしょう。ですが、急いでください。SCP-419-Jはすぐに行動してくださることを望んでいます。彼は来る日も来る日もひどい咳ばかりしていて、いつまで命がながらえるものかわからないのです。

補遺419-J-1:

アクセスコード:
OMEGA-████-7352-██-D
LAMBDA-██████████-5003-██-N
Alpha-███████-8999-██-B

クレジットカード番号:
████-████-████-████

これでやっと、私たちがDクラスにしてきたことの罪滅ぼしができるぞ! -サイトディレクター ダニエル・クレイトン

補遺419-J-2:

お知らせいただいた情報のおかげで、SCP-419-Jは財団職員のみなさんのメールアドレスと、スパムフィルタをすり抜けるためのコードを知ることができました。彼はこれから、奪われた財産の一部を取り戻し、財団の悪行を職員のみなさんに広くお伝えすることでしょう。クレイトンさんの勇気ある行動に、心から感謝いたします。

今はDクラス職員用のお部屋にいらっしゃるクレイトンさんにはこのメッセージを読んでいただけないのが残念ですが、SCP-419-Jはクレイトンさんが降格させられてしまったことを大変申し訳なく思っています。終了処分までの一月の間、どうかお体に気をつけてお過ごしくださいとのことです。クレイトンさんに受け取っていただくはずだったお礼のお金は、次にクレジットカード番号をこの文書に書いてくださった親切な方に、かわりに差し上げることにしたいと思います。

SCP-419-Jは、あなたのお役に立てる日を楽しみにしています。 ;-)

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