SCP-4313

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太陽系を離脱するパイオニア11の芸術家による描写。

アイテム番号: SCP-4313

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: 心霊照明装置1を備えた6機の無人監視探査機が、SCP-4313の複数の既知の外縁を通過する軌道上に存在します。エクトプラズム衝突後に必要な軌道修正は、制御用小型エンジンにより行われます。全宇宙船の制御は遠隔で行われます。財団職員がアノマリーに接近あるいは進入することは許可されていません。

NASAとの協力により、宇宙探査機パイオニア11を取り巻く現象に関する隠蔽情報が流布されています。パイオニア11の加速度変化についての詳細は、パイオニア10が放射圧を受けた際の加速度変化と適切に一致するよう改ざんされています。

監視探査機オーバーヘッド-ZETAは星間宇宙を通してSCP-4313-Zへの平行軌道をたどっており、アノマリーからの発射バーストを観測するために派遣されています。財団の隠蔽プロトコルは、関連する高エネルギー粒子バーストが他の天文現象によるものであると偽装しています。

SCP-4313-Zの動作が太陽系に影響を与えることはないため、これ以上の収容は不要です。

説明: SCP-4313は超巨大生物の残骸であり、太陽から20-25天文単位(AU)2の位置を周回しています。身体全体が半透明であるために解剖学的研究は妨げられています。3またSCP-4313はエクトプラズムの雲で構成されており、それを通過する物体や宇宙船と衝突します。

エクトプラズムに加え、SCP-4313には高濃度の非実体で形而上学的な断片が含まれており、アノマリーの境界内の観測者には発光する青緑色の内臓として視覚的に認識されます。知性を有する対象に衝突した断片はその身体と融合し、その後崩壊します。このプロセスの中で対象には、死亡前のSCP-4313に由来すると考えられる様々な感情的記憶と感覚が埋め込まれます。記録された記憶には次のものが含まれます。

  • 四肢の切断。
  • 追われる感覚。
  • パニック。
  • 何度も突き刺される感覚。
  • 発話の不可能。
  • 超高度からの急落下。
  • 見当識障害; 精神的な集中力の喪失。
  • 失血。
  • 静寂。

しばしば、これには抽象的な図形や不可能な色彩を有する視覚的表現が伴います。対象が自己を地球外の超巨大生物であると一時的に信じることによる混乱が多く見られます。

より大きな形而上学的な構成物が、SCP-4313-Y実例として10個存在します。SCP-4313内部の観測者にとって、これらは一端が鋭利であり、もう一端に漠然とした性質のエンジンを備えた細長い赤い円柱として認識されます。実体は規則的なパターンでSCP-4313の幅全体に、おそらくかつて臓器構造が存在していた領域に広がっています。SCP-4313-Y実例を通過する対象は「これ以上追う必要はない」と主張します。

発見: SCP-4313は、宇宙探査機パイオニア114が最初に遭遇しました。太陽から20AUの距離に到達すると、探査機はSCP-4313のエクトプラズム雲に衝突し、その塊内を通過し始めました。衝突を繰り返したことで軌道にずれが生じ、探査機は小さくではありますが明白に減速していきました。

しばらく更なる現象は観測されませんでしたが、パイオニア11が21AUの点に到達すると、探査機のカメラが外部からの指示なしに一連の画像を送信しました。画像は、探査機がSCP-4313-Y実例の表面に到達する目前まで接近していることを示しています。続く画像は抽象的な図形とミームパターンであり、観察すると手まで含む黒みがかった四肢の組み合わせとして視覚的に認識されます。交信は1週間途絶え、パイオニア11がSCP-4313から離脱すると回復しました。離脱プロセスは問題なく実行され、探査機の全機能は通常通り再開しました。

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2040/03/14に発射されたSCP-4313-Z発射体の痕跡の高エネルギーX線画像。

補遺.4313.1: SCP-4313-Z

2002/01/10、パイオニア11の無線信号が検出不可能なほど微弱となった直後、探査機の方向から一連の高エネルギーX線バーストが検出されました。これは2002/01/10、2015/9/26、および2020年から2025年までのうち計30日に繰り返されました。探査船メシア-002は、2025/4/23に探査機の予測位置へと送られました。

パイオニア11には一連の異常な兵器が装備されているのが発見されました。SCP-4313-Y実例と視覚的に一致する9本の付属肢がシャシーから放射状に伸びており、それぞれの先端は0.9cに近い相対論的速度で発射体を放つレールガンとなっています。X線バーストは、発射体が放たれたり、発射体が周囲の惑星間物質と衝突したりすることにより放出されるエネルギーから発生していました。発射体に共通の軌道はほとんど存在しません。意図されたターゲットは不明です。

探査機へのSCP-4313-Zとしての指定は2025年5月に確立されました。それ以来、SCP-4313-Zからの送信は1件のみ記録されています。

静かに。

頭上で囁くのを止めろ。

まだ狩りの最中だ。

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