SCP-435-JP
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アイテム番号: SCP-435-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-435-JPは施錠機能が付いた冷蔵庫に保管してください、SCP-435-JPの摂食実験は必ずDクラス職員を使用し、実験終了後は発生したSCP-435-JP-1を終了してください。生成したSCP-435-JPは全てふき取ったあと焼却処分してください。

説明: SCP-435-JPはポリエチレン・アルミ製の袋に入った10g使いきりタイプのトマトケチャップです。パッケージの表面にはケチャップで書かれた滴のようなマークと「血液代替トマトケチャップ」の文字が印刷されています。

SCP-435-JPの構成物質はトマトピューレ・塩・酢などの一般的なケチャップの材料に加え、未知の赤い着色料と粘性のある物質が使用されています。SCP-435-JPは通常下では粘性の高い液状の形態を保ちますが、パッケージ外の空気に触れた場合、数秒で固いゴム状の形態へと変化します。この形状になったSCP-435-JPは接着面から非常に離れにくくなりますが、水分を含んだ布等を用いて容易に除去することが可能です。

SCP-435-JPを人間が経口摂取すると、使用者はその直後に大量の血液を嘔吐し始めます。嘔吐された血液自体には異常な性質は存在せず、またその嘔吐量は使用者の体格から推測される保有血液量とほぼ同量です。血液の嘔吐に伴い使用者の血液は順次SCP-435-JPへと置換され、嘔吐が終了した時点ですべての血液がSCP-435-JPへと変化します(以下使用者をSCP-435-JP-1とする)。SCP-435-JPがどのような原理を用いて血液の持つ生態的機能を代替えしているのかは現在も不明なままです。SCP-435-JPの味に対してすべてのSCP-435-JP-1は「非常に美味」と述べています。

SCP-435-JP-1に変化した使用者は出血に対する非常に高い耐性を持つようになります。SCP-435-JP-1に刃物を突き立てた場合、通常通り刃物は肉体を切断しますが、SCP-435-JPの持つ空気に触れるとゴム状に固くなる性質のため出血は通常よりはるかに少量に抑えられます。しかし、SCP-435-JPはその成分1と出血を塞ぐ以外の効果は通常の血液と違いが殆どなくSCP-435-JP-1の治癒力は通常の人間と変わりません。そのため重要な臓器に損傷を受ける、肉体そのものが完全に切断されるなどしたSCP-435-JP-1は通常通り死亡します。

SCP-435-JP-1は口内にSCP-435-JPを自由に出現させることのできる能力を有しています。SCP-435-JP-1自身その仕組みを理解していませんが、SCP-435-JPは唾液腺、および犬歯の一部から分泌されていることが確認されました。一短い時間での多量のSCP-435-JPの分泌はSCP-435-JP-1にめまい・貧血・体温の低下など多量失血時と同様の症状を引き起こすため、体内のSCP-435-JPを口内に送り込む機能だと推測されています。

SCP-435-JP-1へと変化した人物は、時間の経過につれSCP-435-JPを摂取したいという強い欲求を持つようになります。欲求が現れる初期の段階では、自身で分泌したSCP-435-JPを摂取することによって欲求を抑えることが可能ですが、徐々に要求されるSCP-435-JPの量が増えていくため、最終的にSCP-435-JP-1は自身の血液の摂取による出血性ショックにより死亡します。SCP-435-JP-1がSCP-435-JPをごく微量ずつ口に含み、長い時間をかけて咀嚼を行うことからSCP-435-JP-1の目的は、SCP-435-JPの摂取その物よりも、その味を感じ取ることであると考えられています。

欲求が現れたSCP-435-JP-1の周囲に他のSCP-435-JP-1が存在する場合、その個体を殺害することでSCP-435-JPを回収することを試みます。前述した空気に触れるとゴム状に変化するSCP-435-JPの特性のため、傷口に直接吸い付く・齧り取った肉体ごと咀嚼するなどの方法で摂取を行います。

同様に欲求が現れたSCP-435-JP-1の周囲に通常の人間が存在する場合、SCP-435-JP-1は相手にSCP-435-JPを強制的に摂取させ、SCP-435-JP-1へ変化させようとする行動をとります。その際SCP-435-JP-1は自身の口で相手の口を塞ぎSCP-435-JPを強制的に注ぎ込むという手段を用いる傾向があります。この行動は自身がSCP-435-JPを獲得する機会を増やす目的のためと考えられています。

SCP-435-JPは20██/█/██に愛知県名古屋市で発生した交通事故の現場で発見されました。当時事故現場では車内からSCP-435-JPの流失が発生しており、事故車の中からSCP-435-JPが付着した多数の500mlガラス製容器が発見されました。その後財団は同車内から損傷のないSCP-435-JPの10g使い切り袋1██袋を回収しました。SCP-435-JPを積んだワゴンを運転していた人物は事故で死亡しておりその身元は現在調査中ですが、ワゴン内から大型の撮影機器や小型の舞台道具、SCP-435-JPで汚れた複数の舞台衣装などが発見されたことから舞台関係者、もしくは映画関係者ではないかと推測されています。

SCP-435-JPやガラス容器が梱包されていた全ての段ボール箱の側面に以下の言葉が黒のマジックで記入されていました。

ハイキ
うますぎた

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