SCP-436-JP
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収容中のSCP-436-JP-A。

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収容中のSCP-436-JP-B。

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収容中のSCP-436-JP-C。

アイテム番号: SCP-436-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-436-JPに指定される生物群は財団の収容に対して従順です。それぞれの生物を飼育するのに適した一般的なケージにて飼育してください。
SCP-436-JPの異常性について、事案-436-1の例から、微弱ですが感染性があると推測されています。SCP-436-JPの収容自体は一般的な生物飼育と同様であり、それゆえに今のところ飼育は自動で行われています。機械では賄えない飼育手順については現在SCP-436-JPの異常性に感染した研究員によって補填されていますが、必要ならばDクラスを充当して下さい。
感染経路が不明であるため、可能な限り財団職員による接触は避け、収容室周辺に立ち入る際は無菌スーツを着用して下さい。

説明: SCP-436-JPは、収容以来██年間外見的な加齢を取っていないように見える、雑種のメスの子猫、成鳥のオスのメンフクロウ及びメスの成犬のゴールデンレトリバーです。DNA検査の結果異常はなく、一般的な同種と同様の食事・睡眠を行います。

SCP-436-JPはお互いに極めて親密な関係を築いているだけでなく、“とても人懐っこい”と形容される性格で財団職員の誰に対しても友好的な反応を示します。しかしながら、SCP-436-JPの示す“親愛行動”は一般的な物とはかけ離れています。

本来、SCP-436-JPに指定されている動物の示す“親愛行動”とは、以下の通りです。

  • 子猫ーー喉を鳴らす、対象に自分の頭を擦り付ける
  • メンフクロウーー対象を捕食の意思なしに甘噛みする
  • ゴールデンレトリバーーー対象に抱きつく、対象を舐める

本来ならば見られるはずのこれらの行動を行う前に、SCP-436-JPは後述の行動を行います。

人間を含む生物に対してSCP-436-JPが“親愛行動”を実行する際、SCP-436-JPは共通して、低い男性の声で[436-JP親愛反応語句]と指定される言葉を発します。本来これらの生物では発音できないはずの言葉をどのようにして出しているかは不明です。

SCP-436-JPが[436-JP親愛反応語句]を発した際、それを向けたとされる人間(基本的には直近の一名)の血管の一部はその体表に移動を開始します。被験者に選ばれたDクラスによれば“水面から取り出すように”対象の血管はその繋がりを保ったまま最も近い皮膚の表面を透過し、体表に露出します。抜き出される血管の範囲はその時々によって一定せず、手の甲の主要な血管のみが露出する例もあれば、全身にその影響が及んだ例も見られます。この際血管に一切の損傷は起きず、血管を抜き取られた生体組織はその生命活動を継続します。浮上する血管の中には、本来ならば血管が延長できる限界を超えて延長しているように見える場合もありますが、この事例で回収された血管のサンプルは本来の能力を超える延性を示しました。

血管の延長自体は生命活動に影響を与えませんが、その際の変化により対象の他の血管部分には若干ながら鬱血が発生する場合があります。SCP-436-JPの“親愛行動”は鬱血が深刻に人体に影響を与える程に長期に渡ることはなく、最長でも2〜3分で終了するため、これによる人体への影響は今のところ報告されていません。

血管が完全に露出すると、SCP-436-JPはその部分に、一般的な同種が取る“親愛行動”を行います。SCP-436-JPは一様に血管の分岐部分を愛撫することを好み、それゆえ、最も取り出される可能性の高いのは心臓部周辺となっています。血管はこれらの行動によって歪みこそすれ、基本的にSCP-436-JPによって損傷を受けることはありませんが、この行動中は通常のナイフなどで別の人間が血管を切断することは可能です。また、“親愛行動”中にSCP-436-JPに対して過度に不快感を与えるような行動(強く叩く、思い切り身体をつねる、無理に抱きしめる等)をした場合、通常の生物と同様に、SCP-436-JPは対象に対して回避行動または攻撃的な態度を示します。この際、まれに血管に傷をつけたり引き裂いたりする場合があります。

“親愛行動”の後、SCP-436-JPはそのまま対象から離れます。同時に血管は再び皮膚を透過してもとの位置に戻ります。この際、血管にSCP-436-JPの抜けた毛や組織が巻きついていた場合はそのまま体内に飲み込まれます。血管にそれ以外のもの、例えば対象の毛髪やフケ、実験によって巻きつけられた紐などが付着していた場合、それらは皮膚を透過せず、そのまま皮膚の上に取り残されます。

補遺-1: 事案-436-JP-1 SCP-436-JPは、ペットショップから警察への“異常な行動を示す動物”についての通報をキャッチされ、収容されました。これらの動物は全て別のブリーダーから当該の店舗に卸されたもので、彼らには異常性について全くの心当たりがありませんでした。
収容から16カ月後、収容当初からSCP-436-JPの管理に当たっていた研究員██にSCP-436-JPと同じ異常性が発現しているのが確認されました。

SCP-436-JP被影響者へのインタビュー:20██/██/██

対象: ██研究員


付記: SCP-436-JPはその異常性を軽視され、研究員は長い付き合いの中でSCP-436-JPに対して軽度の依存心を起こしていたと考えられる。

東郷博士: では、詳しいことを話してください。

研究員: む、無理な話でした。あの子たちはとても可愛いし、それに物凄くよく懐いてくれていて、その。

東郷博士: そこは問題にしていない。彼らの異常性についてはほぼ研究も済んでいる。君になにが起きたのか、そこだけを聞いている。

研究員: [3秒沈黙]あの、私……子供(研究員は4年前に出産しており、普段は財団内の託児所に預けられていた)を迎えに行って、サイトからの……シャトルバスに乗ったんです。別のオブジェクトの報告書をまとめるのに手間取って、サイトを出たのは、10時を回っていました。子供も眠そうにしていて、バスの中で私にもたれかかって、それで……[嗚咽]。

東郷博士: それで。

研究員: あの子の寝顔を見ていたら、やっぱり私も母親ですね、かわいいなぁ、って。髪の毛が目に入りそうだったので、そっとかきあげようとしたんです。そうしたら……。

東郷博士: 異常性が発現していたわけだ。君の、いや、君自身に。

研究員: [嗚咽]……はい。私そんなつもりなんてなかったのに!!なんだか急に、アレ(436-JP親愛反応語句を指す。)を言わなくてはいけないような気がしてしまって、で、でも……私言いませんでした。絶対に。でも[6秒沈黙。以下、対象はすすり泣きを始める。]

東郷博士: 言わなかったのに、それなのに異常性が発現したんだね?

研究員: 息子の髪に、私は触れられませんでした。あぁ…血管が、あの血管が邪魔をして!!息子の頭がマスクメロンみたいに真っ赤に埋め尽くされて……[号泣]

東郷博士: ……それで、君はアレを舐めたわけだ。最終的には。

研究員: ……はい。結局、私撫でるだけじゃあ満足できなかったんですの。
〈録音終了〉

補遺-2:436-JP親愛反応語句

愛しているゆえに、だ。マーリン。

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