アイテム番号: SCP-4362
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-4362を組み込まれた機器数点が研究目的でサイト-95に保管されています。これを除き、潜入財団資産はSCP-4362との互換性を有する、SCP-4362に依存している、またはSCP-4362で構成されている機器が確実に廃止、破壊されるように軍事組織と協力します。今後、当該技術の開発は試みられません。
機動部隊イオタ-10(“ポリ公”)はメディアジェンとその従業員に関する調査を行います。メディアジェンとの接点を有する人物は誰であれ、尋問のために拘留します。
説明: SCP-4362は、後に世界各地で複数の軍事計画に採用されたADS(アキレス防衛システム)プログラムに統合されている異常技術です。ADSは相互依存する異常な構成要素を複数使用したため、SCP-4362が一端を担っているシステムからSCP-4362のみを単離することは事実上不可能です。この理由により、ADSとの繋がりがある、またはその他の形式でADSから派生した全ての技術はSCP-4362の一部として扱われます。
ADSはバウ委員会の1995年パラフォース・イニシアチブ(完全にネットワーク化された高度な歩兵戦闘システムを確立するためのプロジェクト)の一環として、複数の民間製造業者によって開発されました。構成要素には磁気粘性流体ベースの装甲、360°ヘッドアップディスプレイ(HUD)を提供するヘッドギア、“スマートライフル”と“スマート拳銃”の相互運用性、医療緊急事態を識別して治療を管理する車中バイオメトリックセンサー、そしてこれらのシステムを単一の神経インターフェースに統合したPAN(パーソナルエリアネットワーク)が含まれていました。270億ドルと10年近い歳月を開発に費やした後、パラフォース・イニシアチブは廃止され、異常物が関与しない解決策(フューチャー・フォース・ウォリアー・プロジェクト)に取って代わられました。
その後の数年間で、複数の組織がADSの技術を獲得し、独自の軍事計画へと吸収しました。2008年、これらの計画から製造された装置は動作不良を起こし始めました。不具合の例としては、インターネットアクセスの無い状況下では発砲できないライフル、課金制の操作解放機能を搭載した医療機器、HUDにサービス契約の延長要請しか表示されないヘッドギアなどが挙げられます。これらの機器を調査した後、財団エージェントは本来のADS契約に関与したソフトウェア企業(メディアジェン)まで問題の技術(SCP-4362)を追跡しました。
ペンタゴンの報告書によると、メディアジェンはマイクロトランザクションと企業スポンサーシップによる紛争の収益化、軍の民営化に対する興味を表明していました。現在、SCP-4362はこの目標に向けて開発された異常コードが何らかの形で再利用され、過失でADSに組み込まれたものだと考えられています。
補遺4362.1: 事案記録
音声記録
日付: 2008/05/07
[記録開始。]
デルタ: 司令部、こちらデルタナイン。ターゲットを視界に捉えた。オーバー。
司令部: デルタナイン、こちら司令部。交戦を許可する。オーバー。
デルタ: 了解、司令部。狙撃する。
[沈黙。]
デルタ: あー、司令部? どうやら機械的な問題が発生したようだ。
司令部: デルタナイン、具体的に述べてもらえるだろうか? オーバー。
デルタ: どういう訳か — ライフルの —
声: ADSをご利用いただき有難うございます! あなた様は本日の無料キルショット上限に達しているようです。プレミアムエリートプログラムに登録して無制限のキルショットを解放しませんか? 今すぐお申込みいただければ、特典として —
デルタ: なん —
声: — デイリーガチャに参加できます。獲得可能なアップグレードには無料リロード、鋼板貫通弾の利用、装甲の強化 —
デルタ: うるせぇ黙れ! 居場所が —
[何かを激しく打つ音。]
声: — スキンの変更など —[銃声。]
[記録終了。]
音声記録
日付: 2008/10/21
[記録開始。]
[遠くで銃声が聞こえる。]
アルファ: (不明瞭) — 伏せろ! 圧迫するんだ — 傷口に圧力を掛けろ、ここだ。あのパックをよこせ。
[呻き声。]
アルファ: 動くな、動くな。もう大丈夫だからな、動くんじゃないぞ。ったく。ジャクソン、野戦用治療キットを取ってくれ、こいつ全身から出血してやがる。
ベータ: そ — それがですね — 箱が開かないんですよ、この —
アルファ: 止してくれ、こんな時に。こっちに貸してみろ。
[ガタガタという音。]
[沈黙。]
アルファ: あぁん?
声: 衛生兵クラスへのアクセスには少なくとも300バトルポイントを獲得する必要があります。しかし、バトルポイントを購入なさる場合は、幾つかのお支払方法をご用意しております。
アルファ: さっさと開けってんだよ、このクソ —
声: 私どもがバトルポイント・システムを導入したのは —
アルファ: ジャクソン、そこの岩をよこせ。
声: — 実績解除の誇りと達成感を兵士の皆様にご提供 —
[金属質なドスンという音。]
声: (空電) — ご注意ください — (空電) — において無許可の利用は重罪 — (空電)
[ドスンという音、続けて鋭い亀裂音。]
[記録終了。]
補遺4362.2: ドローン事件
2012年、機動部隊ニュー-7(“下される鉄槌”)は、異常兵器で武装したカオス・インサージェンシー工作員との抗争に関与しました。ミゲル・ペレス軍曹は自らの武器が操作不能に陥った後、攻撃者の銃器の1つを奪取しました。
発砲は不可能だったものの、ペレス軍曹は兵器から“専属スポンサー付きドローン空爆パック”の申し出を受けてクレジットカードの番号を提供しました。取引の完了直後、所属不明のドローン6機が敵陣の上空に出現し、持続的な爆撃によって敵を排除しました。
目撃者たちは、“このドローン空爆はマクドナルド協賛の下、ミゲル・ペレスがお送りしました”と宣言する声が、コマーシャルのジングルとスローガンを伴って上空から聞こえたと報告しました。ペレス軍曹には後日、約1万5千ドルの経費がクレジットカードに払い戻されました。
パラテック兵器産業へのマクドナルドの関与について調査が進行中です。