SCP-438
評価: -5+x

アイテム番号: SCP-438

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-438は現在偵察チームカッパ-6の管理下にあり、その任地に配備されています。そのため実験計画の立案は現在はなされていません。ただし、SCP-438bは実験に使用可能です。詳細は補遺を参照して下さい。

説明: SCP-438はおよそ1930年に製造されたポージー社製の白い拘束衣です。未知の素材で作られた紐が取り付けられています。この拘束衣は融通性が高く、成人の約95%が着用可能であり、適切に調整することで確実に拘束できるように設計されています。

SCP-438の影響の閾値、正確な影響範囲は不明です。これに関する調査は完全に影響を体験した個人の自己申告に基づいており、したがって、定量化可能な証拠の大部分を除いて信憑性は低いと言えます。

SCP-438を歴史的な拘束衣の装着法と同様に装着したとき、着用者は昏睡状態に陥ると共に継続的な幽体離脱体験(OBE)をします。これにより被験者の精神は事実上肉体から離れた幽体となります。この状態の被験者は物理的性質を持たないため、あらゆる物質的な存在に直接干渉することが不可能であり、他のSCPオブジェクトも含めた我々が取り得る手段では測定することも検知することも不可能です。しかしながら、大まかな実験でさえもこの幽体が完全に実在のものであるという事実が証明されています。被験者の意識は実際に肉体から切り離され、超長距離を容易に一瞬で移動することが可能であり、完全な知覚能力を有しています。幽体の記憶は昏睡状態にある被験者のものと同一です。

昏睡の間、被験者とのコミュニケーションはある1つの手段でのみ行え、これは彼または彼女の幽体が存在する状態に限り可能です。OBEの期間は被験者の制御下になく、被験者が通常の身体機能を回復するためには第三者の手で拘束衣を脱がす必要があります。長期間に渡って拘束衣を装着し続けると、結果として幽体の被験者は彼または彼女の肉体へ戻ることに抵抗を感じたり、あるいは戻ることが不可能になります。幽体が戻らなかった場合、被験者の肉体は脳死に至ります。脳死に至るまでの時間はおよそ81分で、被験者の50%が自身の肉体へ戻りません。この時点を過ぎても幽体が持続して存在しているか否かは不明であり、検査も不可能です。

SCP-438は実地での偵察活動と科学的探査において非常に有用ですが、被験者の生命とSCP-438を使用する機関の機密情報の保持に対して多くの危険を孕んでいます。被験者がSCP-438を安全に使用するために、彼または彼女の同僚の助力が絶対に必要である、という点がこれに幸いしています。もしも何らかの理由から被験者の忠誠心に疑いが持たれる場合、被験者が死亡するまでSCP-438を装着させたまま放置する可能性があります。

補遺[O5 - 優先度高]:
同一の形状と機能を持つ1つの物品が[データ削除済]で発見された。これはSCP-438bに分類され、SCP-438が唯一無二の物品ではないという事実の動かぬ証拠となった。潜在的なセキュリティリスクが懸念されるため、あらゆる同一品の収容を最優先で遂行せよ。O5-2の命令だ。

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