SCP-439-JP
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アイテム番号: SCP-439-JP

オブジェクトクラス: Euclid Keter

特別収容プロトコル: SCP-439-JP-aを記録したファイルがサイト-81██のドキュメント保存庫に保管されます。全世界の野球団体にSCP-439-JP-a-3およびSCP-439-JP-a-7に当たる行為をルール上禁止させ、打者がそれらの動作を行った場合は試合を一時中断させるように通達し、SCP-439-JPの発生を防いでください。██選手の打席が映った一般向けの映像媒体は発見次第編集・破棄する必要があります。現在SCP-439-JPに関する実験は禁止されています。

説明: SCP-439-JPは現在、野球のみで確認される、打者が一連の動作(以下SCP-439-JP-a)を行った後にボールを打つと発生する現象です。極めて稀であるものの野球以外でもSCP-439-JP-aが再現可能であることが判明しました。その場合重篤な被害が発生する可能性が考えられます。

SCP-439-JP-aは全10段階で表される動作です。(これらの動作を段階に応じてSCP-439-JP-a-1~SCP-439-JP-a-10に指定。別紙を参照してください。)SCP-439-JP-aを他の動作を挟まずに連続して行った後、ボールを打つことでSCP-439-JPが発生します。SCP-439-JP-aの中には元来から一般的に非紳士的であると見做される動作が含まれており、SCP-439-JP-aに指定される動作の多さも手伝い、野球の歴史の長さから考えるとSCP-439-JPの発生は非常に少なく抑えられています。原理上、クリケットの様に棒とボールを用いた全てのスポーツでSCP-439-JP-aの成立及びSCP-439-JPの発生は起こりえますが、SCP-439-JP-aの多さや、打者の頭部の角度が細かく指定されるなどの複雑さのため野球以外で成立することは極めて稀と考えられます。なお、SCP-439-JP-aが途中で中断された場合や空振りをした場合はSCP-439-JP-a-1からやり直さなければSCP-439-JPは発生しません。

SCP-439-JPが発生すると打者により打たれたボールは必ず、ボールの重量に比例した距離だけ飛びます。この時の打球の飛距離は、概ね、(ボールの重量[kg]*1000)[m]であり、打者の筋力やフォーム、投球速度、バット及びボールの材質の影響は一切受けません。ただし、SCP-439-JP-a-10は「強振すること」であり、バントやバットに当てることに集中した緩い振り方では発生しないため、調査を目的にしない「観戦」程度では強振した結果ホームランになったという極自然な現象にしか見えません。しかし、ハイスピードカメラを用いた解析を行うと、バットとボールの当たり方から考えると物理的に不自然な飛び方をしていることが分かります。

SCP-439-JPが記録上初めて確認されるのは19██/7/21の████対██████戦の故██選手の第4打席です。██選手は名プレイヤーとして知られており、得点圏にランナーがいる際にホームランを打つ可能性が高い、所謂「チャンスに強い選手」であると評されていました。この打席以降、彼がチャンス時にホームランを打った際は必ずSCP-439-JP-aを行っていたことが確認されています。██選手は全打席でSCP-439-JP-aを行っていたわけではなく、SCP-439-JP-aが偶然にも彼のチャンス時のクセであったのか、チャンス時以外には意図して行わずSCP-439-JPの存在を隠していたのかは不明です。19██年に行われたサイト-81██のレクリエーションの野球でエージェント███がボールを打ったすべての打席でホームランになっていたことにより、参加していた研究員の興味を惹きました。エージェント███は野球は未経験でしたが、彼は他人の動作を精確に模倣する能力に秀でており、前日に参考として見たDVDの██選手の動作を模倣していたことが判明しました。その後、██博士の調査によりSCP-439-JPの存在とその発生条件であるSCP-439-JP-aが確認されました。

実験439-10において事故が発生しました。以下は、その事故記録です。
事故記録439-01 - 日付19██/5/7

事故内容: D-45370に並べられた野球ボールを2球同時に打つように指示したところ、D-45370は空振りをしバットを放してしまいました。バットは実験の補助として参加していた別のDクラス職員の頭部に直撃し、Dクラス職員の頭部は[編集済]。本実験ではD-45370に新たな負傷は見られませんでした。D-45370にインタビューを行ったところ、故意ではなく先日の負傷により腕の感覚が鈍かったためであると主張。D-45370は別のSCP任務に割り当てられ、同席していた研究員にはBクラス記憶処置を行いました。

分析: ボールではなくとも球体に近ければ影響が及ぶと予想される。また、バットがコントロールから離れてもSCP-439-JPは発生するようだ。

実験結果及び事故記録から、サイト-81██責任者により実験の凍結及びオブジェクトクラスの見直しが申請。O5評議会により承認されKeterクラスに割り当てられました。

Dクラス職員の頭部に当たったのは幸運だったと言える。楕円形でも、表面に凹凸があろうと問題なくSCP-439-JPは発生し、そして重量物ほど飛距離がでる。そこに例外があるという希望的観測はするべきではないだろう。 -サイト-81██責任者 ████

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