SCP-441-JP
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アイテム番号: SCP-441-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: 現在、SCP-441-JPを封じ込める手段は確立されていません。現在、SCP-441-JPの放送は確認されていません。SCP-441-JPが放送された地域に対しては、「高度な技術を持つ何者かによる電波ジャック」をカバーストーリーとして流布してください。しかし、その指定エリア441-JPには実際に"夜間外出禁止令"が発令されたとしてエージェントを派遣し、現地の警察と協力して一般市民のこれ以上の犠牲を防いで下さい。指定エリア441-JPで起きた殺人・行方不明などの事例に対しては、職員は警察と協力して事態の収集に当たってください。

説明: SCP-441-JPは国内のラジオ放送に強制的に介入する形で送信される男性の声です。これはAM放送、FM放送、短波放送、更にはインターネットラジオ上でも聞くことができます。ほとんどの場合、SCP-441-JPは放送中の番組を遮るかたちで、数秒間のノイズと共に送信が開始されます。この男性はゆっくりと明朗な調子の声で一定地域(主に市区町村)を指定し、その地域の夜間の外出禁止令を伝えます。(財団はこの地域を"指定エリア441-JP"に分類します)SCP-441-JPは未知の手段により番組に被せる形で放送しているだけで、実際にその番組を中断しているわけではないということに注意してください。また、この指定エリア441-JP以外では、SCP-441-JPは放送されません。なお、SCP-441-JPが伝えるような夜間外出禁止令は全てのケースで実際には発令されていないことが判明しています。

指定エリア441-JPで、夜間外出禁止とされた時間帯に出歩いていた者がいた場合、その人物が行方不明になるか殺害される事例が発生することがあります。これは必ず発生するという訳ではなく、発生しないケースも同様に多く確認されています。この事例の多くは1人で居る者を狙った犯行で、それぞれが別の人物の手によるものなのか、同一人物の手によるものなのかは判明していません。なおSCP-441-JPとの明確な関連性は不明なままです。

補遺: 特筆すべき放送ログ、及び発生した事例のリスト

放送ログ441-JP-06
日付: 19██/09/23
放送: "臨時放送をお伝えします。████市および███市の夜間外出禁止令が発令されました。これは今晩の23時から、翌朝の5時まで有効です。市民の皆様におかれましては、戸締まりを厳重に確認した上で、もし夜間に不審な人物、車両を見かけましたら速やかに警察へと連絡してください。では、よい夜を。"

発生した事例
被害者: ████████(21歳・女性・看護学生)
発生場所: ███市████通りの交差点
概要: 頭部を鋭利な刃物で切断された状態で発見。(彼女の体は現在も警察が捜索中)頭部からは眼球などが取り除かれ、その代わりに小型の携帯型照明装置を無理矢理に詰め込まれていた。右眼窩には青色の照明、左眼窩には赤色の照明が入れられており、口の中には黄色の照明が入れられ固定されていた。彼女の頭部は交差点の車両用信号機からロープでぶら下げられており、宅配便のドライバーがこれを信号機の故障だと錯覚し、通報したことで事件が発覚した。なお、頭部をぶら下げる際に取り外されたものと思われる信号機も未だに発見されていない。

放送ログ441-JP-09
日付: 19██/11/04
放送: "臨時ニュースをお伝えします。本日23時より、次の地域に夜間外出禁止令が出されます。██区、█████区、███区です。対象地域の方はご注意ください。では、皆様、よい夜を。"

発生した事例
被害者: ██████(27歳・男性・無職)
発生場所: ██区、██丁目のコンビニエンスストア
概要: 行方不明。最後に、コンビニエンスストアで雑誌を立ち読みしようとしていた所を店員に目撃されている。店員は、彼が目を離した3秒間の隙に██████の姿は消えていたと証言した。警察の調べで、██████が店内に入ったすぐ後に監視カメラの録画データが壊れたことで、映像はノイズに包まれていることが判明している。また、現場から40m離れた郵便ポストの上に、彼のものとDNAが一致する胸骨体が置かれていたのが発見されている。胸骨体は外科的に切除された上に洗浄されており、市販のものと思われる黒のマジックペンで小さく"69年7月 忘れないでください"と書かれていた。

放送ログ441-JP-11
日付: 19██/12/24
放送: "███、█████に夜間外出禁止令が出されました。指定地域の皆様はドアや窓をしっかりと施錠し、カーテンを閉めたかどうかを再度確認して下さい。また、当局では通風口や排水口などを目張りするのも有効な対策法だとしています。もし、何か異常な物体が見えた場合は直ちに目を逸らし、呼吸を止めたまま、そちらを見ないように対策するか現地の警察に連絡して下さい。[3秒間の静止]市民の皆様におかれましては、これを必ず守ってください。私からのお願いです。では、よい夜を。"

発生した事例
被害者: █████(29歳・男性・弁護士)・████(22歳・女性・学生)(複数人が狙われた初の事例
発生場所: ███、█████公園、ベンチの側
概要: 死亡。2人はそれぞれ身体に100箇所以上の裂傷を負った状態で発見。凶器は不明。犯人は、2人を切り付けた傷跡にそれぞれバラ(Gene Boerner)の種を1つずつ埋め込んだ後に立ち去っている。なお、遺体から回収された213粒の種は警察に証拠品として保管されている。それぞれの種からは何ら異常性は確認されていない。

放送ログ441-JP-14
日付: 19██/12/30
放送: "臨時放送です。██区、███区に夜間外出禁止令が出されました。[5秒間の静止]市民の皆様、あいつは未だに捕まっていません。私の娘も8歳になったばかりでした。皆様にはそういった思いをして欲しくありません。[3秒間の無音]では、よい夜を。"

発生した事例
被害者: ████(30歳・男性・警察官)・████(24歳・男性・警察官)
発生場所: ██区、████通り
概要: パトカーの後部座席で、2人とも頭部を切断された状態で発見。前に回された手には、それぞれの手錠がかけられていた。第一発見者である別の警察官は、2人の遺体は発見後3時間が経っても、ゆっくりと痙攣するかのように蠢いていたと報告した。その手はガチャガチャと手錠を外そうとするかの様に動いており、首の切断面からは時おり複数人がささやく様な声が聞こえてきたと、別の警察官や救急隊員も同様に主張した。しかし、検死解剖の結果、2人の遺体からは異常な点は発見されなかった。

放送ログ441-JP-17
日付: 19██/02/02
放送: "なぜ皆様、夜間外出禁止令を守らないのですか? 犠牲は増える一方です。お……私は大変な危険を犯してまで、1人でこの放送を続けているのです。それを分かってください。[男性のため息らしき音]あいつは既に完成させつつあります。どうか、どうか指定地域の皆さま、夜間の外出は控えて下さい。[5秒間の無音]今回、夜間外出禁止令が出されたのは███と█████です。それでは、皆様、どうかよい夜を。"

発生した事例
被害者: ██████(46歳・男性・タクシードライバー)
発生場所: █████、国道██
概要: 両手首と両足首を切断される。それぞれ右手には右足首を、左手には左足首を縫い合わされた状態で発見された。また同様に、彼の遺体の足にはそれぞれの手首が縫い合わされていた。なお、放置されたタクシーの車両からおよそ13m先まで、足跡が残されていることが判明している。足跡は、4m地点まではサイズ27cmのメーカー不詳のブーツのものだったが、そこから10m地点まではサイズ23cmのピンヒールのものになっており、13m地点までにはグレートプレーンズオオカミ(Canis lupus nubilus)のものと非常によく似た足跡に変化していた。

放送ログ441-JP-21
日付: 19██/04/18
放送: [何かを叩く様なくぐもった音と、湿った音がかすかに聞こえる。SCP-441-JPの放送が開始され終わるまでの6分間、マイクは不明な人物の荒い息づかいの音を拾い続ける]

発生した事例
概要: 犠牲者はなし。これ以降のSCP-441-JPの放送は確認されていない。現在、オブジェクトクラスのNeutralizedへの変更を検討中。

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