SCP-446-JP
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アイテム番号: SCP-446-JP
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”裁判所”とSCP-446-JPの潜伏区画の外部の様子。

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: エージェント、および機動部隊か-6(‘‘騎士団‘‘)はSCP-446-JPの潜伏区画周囲の家屋に潜伏し一般市民に変装してください。SCP-446-JPは24時間体制で監視されます。SCP-446-JPと財団間で行われた提言のため、SCP-446-JPの潜伏区画内部に侵入することは禁止されています。
SCP-446-JP-α、およびSCP-446-JP-βの活性化により一般市民に被害が及ぶ場合、一般市民の保護を最優先事項とし、対象を保護した後Aクラスの記憶処理を施してください。

説明: SCP-446-JPは███県████市の住宅地の中心に位置する█████公園に潜伏しているホームレスの男性です。SCP-446-JPはエージェントとの会話の中で自身のことを本名██ ████と名乗りましたが、SCP-446-JPの容姿を含めた戸籍調査の結果、19██/█/██に対象は心筋梗塞で死亡していることが判明しています。██ ████氏の遺族にも確認を取りましたが死亡は確定しており、██ ████氏の死亡診断書も存在します。
SCP-446-JPは█████公園において”王”であり、政治、儀式的な催しに参加します。また、SCP-446-JPは█████公園はSCP-446-JPの治める”王国”であり、SCP-446-JPと█████公園を構成する物の”領土”であると主張しています。

█████公園を構成する主な要素は以下の三つです。

・国民 ムネアカオオアリ、クロオオアリ、コツノアリ、サムライアリ、ジョロウグモ、クサグモ、ハラビロカマキリを主とした日本に生息する昆虫郡です。”国民”はそれぞれが人間並みの知能と寿命を有し、産業革命時のヨーロッパに近しい文明を築き上げています。また、「教育、経済、財産」を柱とした資本主義経済に酷似した社会を形成しており、通貨の概念も持ち合わせています。
しかし、同時に王政主義の形態も存在し、サムライアリとSCP-446-JPの貴族社会の色も濃く残しています。
”国民”には兵役の義務があり、満25歳になると”王国”内に設置されている軍隊に入隊しなければなりません。就業年数は3年であり、使用される武器はマスケット銃に形状が似ているミニチュアサイズの銃器です。しかし、威力は実物サイズと大差ありません。
”国民”の主な生活圏内は█████公園内の茂みや花壇であり、整備された道路や”国民”に合わせた居住施設や公共施設が存在します。
確認されている”国民”の数はおよそ███億████万██千█百██であり、現在も増加傾向にあります。

・建築物 SCP-446-JPおよび”国民”は█████公園内部の遊具を”王国”における重要な建造物と認識しています。

滑り台・・・裁判所に該当。

ジャングルジム・・・銀行に該当。

水飲み場・・・大洗濯場として使用されています。

ブランコ・・・処刑場に該当。

回転式ジャングルジム・・・オペラハウスに該当。(使用する層は主に貴族などの上流階級です。)

・守護神・・・”守護神”は二つの要素に分けられ、それぞれをSCP-446-JP-α、SCP-446-JP-βと呼称されます。
SCP-446-JP-αは全身が█████公園内に存在する「砂場」の砂によって構成されている、体長およそ5mの人型の未知の生命体です。目、耳、鼻、といった感覚器官の存在は目視では確認できませんが、SCP-446-JP-αは周囲の状況を正確に認識していると思われます。SCP-446-JP-αは█████公園の西出入口を主に防衛し、例外はありますが、SCP-446-JPに”入国”が許可されていない対象はSCP-446-JP-αによって抹殺されます。
SCP-446-JP-βは█████公園内の中心に位置する、マメ科のエンジュに酷似した一本の木です。SCP-446-JP-βは侵入者などを察知しない限り不活性状態を維持し、不活性時はその他の植物との差異は見られません。体長は生長したエンジュと同様の25mです。活性時には、植物としての特徴を残しつつも、人型へと形状を変え、SCP-446-JP-α同様に対象を抹殺します。主に防衛する場所は█████公園の東出入口です。
なお、SCP-446-JP-αおよびSCP-446-JP-βは█████公園内でのみ生存できるわけではなく、█████公園外部へ進行することが可能です。また、SCP-446-JP-αおよびβを撃退する試みは全て失敗に終わっています。

SCP-446-JPは█████公園内の”政治”的実権を握っており、█████公園内での法律の管理を担っています。また”王国”の象徴でもあります。
国家の体制は”国民”種族に依存している傾向が目立ち、█████公園内はある種の絶対王政と似たような体制を維持しています。ですが、直接的な政治を行う、またはSCP-446-JPからの指示を直接聞くなどの職務を全うする総理大臣を選挙によって任命するなどの民主主義的な傾向も目立ち、これらの政治的な職務に務めるおおよその種族の約8割がサムライアリによって構成されています。それに伴いムネアカオオアリ、クロオオアリは中流階級の生活をしている割合が多く、コツノアリは主に農業を担っています。兵役の任につく割合が比較的に多いのもこの3種類の種族です。ジョロウグモは生産される糸を用いた衣服などの布製品の製造を担い、クサグモがそれらを売買する商人的な役割を担っています。しかし、”王国”内では教育体制が確立しているため█████公園内にある”大学”に進学するなど、クサグモの中からも上流階級に昇格するケース、中流階級からのケースも存在します。また、風俗などを扱う歓楽街も存在します。このような割合の変動が伺えることから、現在”王国”はある種の発展途上の最中である可能性が指摘されました。また、”国民”の全体の割合のうちハラビロカマキリは(主な種族に分類されますが)極めて少数であり階級も安定していないことから、ごく最近に”国民”として”王国”に加えられたのではないかと思われます。
”国民”の一部が兵役の任に就く際、”国民”それぞれに適性検査が行われます。そして、その後それぞれの体型に合った武器が支給され、それを使用する際、”国民”はそれぞれの前脚を通常の人間のように駆使し銃器を扱います。それのどれにも当てはまらない場合は通信手として任命され、通信端末はモールス信号の打電装置と思われる物が使われています。
SCP-446-JPは█████公園内を毎日徘徊し”国民”生活の視察を行なっています。また、”王国”に年周期的に行われる儀式的催しにも参加します。主な催しは「王国誕生祭」「守護神への奉納」「新年の訪れ」などです。

現在、█████公園内にSCP-446-JPの許可なく侵入する試みは一度を除いて全て失敗しています。西出入口、東出入口以外の場所(█████公園は周囲を柵で囲われています。)から侵入する試みは、未知の不可視な障壁の出現により阻まれました。
また、”王国”側からの攻撃に合う対象は財団など、”王国”側に何かしらの被害をもたらす可能性を有する存在に限り行われていると思われます。

実験記録001 - 日付██/██/██

実施方法: Dクラス職員一名を █████公園西出入口より侵入させる。(尚、実施は夜間に行われた。)

結果: 武器を装備した兵役中の”国民”の攻撃を受け死亡。

分析: 侵入しようとしただけではSCP-446-JP-α・βは活性化しないことが判明しました。また東出入口においても、昼夜問わずに行った場合も同様の結果が得られました。

実験記録005 - 日付██/█/██

実施方法: Dクラス職員に防弾処置を施し侵入。(昼夜ともに行う。)

結果: SCP-446-JP-αおよびβが活性化。侵入したDクラス職員を殺害しました。

分析: Dクラス職員が”国民”に直接危害を加えようとした場合もSCP-446-JP-α・βは活性化しました。このとこから、SCP-446-JP-α・βはSCP-446-JPを優先しつつも█████公園全域を防衛しているものと思われます。

実験記録011 - 日付██/█/█

対象: エージェント█████

実施方法: 外務省認定の入国申請書を記入の上、西出入口にいる兵役中の”国民”に手渡す。

結果: █████公園内の侵入に成功しました。また、SCP-446-JPとの対話も実現しました。

分析: これはもう、本当に国って思った方がいいのかもしれないな。     -███博士

補遺: SCP-446-JPは2000年から2014年までの間、該当する公園が区画整理などの対象から外れ続けていたことが発覚し発見されました。また、█████公園にまつわる怪談まがいの噂が広まっていたことも相まって財団の目を引きました。その内容は、公園内で悪戯をした子供が行方不明になっている、誰も活用しないため埋め立ててアパートにしようとしていた業者が公園内で死体で発見されたなどです。なお、行方不明者の関係者全員にはAクラスの記憶処理を行いそれぞれに事故、病死などのカバーストーリーを適用しました。
当時、財団は█████公園の地区における超常現象であるという認識でしたが、事案-446-Kが発生したため、ホームレスの男性をSCP-446-JPと認定しました。

事案-446-K

██/█/██ SCP-446-JPの前方に1羽のカワラバトが飛来。およそ5分間の静止の末、カワラバトもそのほかの”国民”と同様の反応を示しました。その際、カワラバトはSCP-446-JPに対し「跪く」と思われる行動を取りました。
その後、SCP-446-JPは█████公園内で同様のケースを多種多様の動物に対して10回ほど発生させています。

このことから、SCP-446-JP-αおよびβはSCP-446-JPの影響下にある別個体のSCPオブジェクトである可能性が浮上し、現在、SCP-446-JP-αおよびβを新たなSCPオブジェクトへと認定するための協議が行われています。
SCP-446-JPの人間に対する影響は確認されていません。

現在、SCP-446-JPはエージェント█████との間で行われた「不可侵条約」の提言により、SCP-446-JPの外部への進行を抑制することに成功しています。

追記: █████公園内の文明レベルがより高度なものへと発展し始めました。新型兵器の製造が行われる可能性が発生したため、機動部隊か-6(‘‘騎士団‘‘)は█████公園周囲の家屋に潜伏し、一般市民に変装した上でSCP-446-JP、および”国民”、SCP-446-JP-α・βを監視してください。

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