SCP-448-JP
評価: +55+x
両替機2

回収直前のSCP-448-JP-a

アイテム番号: SCP-448-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-448-JP-aの回収個体はサイト-81██の標準低危険物収容室に収容して下さい。SCP-448-JP-bの回収個体は記録を行った後、実験・保存用を確保してオブジェクト破壊用溶鉱炉にて処分して下さい。SCP-448-JP-a及びSCP-448-JP-bの回収・捜索は回収部隊は-5("銀行員")が行います。財団フロント企業及び警察・金融会社等に潜入中の職員は常にSCP-448-JP-bの存在を監視して下さい。SCP-448-JP-a及びSCP-448-JP-bに関する実験を行う場合、担当職員の██博士の承認又は監督の下行って下さい。SCP-448-JP-bは実験の際を除き、それぞれアルミニウム・銅・亜鉛等の指定金属又は指定金属を含む合金に接触させる事は禁止されています。指定金属のリストに関しては下記の表を参照して下さい。SCP-448-JP-bの収容サイト外への持ち出しにはサイト管理官及び担当研究者への申請が必要です。

概要: SCP-448-JPはSCP-448-JP-aとSCP-448-JP-bの二つの要素から構成されます。SCP-448-JP-aの外見は、一般的に知られるグローリー社製の硬貨専用両替機に見えます。異常性の無い同型の両替機の様に百円硬貨の投入が可能ですが、従来の同型機が十円硬貨を排出するのに対し、下記の異常な物品を排出する、ロゴの有無や材質等の差違が確認されています。SCP-448-JP-aの異常性は硬貨を投入し、つまみを回して両替を行った時にのみ発生します。上記の操作を行った場合、SCP-448-JP-aから排出される硬貨は合計金額が投入額と等しい異常性を有する一円硬貨・五円硬貨・十円硬貨(以下SCP-448-JP-bと呼称)となります。排出される硬貨に規則性及び硬貨切れは無い様です。

SCP-448-JP-bはSCP-448-JP-aから排出された異常な硬貨群です。SCP-448-JP-bは通常の硬貨とは異なる意匠となっていますが、材質及び質量は同一です。それぞれ一円・五円・十円硬貨を模しており、SCP-448-JP-b1~b3に分類されます。
SCP-448-JP-b個体 確認された通常硬貨との差異 接触を禁止する合金の構成
448-JP-b1 一円アルミニウム貨。若木の意匠が”ψ”の字に簡略化され、昭和43年製造と記されている1 100~80%のアルミニウムを含む合金
448-JP-b2 有孔ゴシック体五円黄銅貨。額面が「丑」になっており、稲の意匠が反転されている。 60~70%の銅40~30%の亜鉛を含む合金
448-JP-b3 十円青銅貨。平等院鳳凰堂の意匠が国会議事堂になっており、常盤木が簡略化され三角形と線で構成されている。 95%前後の銅・4~3%の亜鉛・1~2%のスズを含む合金

SCP-448-JP-bの異常性は、それぞれ対応する自身を構成する合金と接触した際に発生します。SCP-448-JP-bと接触した合金は、10分から120分を掛けて同体積・質量の複数枚のSCP-448-JP-bへと変化し、端数は異常性の無い不完全な硬貨や金属片として残されます。衆人監視下では緩やかに時間を掛けて変異し、誰にも観察されていない場合は10分前後で完全に変異する様です。SCP-448-JP-bがどの様に人間の視線を感知しているかは不明です。

実験記録448-い 日付2002/3/26

対象: SCP-448-JP-a

実施方法: SCP-448-JP-aに硬貨を投入し続け、SCP-448-JP-a内のSCP-448-JP-b1~b3の枚数の確認を行う。

結果: 投入額が予定の██万円に達した時点で実験中止。

分析: 予想通りSCP-448-JP-aは硬貨切れ等は起こさない様です。実験で生じたSCP-448-JP-bは一時的にSCP-448-JP-a収容室に保管。

実験記録448-ろ 日付2002/4/8

対象: SCP-448-JP-a

実施方法: SCP-448-JP-aの解体による内部構造の観察。実験は██博士の監督の下行われた。

結果: SCP-448-JP-a背部の螺を全て取り外した時点でヒューム測定装置の異常が発生した為、実験は中断。ヒューム値の安定後、SCP-448-JP-aは一切の異常性を消失した事が確認されました。内部機構は一般的な両替機と同一でした。

分析: ヒューム測定装置の異常はSCP-448-JP-aの内部のヒューム値が非常に薄い状態であり、外部からの隔壁が取り払われた瞬間周囲の現実性に上書きされた結果と思われます。SCP-448-JP-aの異常性の喪失はSCP-448-JP-a内部が規定現実と同化し、SCP-448-JP-a内部の異常性の原因となる物が無力化された結果だと考察。内部構造の隠蔽の為の機能と思われる。如何にして異常性を発揮していたかについては不明。

実験記録448-は 日付2002/4/10

対象: SCP-448-JP-b1

実施方法: SCP-448-JP-b1を一円アルミニウム貨・十円青銅貨・千円紙幣にそれぞれ接触させる。

結果: 一円アルミニウム貨はSCP-448-JP-b1に変化。十円青銅貨・千円紙幣は変化無し。しかし実験に用いていたアルミニウム合金製デスクが同体積、質量のSCP-448-JP-b1████枚と異常性を持たない不完全なSCP-448-JP-b1二枚に変化。

分析: SCP-448-JP-bの異常性は当初同種の硬貨を自身へと変換させる物と思われていましたが、硬貨のみならず同材質の物質まで影響する事が判明しました。収容違反時の危険性からサイト外への持ち出し時は担当研究者とサイト管理官への申請を行う様収容プロトコルを改訂、SCP-448-JP-bの異常性の対象となる物質は指定金属としてSCP-448-JP-bと接触させる事を禁止します。

 
実験記録448-に 日付2002/4/12

対象: SCP-448-JP-b

実施方法: それぞれ20%・50%・80%まで損壊させたSCP-448-JP-b1~b3を通常の硬貨に接触させる。

結果: 全てのSCP-448-JP-bは異常性を保持していた。

分析: 現状、SCP-448-JP-bの効果的な処分方法は存在しない為、回収されたSCP-448-JP-bはサイト-81██の低危険物収容金庫を臨時収容場所として保管。

実験記録448-ほ 日付2002/4/14

対象: SCP-448-JP-b1~b3

実施方法: SCP-448-JP-b1~b3を溶鉱炉に入れる。

結果: SCP-448-JP-b群は異常性を喪失。

分析: SCP-448-JP-b群の無力化に成功、結果生じたアルミニウム等の金属も通常の用途に使用可能と判明。収容プロトコルに溶鉱炉による効果的処分の追加。他の方法による処分実験は申請中。

考察: SCP-448-JP-bの異常性の喪失は、硬貨として認識されない形状に変化した事によるものではないかと思われます。人の視線を感知する能力と合わせると、周囲からの認識がこのオブジェクトの異常性のトリガーとなっている可能性があります。

 
 
 
補意448-1: 2002/4/8に行われたSCP-448-JP-aの解体実験後、異常性の失われたオブジェクトを検査した結果、以下の文章が機体内側の底部に確認されました。

東弊重工 [判別不能]-1998

製造番号 イ-37

SCP-448-JP-aと同様の性質を持つオブジェクトの存在する可能性が示唆された為、現在も機動部隊による捜索が行われています。
財団は現在██体のSCP-448-JP-aを収容しています。

補意448-2: 2002/5/5に行われた東弊重工の関連施設と思われる廃工場の探索の結果、複数の文書及びSCP-448-JPとの関連があると推測される物品が回収されました。


以下は工場内にて回収された物品のリストです。
  • 二台のSCP-448-JP-a
  • SCP-448-JP-aの試作品と思われる様々な執拗に破壊された両替機14台
  • 四枚の手書きのメモ
  • 二枚の報告書
  • それぞれ20枚程のSCP-448-JP-b1~3
  • 銃撃された固定電話一台
  • 9人分の寝袋と食器
  • 市販されている睡眠薬の剤錠
  • 未開封のインスタントコーヒー1袋

SCP-448-JPの製作依頼者及び東弊重工との関係は現在調査中です。

特に指定がない限り、このサイトのすべてのコンテンツはクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス の元で利用可能です。