特別収容プロトコル: 財団のリソースはSCP-4524を発見したと主張する(専門家またはその他の)あらゆる人物の権威を失落させるための国際的な誤報キャンペーンに割り当てられています。
人類が一貫して有人宇宙探査を達成させる段階においてもベールが無事だった場合、財団のリソースはSCP-4524の機密保持に専念し、"捲られたベール"シナリオを阻止します。
説明: SCP-4524は人間の細胞のみで構成される地球の月とほぼ同じ直径の天体であり、現在は天王星を周回しています。SCP-4524の物質の構造から天体の初期形態が人型であり、約4000年に渡り現在の状態に成長したことが推測されています。SCP-4524の起源は現在においても不明であり、生体活動、知覚、知性の有無も確認できていません。
大気圏に打ち上げられた財団の探査機はSCP-4524の環境に関するデータを観測しています。新たに得られた情報からSCP-4524の地表は居住可能であると示されています。SCP-4524がどのような方法で生命を維持させているのかは不明です。現在の理論では、SCP-4524は異常性を持たない哺乳類の生体と同一の体温調節システムを使用することで地表の環境を維持しているものと仮定されています。
補遺01: 発見とインタビュー記録
SCP-4524は2013年にアメリカ航空宇宙局(NASA)が公開したレポートから始めて発見されました。機動部隊アルファ-3("完璧なでっち上げ")をNASA本部に配備し、SCP-4524を認識していた現場の職員には実行中にインタビューを受けていた主任研究員を除いて記憶処理が施されました。
インタビュー対象: メイソン・ゴバッティ博士 (プロジェクト主任)
インタビュアー: エージェント - ダーウィン・クラーク (機動部隊アルファ-3指揮官)
前書き: ゴバッティ博士は古くからNASA/財団間通信プロトコル-イプシロン・タウ「初遭遇可能性」シナリオを通して財団を認識しています。
<記録開始>
エージェント・クラーク: 記録のため、あなたの名前を教えてください。
ゴバッティ博士: メイソン・ゴバッティ、NASAの研究者だ。
エージェント・クラーク: この新衛星が発見された時、何をしていたのか教えてくれませんか?
ゴバッティ博士: そうだな、うむ……俺が他の奴らと天王星を観測していた時から始まるが、我々はいつも通りに観測していて、その時は何も見つからなかったな。
エージェント・クラーク: それで未発見の状態から、この衛星が存在していることにどうやって気が付いたのですか?
ゴバッティ博士: ハッブル宇宙望遠鏡から得た天王星の記録を用意し、最後に観察した時に収集したピースと一致しているのか確認していたんだ。ハッブルからの記録はアーカイブ前に調査目的で送信される。それで記録のバッチ処理がダウンした時に衛星を発見した。
エージェント・クラーク: そうですか。これが未確認の衛星であることをどのように認識しましたか? そして以前に発見されなかったのは何故ですか?
ゴバッティ博士: そのことが問題なんだ。あれはいつもそこにあったんだ。
エージェント・クラーク: 詳しく話してもらっても良いですか?
ゴバッティ博士: あれは天王星の裏側に隠れていたから俺たちは今までそれに気が付くことがなかった。俺たちは衛星に光が当てられた瞬間にそれを発見できたのだと思っている。
エージェント・クラーク: 天文学史の中でも、天王星の近隣に他の衛星が存在するという事実に気が付いた人は誰も存在しなかったということですか?
ゴバッティ博士: 君らは検閲のためにいつも監視していると思っていたのだがね?
エージェント・クラーク: そうですか。さて、お時間を頂きありがとうございます。後ほど連絡します。
<記録終了>
終了報告書: ゴバッティ博士は天文学の専門知識を保持していたため、もれなく財団に雇用されました。SCP-4524を発見した残りのチームには記憶処理が実行され、ゴバッティ博士の指示の下で職務に復帰しています。
収容プロトコルはSCP-4524が地球上で発見された場合、他の天文学プログラムを閲覧するために作成されました。
補遺02: 探査
SCP-4524の座標が判明した際、SCP-4524への有人ミッションは奇跡論的およびパラテック的装置1を加味しても危険であると見なされていました。代案として、人工知能制御探査機を用いたSCP-4524の探査が行われました。
以下はゴバッティ博士によって執筆されたミッションレポートです。
SCP-4524ミッションレポート:
衛星を調査するため、ローバー10(AIC「キャプテン・ローバーズ」によって運用と制御がされている)が投入された。ローバー10には、充分な容量の内部ストレージユニットと共に発射管が装備されており、ストレージ内の全記録が最寄りの財団施設に送信されるようになっている。ミッションは分析のために地表からサンプルを収集することから始まった。着陸地点から開始するように指令を出し、エリア調査の前にこれらのサンプルを収集し保管ユニットに保管した。これらのサンプルと同様に河川は着陸地点から然程遠くない場所に存在した。水のサンプルを収集した後、更にエリアを移動させた。
着陸から約3時間後、AIがSCP-4524の地表に建てられた構造物を発見した。助手スタッフとの審議の後、AICは構造物の外壁材に使用された幾つかのバイアルを回収するために移動した。構造物周辺の土壌の解析から、数世紀前のものと推測される。
構造物の主要通路内部には、後にインド・ヨーロッパ語族とウラル祖語の言語で構成されていると判明する幾つかの経典2が発見された。先へと進む前にAICは構造物に使用されている物質のサンプルを回収した。
ローバーが構造物の主室に移動した際に接続の問題が発生したため、ローバーに部屋から退出するように指令を出した。別の画面は部屋の天井の壁画を写していた。部屋の床を見下ろす赤と白のローブを着用した顔が描かれていない人物3が描かれており、画像描写ソフトウェアは壁画から突き出た多数の金属の棒を捕捉していた。
ローバー10は外部に戻し、サンプルと記録を最寄りの財団施設に向けて発射する指令を出した。それが完了した後、AICに報告会議のためにサーバーに帰還するよう指示した。以下に回収した物質の解析結果を示す。
回収場所 物質解析 最初の着陸地点から回収した土壌 壊死した皮膚細胞、起源は不明 着陸地点周辺の奇妙な地形から回収した物質 扁平上皮癌によく見られる典型的な腫瘍 外壁材 筋肉組織と骨髄 壁面のインテリア装飾 骨材、起源は不明 河川から回収された液体 尿や汗などの体液の混合物
補遺03: 機動部隊アルファ-3からの覚書
2020年、機動部隊アルファ-3からサイト-17に覚書が送信されました。
親愛なる監督官へ、
NASAでの調査中においてSCP-4524座標への有人ミッションの数多くの要求が確認されています。これらの要求はその後取り下げられています。それら要求の提出者を追跡しようとしたものの、何も掴めていません。
要望を提出した人物はSCP-4524を発見した最初のチームの誰か、あるいは我々が知らない研究者である可能性が高いと信じる理由があります。ゴバッティ博士は、彼の同僚たちの誰もがそのような要求をしていないと供述しています。
私が取り組まなければならないもう1つの問題は、複数の会議室で描かれたシンボル4に関する多数の報告がされたことです。清掃員の証言では、深夜の会議室で複数の人物を目撃しているものの、個人の詳細までは特定できていません。再配備準備によるサイト-17への帰還中における潜入調査のために部下を2~3人ほど残留させることを提案します。
敬具、
ダーウィン・クラーク
機動部隊アルファ-3指揮官