— SCiPNET authentication agent J-2 —
* Fetching SCP-456-JP security information …… [OK]
* Checking level 3/456 security clearance…… [OK]
* Automatic authentication…… [Fail]
[auth-agent] Please enter the passphrase.
█████████████
* Deactivating conscious-shutdown infohazard…… [OK]
Access granted. Redirecting to SCP-456-JP research lab page…
……
[SCP-456-JP研究室]
おかえりなさい、岡村主任研究員。
SCP-456-JP研究室のページです。
覚え書き
文書SCP-456-JP-Aを毎日読むこと。絶対守らないとだめ。
サイト-81██事務局からのおしらせ (未読1)
- 20██/08/02にSCP-456-JP研究室の設備点検が予定されています。ご迷惑をおかけします。
- 20██/02/03にSCP-456-JP研究室の設備点検が予定されています。ご迷惑をおかけします。
文書SCP-456-JP-A
アイテム番号: SCP-456-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-456-JPは性質上公には収容できません。SCP-456-JPは通常の財団職員として勤務してください。決して異常性質を悟られてはいけません。SCP-456-JPに関するすべての情報は財団標準人工知能タイプJ-2の管理下に置かれ、レベル3/456-JP職員以外のアクセスは自動的にブロックされます。
SCP-456-JPが本人の意思で異常性質を利用した場合、体内の小型爆弾が起動されます。偶然の事故など、それ以外の原因による場合は適宜カバーストーリーを適用してください。
一般職員向けのSCP-456-JP文書はカバーストーリーです。SCP-456-JPを収容しているとされている電子錠ロッカー内には、非異常性のテディベアのぬいぐるみ一個とミーム殺害エージェントを配置します。
説明: SCP-456-JPは、サイト-81██に勤務する財団研究員の岡村███です。
SCP-456-JPは情報災害的殺害作用を持っており、「岡村███は財団に収容されなければならない」もしくは「岡村███は財団に収容されている」という意味のことを知った、もしくは考えついたSCP-456-JP以外の人間は即座に心臓発作を起こして死亡します。この作用は全置換型の人工心臓を移植された人間には効果を発揮しません。本人の意思によりこの異常性質を制御することはできません。
SCP-456-JPは20██/11/15に行われた要注意団体「█████」の施設への立ち入り調査の際、[削除済]により異常性質を獲得しました。同行していた機動部隊も-█による岡村研究員を終了する試みは上記の性質により失敗に終わりましたが、岡村研究員本人が事故の隠蔽処理を行い、自身をSCP-456-JPに指定し、現在の収容方法を確立しました。[削除済]の原因とみられる装置はこの過程で破壊されたため、オブジェクト分類は見送られました。
施設からは「█████」の構成員数名の遺体が発見されました。彼らのうちのいずれかが以前SCP-456-JPとなったが、自身の異常性質により死亡したと考えられています。岡村研究員自身が人工心臓患者であることより、人工心臓患者には殺害作用が発揮されないことが即座に判明しました。また、財団ではない組織の構成員でも、財団についての知識があれば効果が発揮されることが示唆されています。
事案456-JP-A2を含む偽の収容作業はカバーストーリー作成のために、故O5-█(彼は疾患により、心臓を人工のものに置換していました)の許可と援助の元、岡村研究員により計画・実行されたものです。その目的は、他の職員に不審に思われることなしに自由なSCP-456-JPの研究を可能にすることにあります。
岡村研究員は現在クリアランスレベル3/456-JPを持つ唯一の職員です。人工心臓患者の職員を新たに雇用する計画があります。
実験記録456-JP - 20██/02/05実施
実験に使用するDクラス職員は、財団やSCPに関する基本的な概念の説明(以下、財団によるレクリエーション)を受けています。
対象:
Dクラス職員1名(D-10231)。財団によるレクリエーションを受けています。
実施方法:
岡村研究員がD-10231に「実はSCP-456-JPは私だ」と発言した。
結果:
D-10231は心臓発作を起こし、正常に死亡した。
分析:
N/A
対象:
Dクラス職員1名(D-10232)。SCP-███の影響で精神に異常をきたしています。
実施方法:
岡村研究員がD-10232に「実はSCP-456-JPは私だ」と発言した。
結果:
何も起こらず。
分析:
内容を正しく理解することが必要なようです。
対象:
Dクラス職員1名(D-10233)。財団によるレクリエーションを受けていますが、人工心臓患者です。
実施方法:
岡村研究員がD-10233に「実はSCP-456-JPは私だ」と発言した。
結果:
何も起こらず。
分析:
人工心臓患者に効果がないこと自体は以前から知られていますが、公式な記録のため実験を行いました。
対象:
Dクラス職員1名(D-10234)。財団によるレクリエーションを受けていますが、母語は英語です。
実施方法:
岡村研究員がD-10234に "In fact, SCP-456-JP is me." と発言した。
結果:
D-10234は心臓発作を起こし、正常に死亡した。
分析:
言語は問わないようです。
対象:
Dクラス職員1名(D-10235)。財団によるレクリエーションを受けています。
実施方法:
岡村研究員がD-10235に「実は私は触らずに人を殺せるんだ」と発言した。
結果:
何も起こらず。
分析:
私が財団の収容対象である、という視点を持つことが必要なようです。
研究室内メッセージシステム
岡村主任研究員 (20██/11/16):
本日よりSCP-456-JPの収容を開始します。
岡村主任研究員 (20██/11/20):
研究室ページと言っても私しか使わないので日誌にしよう。
岡村主任研究員 (20██/12/07):
O5-█の勧めで私のぬいぐるみ(まだ捨てられないの)をダミーオブジェクトにすることにした。
私はいつ終了されてもおかしくないけれど、あの子はNeutralizedオブジェクトとして残ってくれるでしょうね。
岡村主任研究員 (20██/12/30):
ストレスで休暇を取り、██さんを誘ってサイトのバーで飲んだ。何も知らない彼女は私に暖かく接してくれる。
ああ、彼らに罪はなかったのに。
岡村主任研究員 (20██/02/05):
年が明けて気持ちも落ち着いてきたので実験を実施した。結果は実験記録456を参照。
私はもはや人間ではないと実感させられる。もうやりたくない。
岡村主任研究員 (20██/03/21):
SCP-███に対する態度が原因で、██さんが研究任務を解雇された。おそらく別のサイトに異動となるだろう。
私も本来ならSCP-███のように本当の名前の代わりにアイテム番号で呼ばれ、友人は看守になり、やさしい目で見られることは永遠に無いはずなのだ。
"人型SCPオブジェクト"は"人"ではない。
岡村主任研究員 (20██/06/29):
O5-█は亡くなられた。今や私は、すべての人に嘘をついて生きている。
誰か助けて。私を許して。しかしSCP-456-JPは確保・収容・保護されなければならない。