SCP-4567
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SCP-4567-Fおよび-G、財団監視拠点410より撮影

アイテム番号: SCP-4567

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: 海洋部隊ガンマ-17はSCPSユニティーを拠点としてSCP-4567の収容を統括します。海洋部隊ガンマ-17所属エージェントからなる少数部隊が各SCP-4567個体に割り当てられ、同部隊は船舶がオブジェクトの半径2km圏内を通行することを防止し、SCP-4567の生態を保全します。必要とあれば、人口密集地や他の非異常な石油プラットフォームから遠ざける目的でSCP-4567の牽引が行われます。

SCP-4567-Cの遺骸はサイト-46にて保存/保管されます。

説明: SCP-4567は、海上石油プラットフォームに類似した14 13体の生物の総称です。個体はそれぞれSCP-4567-Aから-Nに指定されています。各SCP-4567個体の遺伝情報は完全には一致しないながらも互いに近縁であり、それぞれが異なる種類の石油プラットフォームに類似しています。

SCP-4567個体は可動性を有しており、錨の機能を備えた腕状構造や支持脚を用いて緩慢に移動します。SCP-4567個体は自身が石油鉱床の上に位置するまで(鉱床の特定には高度に発達したエコーロケーションが用いられます)、移動を続けます。オブジェクトはその後、長い吻に相当する構造を使って海底を掘り進み、石油を採取します。SCP-4567は石油を少しずつ燃焼させ、エネルギーと栄養を獲得します。

SCP-4567は外界の観察や周囲との相互作用を行う能力を持ち、性格は極めて穏和です。しかしながら、その著しい大きさから無自覚に船舶や海洋生命体へ危害を加える場合があります。また同様の理由で、SCP-4567に対する捕食者は存在しません。SCP-4567の寿命は不明であり、唯一の死亡例(SCP-4567-C)は2003/██/██に北大西洋で発生した大嵐が原因となっています。当該事案に際して行われた初の検死調査の結果を補遺1に示します。

SCP-4567-Aは1982/██/██に初めて発見されました。当時、一般の船員はノバスコシア沖を漂流している、遺棄された石油プラットフォームについて報告しました。プラットフォームの特定が成されなかった為、カナダ沿岸警備隊はプラットフォームに搭乗し、その時点で異常性が判明しました。沿岸警備隊はカナダ海軍を経由して財団と接触し、翌日にSCP-4567が確保されました。沿岸警備隊の構成員はクラス-B記憶処理を施されました。財団は周辺海域の探査を実施し、1984/██/██までの期間に残りの13個体を発見しました。

補遺1:

特別訓練を受けた生物学者、船舶工学者、異常構造の専門家によるチームが結成され、SCP-4567-Cの検死調査が行われました。当調査はヘレン・オズワルド博士が主導しました。

SCP-4567-C検死調査
前記

ひとまずの所見として、SCP-4567-C(以下、被検体)の死因は、転覆および沖合の岩礁との衝突に起因する打撃性ショックである。エージェント・ピーターソンの報告によれば、被検体は半潜水型プラットフォームの一種であるとのことだ。構造は"第三世代"と比較可能で、掘削深さはおよそ500mである。

事前検査で判明した事実として、被検体の"皮膚"の大部分はキチン質の一種(通常よりも耐久性に優れる)で出来ている。内部に相当する区画は、この組織によって覆われている。

神経系/感覚系

外骨格を切り開いた後、操縦室とおよそ同じ位置に、被検体の"頭"と思われる部位を発見した。脳は頭足綱のそれと最も類似していて、二本の神経索を備え、大きさは約8立法メートルである。

被検体は視覚器を持たないように観察され、代わりにエコーロケーションに類する機能を用いて視覚を補っている。

筋肉系/骨格系

被検体は無脊椎動物であり、内骨格を持たず、キチン質の外骨格によってのみ構造を保っている。内部の大半を脂皮1組織が占めており、浮力に寄与するものと推測される。一方で、錨と繋がる鎖は運動を補助するためか筋組織で出来ている。

被検体の下半部にはいくつかの水袋があり、外部のバルブを用いて制御される。これらも、浮力の調整に用いられるものと推測される。

循環系 被検体は閉鎖血管系を有しており、頭足綱と類似した鰓心臓と複雑な毛細血管網を備えている。酸素はヘモシアニンを介して運搬される。
呼吸器系 被検体は空気呼吸を行い、上半部に奇妙な肺を備えている。個体の"タワー"上部の開口を通じて空気が取り込まれ、下部のバルブを通じて排出される。
消化器系

被検体は原油を食料として生命を維持している。先端に歯となるビットを備えた、巨大なドリル状の吻全体が口として機能していると思われる。この構造を通じて原油が採掘され、中央タンクへ送りこまれる。ここで、原油内の特定の物質が抽出され、成長と修理に用いられる。残った原油は燃焼させられ、発生したエネルギーが他の活動の為に取り込まれる。

対象が如何にして水や多くの必須栄養素を必要とせずに、原油のみに依存して生存していたのかは不明である。

排泄機能 使われなかった原油や他の廃棄物質は総排出腔の機能を備えたバルブを通じて海にそのまま排出される。排泄口はデッキの下側に位置する。
免疫系 [編集済]
生殖系

観察した限りでは、生殖機能を示唆する要素は発見されない。無性生殖機能の痕跡も見受けられず、被検体は完全に不妊であったと考えられる。

SCP-4567個体の発生原理は未だ不明である。

補遺2: 事案記録4567-10

2010/04/20、ディープウォーター・ホライゾン原油流出事故の約1時間後、全てのSCP-4567個体が静止したように観察されました。さらに4時間が経過した後、各個体は不明な原理により鳴き声を発しました。発声を6時間に渡って継続した後に、個体らは通常の活動に戻りました。事案以後、発声が観察された例はありません。

当該事案時におけるSCP-4567-Fの短時間の録音が以下に表示されます。

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