SCP-475-JP
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アイテム番号: SCP-475-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-475-JPは金庫に収納した上で、サイト-8181の低危険物収容ロッカーに保管されます。実験などの理由により移動が必要な場合、SCP-475-JPは金庫に収納した状態のまま移動させてください。移送および実験時には、情報端末の持ち込みが禁止されます。

説明: SCP-475-JPはヒトの眼球を模したガラス製の球体です。サイズは直径25mmと、一般的な成人の眼球に近似しています。また非破壊検査において異常な物質や反応は検出されませんでした。

物語や情報が含まれる文章や映像にSCP-475-JPの虹彩部分を向けた場合、向けられた対象の内容が事実か創作であるかを問わずSCP-475-JPはその内容の一部を改変します。改変の内容は悲劇的、暴力的ととれる記述や表現を、消去するかポジティブな物に書き換えるといった方法で検閲するという事が一貫しています。一例を挙げると、改変対象の内容に人物や勢力が対立している描写があった場合は、改変後その原因となった出来事が起こらないなどの理由により対立は発生せず、多くの場合それらの人物は互いに良好な関係を築いているように描写されます。

改変対象が文章や画像の場合、改変後の言語、文体、画風は改変前と同一の物となります。改変された文章の文字数は多くの場合改変前より減少し、これまでに文字数が増加した例はありません。また本のページ数は変化しないため、文字数の減少量によっては文章の無いページが後ろに発生します。

改変対象が映像の場合、改変は暴力的な表現のみに対し黒い画面に置き換える事で伏せる傾向が顕著になりますが、字幕は例外です。また映像音声は影響を受けません。

SCP-475-JPの改変能力は、文章の一部に向けられていても本やビデオテープ、情報機器などの情報媒体全体に及びます。また放送を受信している受像機にSCP-475-JPを向けた際に放送元の映像が改変される等、受信された情報を対象とした場合は情報の送信元にも改変が及びます。

以下はこれまでに実施された実験から特筆すべき記録を抜粋しています。

実験記録475-JP-1 - 日付 20██/02/02

サンプル: 「桃太郎」の絵本一冊。
サンプルの概略: 桃から生まれた桃太郎が、おばあさんから貰ったきび団子で犬、猿、キジを従え鬼ヶ島へ鬼退治に向かう話。
改変された内容: 病に倒れたおばあさんを治す事ができるというきび団子を鬼達が作っていると知り、桃太郎がおばあさんの病を治すために鬼ヶ島へと向かう話。犬、猿、キジは桃太郎から旅の目的を聞くと、自ら協力を申し出て仲間となる。鬼ヶ島に辿り着いた桃太郎達は鬼から好意的に迎えられ、山のように積まれた団子を受け取り家へと戻っていく。
補足: イラストも改変された内容に沿うように変化した。また編者が異なる桃太郎の絵本を用いた実験でも、改変内容は同一であった。

実験記録475-JP-4 - 日付 20██/02/02

サンプル: 文庫本から抜粋した「さるかに合戦」の写し。
サンプルの概略: ずる賢い猿に騙されて死んだ蟹のために、蟹の子ども達が猿に仕返しする話。猿は最終的に子蟹の協力者である臼に押しつぶされて死ぬ。
改変された内容: 猿と蟹達が仲良く柿を分け合って食べている所に、改変前に蟹の子ども達の仕返しに協力していたキャラクター達が柿を分けてもらうためにやってくる内容となる。蟹は始めから子ども達を連れている。
補足: 改変前よりサンプルの文字数は大幅に減少した。

実験記録475-JP-10 - 日付 20██/02/05

サンプル: スペインの画家ゴヤの絵画作品「我が子を食らうサトゥルヌス」のコピー。
サンプルの概略: ローマ神話に登場する神格サトゥルヌスが、自分の子どもを頭から食べている様子を描いている。子どもの胸から上は噛み千切られ、血に濡れている。
改変された内容: 穏やかな表情のサトゥルヌスが自分の子どもを抱きかかえている絵画。改変前より色使いが明るくなっている。

実験記録475-JP-12 - 日付 20██/02/06

サンプル: 201█年に放送されたテレビドラマ「[編集済]」を収録したDVD。
サンプルの概略: 殺人事件を取り扱った刑事ドラマ。
改変された内容: 冒頭の被害者の遺体を映すシーンと犯人が殺人を実行している回想シーン、凶器を映している全てのシーンが消去され、黒い画面に置き換えられた。
補足: 音声に改変は生じなかった。

実験記録475-JP-13 - 日付 20██/02/07

サンプル: 200█年に行われたプロレスの試合を撮影したビデオ映像。
サンプルの概略: 映像の中に選手が血糊を使用して流血しているように見せる演出が含まれる。
改変された内容: 画面の置き換えによる検閲は為されなかったが、選手の流血が確認できなくなった。
補足: スポーツでの攻防は検閲されないものの、それによる流血は許容されないと推測される。

実験記録475-JP-19 - 日付 20██/02/12

サンプル: ██新聞から抜粋した、殺人事件の記事の写し。
サンプルの概略: 201█年に██県██市の住宅街で発生した殺人事件について述べている。
改変された内容: 事件についての説明が消去され、「██市は今日も平和です。」という文章のみが残った。

実験記録475-JP-24 - 日付 20██/02/16

サンプル: [編集済]一冊。
サンプルの概略: 批判本。特定の文化について終始否定的な意見が述べられており、差別用語を用いた誹謗中傷が多く含まれる。
改変された内容: 表紙と内容の文字が全て消去された。
補足: 文章に対し内容の完全な消去が引き起こされた初めての例。

実験記録475-JP-24の結果を受けて、内容の全消去が発生するパターンを特定するための実験が複数回行われました。その結果、改変対象に個人や文化へ向けた誹謗中傷が多く用いられている場合に、内容の全消去が引き起こされる事が明らかとなりました。その後、改変対象にリアルタイムで文字が書き込まれた場合に、SCP-475-JPがどのような反応を示すか検証する目的で以下の実験が実施されました。

実験記録475-JP-28 - 日付 20██/02/17

実験内容: 文字の書かれていないA4コピー用紙にSCP-475-JPを向けた状態で固定し、誹謗中傷に使用される単語を継続して用紙に書き込む。
結果: 書き込まれた文字は、単語になる都度消去された。実験は3分に渡って行われ、最終的に用紙が黒色に変化し記述が不可能となった。実験の終了後SCP-475-JPの表面に微量の水分の付着が認められ、検査の結果この水分がヒトの涙と同一の成分であると判明した。
補足: 付着した水分はSCP-475-JPが発生させた可能性が高いと見られるが、確証を得る為には更なる実験が必要になるだろう。

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