SCP-4770
評価: +8+x
Cake.jpg

成長したSCP-4770-1、孵化段階

アイテム番号: SCP-4770

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-4770の全実例はサイト-17のヒト型実体収容セルに収容されます。SCP-4770の実例はいかなる状況においても5つまでしか収容されません。食品へのアクセスを除いて、SCP-4770は成人の通常の生活環境を必要とします。SCP-4770の収容室に入る全職員は、財団製のガスマスクの着用が義務付けられています。この制限を回避するには、レベル2クリアランスが必要です。

さらに、機動部隊「蟹狂い」が未収容のコロニーを根絶する任務を請け負います。カバーストーリー「大腸菌の発生」は、コロニーの場所のためにSCP-4770のアウトブレイクを隠蔽することに有効と証明されました。クラスB以下の記憶処理がアウトブレイクの生存者に使用可能です。

サイト-██のインシデントの後、財団施設においてSCP-4770-1に似たケーキは提供されません。

説明: SCP-4770は、以前は未発見だったPhronima属1の生物で、研究者によりPhronima crustulamと分類されています。SCP-4770は寄生生物であり、3段階のライフサイクルで構成されています。これらのライフステージは生理学的に大きく異なるため、SCP-4770-1、SCP-4770-2、およびSCP-4770-3と呼称されています。

  • SCP-4770-1: SCP-4770-1は硬化したアイシングのみで構成されたケーキです。幅は平均して0.2 mです。アイシングの化学分析により、通常のバタークリームよりもショ糖が150%多く含まれていることが明らかになりました。職員は「非常に甘い」味わいと表現しています。さらに、SCP-4770-1のX線分析により、内部が空洞であることが示されました。これは、SCP-4770-1がSCP-4770-2の卵であるという理論と一致しています。
  • SCP-4770-2: SCP-4770-2は、成長過程におけるゾー段階2と思われます。個体の体長は約0.030〜0.040 mmで、さまざまな形をとることができます。SCP-4770-2は、エラの代わりに簡易的な肺を通して酸素をろ過するよう適応したことにより、陸上で生存することが可能です。これは他の既知の生物とは異なり、このプロセスを再現する研究が現在進行中です。同様に、消化器系がスクロースを優先的に摂取するよう進化しています。また、SCP-4770-2は、長さ約0.25メートルの口吻を備えています。3人間に取り込まれると、SCP-4770-2は孵化状態に移行します。これは、SCP-4770-2実例が"孵化"しそのはさみと腹肢4で宿主の口腔に嵌まり込んでいることによって特徴付けられます。次に、食道を通して口吻を胃に押し込みます。その後、SCP-4770-2は胃から塩酸を吸引し、口吻の上部近くの開口部から吐き出します。サイト-██から回収された口吻の分析は、ヒトの胃と似た粘液を分泌する上皮細胞で内部が覆われていることを示しました。宿主の胃が空になると、口吻が宿主から引き出され、SCP-4770-2から切り離されます。これにより、SCP-4770-2実体は胃の中に自分自身を押し込むことでホストの身体に入ることができるようになります。SCP-4770-2は[編集済み]を行い、宿主の神経系および内分泌系の制御を獲得します。これによりSCP-4770-3実例が生成されます。
  • SCP-4770-3: 孵化イベントを経た大人の実例SCP-4770です。SCP-4770-3が知覚能力を持っているかどうかは不明です。その主な目的は、感染を広めるために産卵することです。SCP-4770-3の実例は生成されるとすぐに新しい人格を示します。この性格がSCP-4770-3の生成時に作成されるか、SCP-4770-2実例から継承されるかは現在不明です。SCP-4770-3はその後、巣を作るのに適した場所を見つけようとします。████の時点で次のような場所に巣が見つかっています: パン屋、ケーキ屋、地元の食料品店、サイト-██のカフェテリア、[編集済み]。巣を作った後、SCP-4770-3は[編集済み]を用いてSCP-4770-1を生産します。

発見: SCP-████の収容から戻ったエージェント・ラッテブによってSCP-4770は発見されました。エージェントは現場の食堂に行き、多数のSCP-4770-1実例を見つけました。この接触の記録は、"インシデントレポート-1"及び"インシデントレポート-2"にあります。
サイト-██の奪還後、職員の[編集済み]%がSCP-4770の宿主になったことが判明しました。財団に入って間もないレベル2研究員であるマッカレン研究員がSCP-4770-1実例を持ち込んだことが明らかになりました。この起源は不明です。

以下のレポートは、サイト-██で起こった出来事の詳細を示しています。

    • _

    エージェント・ラッテブ: こちらはレベル2フィールドエージェントのエージェント・ラッテブ、サイト-██に支援が必要です。ここで何が起こっているのかが完全には分かりませんが、収容違反の可能性があります。スタッフは汚染されているようです。サイト-17、聞こえていますか?

    [この時点で、サイト-17の司令部はエージェントとの通信を試みます。しかし、エージェント・ラッテブはメッセージを受け取っていないようです。]

    エージェント・ラッテブ: サイト-17、これを読んでいることを祈ります。たった今SCP-████の収容からサイト-██に戻りました。 この場所に何か問題が発生しています、司令部。カフェテリアにはケーキがいっぱいで、スタッフの半分は何らかの形のアノマリーに感染しているようです。彼らは自我を保っていません。到着した時には現場の司令部と接触することができず、見つかったのは席のケーキのみでした。

    [この時点で、サイト-17はサイト-██の現地ビデオ監視システムの制御を確立しました。この記録のコピーは、フレデリック博士から要求することができます。]

    [エージェント・ラッテブの監視は、彼が低セキュリティの廊下を歩いていたことを示します。彼は標準的な財団の隠しジャケット通信機を装備しているようです。直ちにサイト-17の司令部の目を引くようなものはありませんでした。サイト-██の司令部とのコンタクトが試みられたが、失敗に終わりました。]

    [エージェント・ラッテブの背後の戸口近くに、レベル2研究員のジェフリー・ダニエルズと後に特定された研究員が表示されます。彼がエージェント・ラッテブを発見すると、彼は大きく笑みを顔に浮かべました。]
    ダニエルズ研究員: 友よ、どこに行っていたんだ!来いよ、来いよ、お腹が空いているようじゃないか!なんて見た目だ、骨と皮だけだぞ。さあ行こうか、食べられるケーキがたくさんあるぞ

    エージェント・ラッテブ: ジェフリー!どこから来たんだ!

    ダニエルズ研究員: 友よ、君は私を混乱させようとしているのか!私の名前はボークだぞ。私はただ女神と交信していただけだ。一緒になろうぜ、素晴らしいごちそうの時だ!

    エージェント・ラッテブ: ジェフ、君に何が起こったんだ?

    [ダニエルズ研究員はすぐにエージェント・ラッテブの手首をつかみ、彼に視線を合わせる。]

    ダニエルズ研究員: さて、今や私の名前はボークだ。私はこのジェフじゃない。ケーキについて説明でるよ。

    エージェント・ラッテブ: ボークだって?すまない。ジェフだと思った。後で行くよ。先に何かを手に入れる必要があるんだ。

    [この時点でエージェント・ラッテブはすぐにダニエル研究員の拘束から離れて急ぎ去ります。]

    エージェント・ラッテブ: 司令部、届いていますか?これは彼ら似ても尽きません。というのも、私はジェフの息子の名付け親なのです。これはなりすましかのっとりか… "

    [ダニエルズ研究員は白衣の後ろからパイプを取り出し、エージェント・ラッテブの頭部を殴打し気絶させます。これまで姿を隠していた研究員らが更に何名か他の出入り口から現れ、エージェント・ラッテブのぐったりした体を現地のカフェテリアに引きずっていきました。]

    [この間、O5コマンドはサイト-██に緊急事態を宣言しました。サイト-██に最も近いサイトであるサイト-17は、初動対応を任されました。複数の機動部隊がサイトに送られました。しかしながら、サイト-██が遠隔地にあることににより、12時間の輸送の間はアノマリーの監視のみが継きました。]

    • _

    [エージェント・ラッテブが意識を失っていた間、サイト-17の司令部はサイト-██のアノマリーを監視していました。カフェテリアにおいてエージェント・ラッテブと一緒に12の非感染者と30の感染者がいた、ということが記録されました]

    [18時22分、カメラ映像はエージェント・ラッテブが動揺し始めていることを示します。]

    エージェント・ラッテブ: クソ、救いはないのか。司令部、まだそこにいる事を望みますす。私は今、騒動の真っただ中にいると思います。

    [18時25分、2人の感染者が笑顔になり、感染していない人の1人をつかみ始めました。その個人はすぐに台所のドアの向こうへ押し込まれました。同時に全ての感染者は「彼にケーキを食べさせてください!」と合唱しました。]

    エージェント・ラッテブ: これは何のまねだ?オーケイ、ラッテブ。司令部、私は地獄がここでいかに進行したかを理解しようとしています。スタンバイ。[エージェント・ラッテブは、周辺の環境の情報を集めようという試みと思われる行いをしながら座っているように見えます。この時、奥の部屋から恐怖の悲鳴があがります。]

    エージェント・ラッテブ: ジーザス!司令部、私は何に気を取られていたんだ?

    [エージェント・ラッテブは、重々しい呼吸と共に感染したうちの1人に近づこうと試みます。対象はタトゥーによってD-33441と特定されました。]

    エージェント・ラッテブ: D-33441、何が起こっているのか教えないとお前を終了するぞ!

    D-33441: 私の名前はルッテンバーグ。私はこのコロニーのハイマザーだ。あなたはケーキの不思議を通して永遠の命を与えられることになっている。さぁみんな、ケーキを食べようぞ!

    [D-33441をきっかけとして感染者全員が「ケーキを食べよう!」と唱え始め、その間別の非感染者が後ろの部屋へと運び込まれます。すぐに別の叫び声が聞こえます。]

    エージェント・ラッテブ: 目に見えるように手を振る: 分かった、ハイマザー、一体何だ?

    D-33441: 私たちは永遠の命を与える者であり、ただ1つの真なるコロニーだ。私たちの偉大さに空洞化されて、あなたの内側に連れて行ってくれ。SCP財団よ、私たちを享受し、そしてかつてより完全で偉大な存在に昇華されてほしい。
    [別の非感染者がキッチンに連れて行かれ、別の合唱が続きました。]
    エージェント・ラッテブ: 誰がお前らを送り付けた!教会か?インサージェンシーか?
    [別の叫び声が台所から聞こえます。]

    D-33441: 考えが足らなすぎるな、私のタマゴよ。すぐに大きくなる。すぐに知ることになる。

    [この時点で、D-33441はエージェント・ラッテブの質問へのこれ以上の回答を拒否し、キッチンからの斉唱と叫び声だけで応答しました。]

    エージェント・ラッテブ: 司令部、何が起こっているのかわかりません。。ここには少数の人々が残されました: 必死にメモを取っている研究員、拘束されているDクラス、隅で泣いているいくらかのレベル1スタッフなど。神よ、私はあなたがすぐに現れてこのカルトをバラバラにすることを願っています。

    [19時00分、エージェント・ラッテブはキッチンに引き込まれる。]
    [感染したスタッフがキッチンにエージェント・ラッテブを引きずり込み、彼の膝をつかせます。その後の分析により、感染者の中の3個体が、以前エージェント・ラッテブと一緒にいた非感染者の中の元の10名にいたことが確認されました。]
    エージェント・ラッテブ: お前は何だ?私から手を放せ!

    [清掃職員のメンバーとして特定された1人の感染者が前に歩み出ます。男は身を乗り出して手をとり、渇いた声を出して喘ぎ始めた。彼の目が頭から張り出始め、首が[編集済み]され、白いアイシングケーキが床に落ちました。全体のプロセスはわずか1分でした。その後、ケーキはエージェント・ラッテブの手のひらに置かれました。]
    [後にSCP-4770-2と識別された実体が、ケーキから飛び降りてエージェント・ラッテブの口に巻き付きます。エージェント・ラッテブの血まみれの叫び声にも関わらず、口吻を喉に押し込み、後に胃酸と特定された緑と黄色の液体を取り除き、排液の後に口吻を抜き取ります。エージェント・ラッテブが喉を激しくひっかき血と組織を吐き出す間に実例がエージェント・ラッテブの咽頭にその身を押し込む様を司令部が見ました。エージェント・ラッテブは10分後に沈黙しました。]

    清掃スタッフ: ようこそお兄さん。名前は何かな。

    エージェント・ラッテブ: エポックです、姉妹。エポック。

    [この時点から、エージェント・ラッテブは、残る非感染者のための██個のケーキの製造に関与しました。]

    • _

    クリアランス承認

    19758925923_e75d130854_b.jpg

    宿主から取り除かれたSCP-4770-2実例

    エージェント・ラッテブはサイト-██の奪還中に回収され、サイト-17に移送されました。エージェントによって拘束されていたエージェント・ラッテブで即時の生体解剖が行われました。手続きの最初の手順で、彼は「私の名前はエポックです!」、「これに感謝するでしょう!」と叫ぶことを止めませんでした。

    手続きの最初の部分で研究員は、寄生宿主となったために最小限の変化が宿主の身体構造に起こったことに注目しました。しかし、エージェントの胸郭を除去すると、SCP-4770-2のさまざまな付属器が胃の内側、特に胃の眼底領域5から突き出ていることがわかりました。付属物から採取されたサンプルは、SCP-4770-2実例がいくつかの化学物質の混合物を胃に直接分泌していることを示しました。第一に、SCP-4770-2が宿主の内分泌腺と神経系を操作できることを裏付けるホルモンの混合物群、そして第二に過炭酸ナトリウム6です。胃が解剖されると、SCP-4770-2の動きの鈍りが見られ、すぐに消滅しました。最後に、大量のスクロースの生成能力を持つように発達したと思われる小さな組織複合体が、胃の壁細胞の大部分を置換していました
    ただし、注目すべきは、SCP-4770-2を取り除いた1分後から彼が泣き始めるまでの約5分間、エージェント・ラッテブが叫ぶのをやめたことです。死滅までの間の数分、エージェント・ラッテブは「戻してくれ。戻りたい。私のエポックが恋しい」とつぶやいていました。

特に指定がない限り、このサイトのすべてのコンテンツはクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス の元で利用可能です。