SCP-483-JP
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容器に入れられたSCP-483-JP

アイテム番号: SCP-483-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-483-JPはサイト-8181の冷蔵機能がついた低危険物用収容ロッカーに収容してください。SCP-483-JP-Aに関する研究を行う場合はセキュリティレベル2以上の職員の許可を得た上、外部から隔離された水槽を用いて行ってください。回収されている全てのSCP-483-JPが入っている容器の側面には1~14の番号を書き込み、使用後は必ずSCP-483-JPの紛失がないか確認を行ってください。

説明: SCP-483-JPは異常性を有した点眼薬です。SCP-483-JPの構成物質の大半は未知の液体から構成されていますが、一部に魚類・ハリガネムシ(線形虫綱ハリガネムシ目)由来の成分を含むことが判明しています。SCP-483-JPは一般的な点眼薬の容器に入れられており、現在14個のSCP-483-JPが収容されています。

一般的に脊椎動物として分類される生物がSCP-483-JPを点眼薬として使用した場合、SCP-483-JPを使用して約30分後に使用者は不自然な耐えがたいのどの渇きを訴え始め、使用者はのどの渇きを癒すために水分の摂取を行い始めます。この症状は使用者が最低でも自身と同体重量の水分を摂取するまで続きます。この際使用者は自身が通常では摂取不可能な量の水分を摂取していることに自身で気が付くことが可能ですが、多くの場合のどの渇きを癒すことを優先します。SCP-483-JPにより引き起こされたのどの渇きを癒すために重視されるものは水分量のみであり、使用者に高濃度の食塩水を摂取させた場合であってものどの渇きを癒すために必要となる水分量に変化はありません。一定量の水分を摂取することでのどの渇きは一時的に軽減されますが、のどの渇きが完全に消失することはないため、使用者は可能な限り水分の摂取を継続して行います。実験動物及びDクラス職員を用いた実験結果は使用者が摂取できる水分量に限界が存在しないことを示しています。摂取された水分が体内のどこに貯蔵されいるのかは現在不明です。

SCP-483-JPを使用して約12時間後、使用者は海や川、湖など多くの水量と水深がある水場へ訪れたくなる衝動に駆られます。この欲求は非常に強いものであり使用者はほぼ例外なく条件に該当する土地へ向かう、バスタブなどに水を張るなどの出来うる限り目的の場所に沿った環境を再現する行動を行います。

水場に到着した使用者は水の中へ移動を行い、ある程度の水深がある地点へと目指し始めます。使用者が目的の地点に到達すると、SCP-483-JPを差した眼球が眼窩から抜け落ちます(抜け落ちた眼球・視神経をSCP-483-JP-Aと表記)、この時点ではSCP-483-JP-Aと使用者は視神経で繋がった状態を維持しています。抜け落ちたSCP-483-JP-Aは膨張をはじめ体積を増加させ始めます。SCP-483-JP-Aの膨張はSCP-483-JP使用後に摂取された水分量と、SCP-483-JP-Aの総体積がほぼ同等になるまで行われます。体積の増加はその増加量に関わらず約30分ほどで終了します。SCP-483-JP-Aの膨張に伴い使用者の肉体には脱水の症状が現れ始め、最終的には使用者は脱水症状や水中での窒息により死に至ります。使用者の死亡後も体内に存在する水分が完全に失われるまで水分の移動は継続して行われます。

膨張量が最大に達したのちSCP-483-JP-Aは視神経を使用者の眼窩から切り離し水中へと移動します。SCP-483-JP-Aは生物的な特徴を持ち本来眼球には存在しないエラに似た呼吸器官と視神経が変化した尾が存在します。しかし尾には自身の体の向きを変える程度の能力しか存在せず、また排泄器官・消化器官・生殖器官などの通常の生物であれば有しているであろう器官も存在しません。そのため全てのSCP-483-JP-Aの寿命は最長でも10日ほどです。SCP-483-JP-Aの周囲に大型の魚類や人間などの外敵が接近した場合、SCP-483-JP-Aは外敵を凝視し瞳孔を伸縮させる運動を繰り返します。これは外敵に対する威嚇行動だと推測されていますが、SCP-483-JP-Aはこれ以上の防衛機能を持ちません。その為SCP-483-JPは巨大な体格を持つにも関わらずごく一般的な魚類等に一方的に捕食されます。SCP-483-JP-Aが捕食されることによって発生する異常な影響は現在確認されていません。

SCP-483-JPは日本生類創研に関連していると思われる施設の調査の際に押収された物品の一つです。目録上の記録や残されていた研究資料はSCP-483-JPがC-007-E03と呼称される研究体用の飼料をより効果的に獲得することを目的に開発された薬品であることを示しています。C-007-E03には給餌として1日1度脊椎動物から採取された約300リットルの水分と同体積のSCP-483-JP-Aが与えられていたことが判明しています。

施設内の調査ではC-007-E03に関する情報は発見されておりませんが、C-007-E03が飼育されていたと思われる研究室の内部には陸地が存在する淡水で満たされた水槽設備が発見されています。水槽設備の内部からは角膜・結膜・強膜・視神経以外の部位と体液を完全に失った4体のSCP-483-JP-Aの死骸が発見されました、SCP-483-JP-Aの死骸に直径約5ミリの円形の穴が無数に存在していることから、C-007-E03は口吻を持ち体外消化を行う小型の水生物であると推測されています。

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