SCP-497-JP
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SCP-497-JPが捕獲された███公園

アイテム番号: SCP-497-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-497-JPは生物収容サイト-8166に収容されます。SCP-497-JPの卵、および幼虫は497-Aユニットに、成虫は497-Bユニットで飼育してください。特にオスの成虫は、497-B防音ユニットで飼育してください。497-B防音ユニットへの立ち入りは男性職員のみに制限します。SCP-497-JPの飼育方法は、アブラゼミの飼育方法に準じます。

プロトコル『根絶』は、現在その実行を保留されています。

説明: SCP-497-JPは、その鳴き声に催淫効果を持つオスの蝉です。外見からの判断、および遺伝子解析の結果、アブラゼミ(Graptopsaltria nigrofuscata)とみられます。

この蝉が発する鳴き声に被曝した存在が以下の3条件すべてに抵触する場合、その存在は催淫効果を受けます。

  1. 生物学的、また精神的に女性のヒト(Homo sapiens sapiens)である。
  2. 第二次性徴を終えており、また閉経していない。
  3. この蝉の鳴き声を『蝉の鳴き声である』と正しく認識している1

この蝉1匹の鳴き声から発せられる催淫効果は微弱なものです。ただし、2匹以上の鳴き声を同時に聞いた場合、その効果は累積し、精神作用を発揮します2。おおむね10匹以上、俗に『蝉しぐれ』と呼ばれる状態の鳴き声を聞いた場合は[編集済]となります。

現在までに、女性が異常蝉の鳴き声に影響されている最中に性行為を行うと、100 %の確率で妊娠することが分かっています3。母子ともに医学的、遺伝子的に異常は検出されませんでした。しかし、通常の妊娠期間(約10か月間)が過ぎても陣痛が来ず、胎児は成長を続けます4。これまでに帝王切開によって取り出された胎児は、健康に何ら異常がない場合でも24時間以内に突然死しました。██博士は、その妊娠期間は6年に及ぶのではないか5、との説を唱えています。

2015/7/4に発生したインシデント497-Pにより、この異常蝉がオスのみによる単性生殖が可能であることが判明しました。詳しくはインシデント497-Pの記録を参照してください。

インシデント記録497-O: 2014/8/25、東京都内の███公園の一角において、複数の女性が突然狂乱して男性を襲撃、強引に性行為を行ったため、周辺が騒然となりました。ただちに警察が出動しましたが、それによって現場周辺に野次馬が集まり、その中にいた女性たちも男性への襲撃を始めたため、大きな混乱状態となりました。詳細については以下を参照してください。

インシデント記録497-P: 2015/7/4、財団エージェントの潜入する病院に「ペニスが蝉に羽化した」として来院した男性がいました(以下、『羽化1号被験者』と呼称します)。財団データベースとの照合により、『羽化1号被験者』はインシデント497-O時に女性と性交していたことが判明し、超常性が疑われたため即座に財団に確保されました。


羽化1号被験者には記憶処理を施し、カバーストーリー『性病』を適応した後で解放しました。

このインタビューを受けて、インシデント497-O時に女性と性交した残りの17人の男性が急きょ確保されました10。調査の結果、そのうち6人のペニスがすでに羽化していました。これらを羽化2号~7号被験者と指定します。彼らにも羽化1号被験者と同じくインタビューを行いました。その内容は羽化1号被験者とほとんど変わらず、『不安感を伴う拡大しない勃起』、『安心感を伴うひびと羽化』、『蝉に対する親しみの感情』がみられました。その後、羽化1号被験者と同じく記憶処理とカバーストーリー『性病』を適応し、解放しました。

残りの11人の男性のペニスを調べたところ、そのすべての海綿体組織がヒト由来のものではなく、正体不明の擬海綿体様生物となっていることが判明しました。その後、『不安感を伴う拡大しない勃起』が発症したところでX線にて調査したところ、擬海綿体様生物が蝉へと急速に変態していることが判明しました。その後に羽化した11匹すべてのの蝉が、インシデント497-O時の蝉と同じ異常性を持っているオスの蝉であることが確認されました。男性たちを羽化8号~18号被験者と指定し、その後、記憶処理とカバーストーリー『性病』を適応し、解放しました。

補遺1: 異常蝉の生活環について

実験と観察の結果、異常蝉の生活環の一部が判明しました。

  1. 異常蝉は、その鳴き声によって性的衝動をヒト女性に引き起こし、ヒト男性と性交するよう操る11
  2. このヒト女性と性交することによって、ヒト男性のペニス内の海綿体が擬海綿体様生物へ置換される。
  3. 擬海綿体様生物は宿主ヒト男性の血液を摂取することで生育する。
  4. 約1年後、擬海綿体様生物は急速に成虫化し、ペニスを割って羽化する。(1へ戻る)

補遺2: 異常蝉の遺伝子の多様性について

1匹のみの異常蝉の鳴き声を聞いたヒト女性との性交により生まれた異常蝉は、元の異常蝉とまったく同じ染色体構造をもっており、複数匹の異常蝉の鳴き声を聞いたヒト女性との性交により生まれた異常蝉は、それらの蝉の染色体が混ざり合った構造をしていました。よって、異常蝉はヒトを利用することで、オスのみでの繁殖が可能となります。
 
また、遺伝子的にはまったく正常なアブラゼミと違いがないため、正常なメスのアブラゼミとの交配、繁殖も可能です12

補遺3: SCP-497-JP研究主任 ██博士からの提言

(前略)
このような超常的生活環を可能とした要因は不明です……ただし、推測は可能です。地面のコンクリート化が進み、緑が失われる都市環境は、蝉の幼虫にとっては大変生きにくい環境です。そこで減り続ける地面の代替として、この環境でも増え続けるヒトを選んだと考えられます。
 
そのうえ、ヒトの体内で生育することで、通常ならば幼虫時代の天敵であるモグラやアリなどに襲われることなく、また栄養豊富な血液をエサとすることで、通常よりも大幅に速い生育速度を得られ、さらには音波を利用することによって1対多の交尾を擬似的に再現でき、ヒトが移動することによってセミ単独では不可能な遺伝子の超長距離移動が可能であるなど、その繁殖戦略は通常のアブラゼミと比べて圧倒的に高効率です。このまま放っておけば、通常のアブラゼミは駆逐され、すべてのオスアブラゼミが異常蝉となるでしょう。
 
また、そのような状況になった際は、人類の生殖においても多大な影響を受けることは必至です。今ならばまだ間に合います。なるべく早い時点での、関東圏におけるアブラゼミの根絶を提案いたします。

提案については保留中です。アブラゼミを絶滅させることは、新たな生態系の異常を生み、それに伴ってさらなる異常種が発生する恐れがあると考えます。それに、なんだか可哀想ですしね。もう少し穏便な方法を探ることを指示します。――生物収容サイト-8166 サイト長

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