SCP-503-JP
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SCP-503-JP-1(航空機)。既に箱を投下した機体。

アイテム番号: SCP-503-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-503-JP地域とSCP-503-JP-1の完全な収容は成されていません。SCP-503-JP地域と周辺5km地域を金網で囲い、民間人の立ち入りを禁止してください。SCP-503-JP地域内のサイト-██には機動部隊を駐屯させ、サイト周辺の秩序維持、およびSCP-503-JP-1の出現に備えてください。地域内と周辺地域には大型スピーカーが合計45個設置されています。SCP-503-JP-1が出現した場合、速やかに全ての大型スピーカーから音声ファイル-1(幼児の泣き声が記録されています)を最大音量で発信し、オブジェクトをスピーカーへ誘導させ、オブジェクトの確保および保管を行います。SCP-503-JP-1から投下された物資は可能な限り回収してください。

説明: SCP-503-JPはアフリカ大陸████国の████に存在する、異常現象の発生する地域です。南北約6km,東西約4.5kmにわたって長方形に広がっており、現在は無人となっています。財団が収容体制を整える以前は地域内に村が点在しており、総人口は[編集済み]人程でした。

SCP-503-JP地域に発生する異常現象は、出自不明の航空機(SCP-503-JP-1)が同地域上空に出現するという現象です。SCP-503-JP-1の外見は"F-16"と酷似しています。機体番号はどのオブジェクトにも██-████と表記されていますが、本来の機体番号としての意味をなしておらず、オブジェクトの引き渡し年や所有国は不明です。同様に、部品の製造番号もまた、意味のないものとなっています。機体下部には動物のイラストが多数描かれた数十個の箱が取り付けられており、これらの箱はしばしば「おもちゃ箱のような」と形容されます。

SCP-503-JP-1は常に無人で飛行しており、操縦者が確保された例はありません。オブジェクトは通常の航空機と同じく、いくつかの兵器を装備していますが、それらを使用した例も未確認です。また、飛行中のオブジェクトを視認した人間は、オブジェクトの存在を強固に記憶します。この記憶は記憶処理を受けても消去されません。

SCP-503-JP-1の出現は不定期ですが、ほとんどの場合、「曇り1」の日に出現します。SCP-503-JP-1は雲の内部から出現し、その後、約上空100mまで降下します。降下したオブジェクトはSCP-503-JP地域内および周辺の広範囲2を約80km/h3で飛行し、機体下部に取り付けられた箱を個々に切り離し、投下します。箱の投下を終えたSCP-503-JP-1は上昇し、雲の内部に突入すると消失します。出現の瞬間と消失の瞬間は確認されていません。

箱は約5kgほどでパラシュートが付けられており、内部には物資が詰め込まれています。これまでに確認された内容物は以下のようなものです。

  • 紙おむつ
  • 毛布
  • 哺乳瓶
  • 未知の果物(Dクラスを用いた摂食実験では、「美味である」と報告されています。)
  • 玩具
  • 嗜好品(主に菓子類。████国で一般に市販されているものです)

また、SCP-503-JP-1は"ヒト(学名:Homo sapiens)の幼児の泣き声"に顕著な反応を見せ、音波の発信地点に迅速に向かう性質を有しています4。オブジェクトは、オブジェクトを中心に半径約700m以内の50db以上の泣き声に反応します。なお、より大きな泣き声に強く誘因されることが確認されています。オブジェクトは泣き声の聞こえる付近に不時着を行うと、箱を切り離して不活性状態に陥り、再活性することはありません。この性質を利用し、財団はオブジェクトの確保を行っています。20██年現在、回収されたオブジェクトは8機です。不活性化したオブジェクトは異常性を消失しており、分解等においても通常の機体との差異は認められません。

SCP-503-JP地域およびSCP-503-JP-1は、19██年、「意味の無い機体番号を持つ航空機が領空侵犯を繰り返し行っている」という報告が████国内でなされ、財団がその情報に目を惹かれたことで発見されました。その後、SCP-503-JP地域にはサイト-██が設置され、住民を立ち退かせた後、財団が地域の管理を行っています。

補遺1: SCP-503-JP周辺地域では、人口の50%以上が1日1.25ドル以下で生活を行っています。地域周辺ではSCP-503-JP-1が出現した19██年以来、紛争が絶えません。その原因は主に「SCP-503-JP-15の所有権」と「SCP-503-JP-1が投下する物資の所有権」を巡るものです。幼児への虐待の問題も発生しており、これは泣き声に誘因されるオブジェクトの性質を利用するためのものと考えられています。収容体制が整った現在もオブジェクトの存在を記憶している住民は多く、問題は依然解決されていません。

財団職員は投下物資回収の際、現地住民の襲撃に十分に注意を払ってください。近年は地域部族が結託し、武装兵器を用いてSCP-503-JP地域内への侵入が試みられたケースもあるため、警戒を怠らないでください。

「完全な収容がなされていない」「現在より広範囲に紛争を引き起こす可能性がある」という点から、オブジェクトクラス:Keterへの再分類が検討されています。

補遺2: 20██年7月10日に回収された機体には、英語で大きく「偽善者」とスプレーで吹きつけられていました。雲の内部からオブジェクトが出現した直後には文字が書かれていたことから、オブジェクト出現以前に書かれたものと推測されています。

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