SCP-5037

評価: +67+x
rFZdHg3.jpg
SCP-5037-7から回収されたメモ

アイテム番号: SCP-5037

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: 警察と救急サービスに潜入している財団職員は、潜在的なSCP-5037事例の監視を維持し、調査します。

SCP-5037事例であると正式に特定された場合、財団はその事件の完全な状況統制を行います。必要に応じて記憶処理が施され、メディアの取材は先取または抑制され、SCP-5037事例の発生状況を偽装する適切なカバーストーリーが作成されます。

SCP-5037の被害者との社会的関係を有する人物や近親者は、尋問のために連行し、その後は監視します。SCP-5037事例が発生した建造物は、財団が買収またはその他の手段で取得し、監視下に置きます。

財団ウェブクローラ“ERIKA”は、最初の3件のSCP-5037事例を巡るオンライン上の議論に特有のキーワードをスキャンし、必要に応じて、それ以降のSCP-5037事例群と財団についての情報セキュリティを確保するために調査、介入を実行します。

説明: SCP-5037は異常な手段で実行される一連の“密室”殺人です。SCP-5037はテキサス州ラボックの市域内にある住宅でのみ、毎月約1回の頻度で発生します。全てのSCP-5037事例は施錠されているか、その他の理由で外部から入室できない部屋の中で発生し、従来的な手段で検出できる入退室の手段や形跡は発見されません。

SCP-5037事例は必ず、被害者以外の人物が住居内にいない時に発生します。SCP-5037事例は典型的に、被害者との社会的な繋がりを持つ人物が住居に入り、“密室”にいる人物が反応しないことに気付き、法執行機関に通報した時点で初めて発覚します。SCP-5037の被害者間にパターンや接点は確認されていません。被害者の年齢、性別、民族、職業は様々であり、お互いに会った/連絡を取り合っていたことがあるかは判明していません。

SCP-5037の状況は全ての事例で同一だと証明されています。被害者は“密室”の概ね中心で仰向けに横たわり、胸の上で両手を握りしめ、足を真っ直ぐに延ばし、目を閉じた姿で発見されます。顔には涙を流した跡があります。被害者は常に微笑んでいます。

全ての被害者の死因は、ベンゾジアゼピン1の過剰摂取によって中枢神経系が極度に抑制され、昏睡状態から死に至ったという同一のものです。しかしながら、法医学的検査では一貫して体内から薬物の痕跡が検出されておらず、追加の調査によって、生理学的な変化とそれに続く死は通常の手段ではあり得ないほどほぼ瞬時に発生したと断定されました。

全ての被害者は青いPost-Itブランドの付箋を握りしめています。付箋の文章はBIC Atlantis Comfortペンで記されたものと断定されています。転写は以下の通りです。

これは自殺遺書です
探偵を呼んでください
ごめんなさい
私たちは死にたくない

歴史:
既知の最初のSCP-5037事例の発生は20██/1/9、チャールズ・マーティンという男性が、施錠された窓の無い“趣味の部屋”で死亡しているのが発見された時です。死亡時の状況と死因が十分に検討されなかった結果、この一件は殺人とは疑われず、自殺として報告されました。

第2の事例は20██/2/7、デブラ・ベッカーという女性の遺体が、アパートの施錠された寝室で隣人に発見された時に発生しました。これも自殺と報告されましたが、2人の死の同一の状況は多数の報道と潜在的な“自殺カルト”の憶測を呼び、一部では殺人事件の可能性が想定され始めました。

20██/3/3、ウェイン・ロバーツという幼い子供が専用の遊戯室で死亡しているのが発見された第3の事例は殺人事件と断定され、全国的に報道されました。3人の死は“謎の三重密室殺人事件”と見做されるようになり、警察の大規模な捜査を促しました。

ラボック市の財団資産が介入し、状況統制を引き継ぎました。死の異常性が発見され、それらは遡及的にSCP-5037事例に分類されました。最初の3件の殺人とその類似性に関する公共知識は最早抑制不可能でしたが、情報セキュリティを維持するために、対象を絞った報道及び議論の抑制と監視が行われました。

その後10ヶ月間に発生した追加11件のSCP-5037事例は、成功裏に公共知識から隠蔽されたものの、得られた新しい情報は最小限でした。調査の停滞に加えて、SCP-5037のメモの2行目における“探偵”の派遣要求を満たす試みとして、SCP-5037の捜査に割り当てられる職員は定期的に交代されるようになりました。

20██/1/3、アイザック・アチャリヤ捜査官と解析部門エージェント オーディ・パラスが、SCP-5037の捜査に割り当てられました。

補遺.5037.1:
20██/1/9、SCP-5037-15が発生し、ドロシー・ウォーカーという名の女性が施錠されたウォークインクローゼットから発見されました。大部分の状況は過去のSCP-5037事例と同一でしたが、SCP-5037-15と共に発見されたメモの内容は変化していました。転写は以下の通りです。

これは自殺遺書です
私たちを解決してください
私たちを解決しないでください
ごめんなさい
私たちは死にたくない

補遺.5037.2
20██/1/10、ラボック市警察署長カーソン・グライムスは財団の求めに応じて、15歳の息子ネルソン・グライムスが睡眠薬を過剰摂取して自殺した際、その警察記録を改竄して“密室”殺人に偽装したことを自白しました。彼はさらに、最初の3件のSCP-5037事例もまた自殺であり、偽造証拠と目撃者の脅迫によって“密室”殺人だと虚偽の報告を行っていたと認めました。

グライムスの自首から3ヶ月間、追加のSCP-5037事例は発生していません。SCP-5037のNeutralizedへの再分類が保留されています。

補遺.5037.3
20██/4/9、元・ラボック市警察署長カーソン・グライムスは、息子の悪夢を繰り返し見るという訴えに応じて処方された睡眠薬を過剰摂取し、刑務所の独房で自殺しました。

特に指定がない限り、このサイトのすべてのコンテンツはクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス の元で利用可能です。