SCP-505-JP
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アイテム番号: SCP-505-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-505-JPは現在、工事中と偽装し周囲を不透明シートで覆うことで対処されています。不透明シート内はカメラによって常時監視されており、監視態勢点検を月に1度Dクラス職員を用いて行うことになっています。実験はセキュリティクリアランスレベル4以上の職員の許可が必要です。内部を調査する場合は、2時間以内に終了するようにしてください。

職員及び民間人に想定外のSCP-505-JPの影響が確認された場合、即座に拘束し主任研究員の報告してください。

説明: SCP-505-JPは████県████市郊外にある二階建ての一軒家です。公的な資料から土地の持ち主が判明していますが消息不明であり、SCP-505-JPが建設された経緯や時期などは不明です。しかし199█年にはすでに存在していたことが調査から明らかになっています。SCP-505-JPの外見及び内装、家具、間取りに異常はありませんが、電気ガス水道などの公共設備には接続されていません。しかしながら、SCP-505-JP内の電気、ガス、水道は使用することが可能であり、それらの動作に異常はありません。

SCP-505-JPは不定期に全ての扉と窓を閉め、室内の全ての照明を点灯させます(以下、活性状態)。活性状態のSCP-505-JPを目視した人間(以下、被験者)は、SCP-505-JPを自分の家であると認識し「帰宅」しようとします。被験者が「帰宅」すると活性状態は終了し、「帰宅」しなかった被験者はその影響から脱します。活性状態を終了させる「帰宅」人数は1名で済むことがほとんどですが、まれに2名の「帰宅」が必要な場合もあります。「帰宅」がなかった場合、活性状態は1時間から10時間ほどで終了しますが、SCP-505-JPの影響が消えることはありません。しかし、これらの影響は記憶処理によっても脱することが出来る事が確認されています。なお現在までに活性状態の間隔が3時間を下回ったことはありません。

被験者がSCP-505-JPに「帰宅」した場合、その姿が再び捕えられることはありません。装着させた通信機、発信機はバッテリー切れまで被験者はSCP-505-JP内に存在し、SCP-505-JP内に居住している未知の存在(以下SCP-505-JP-A、-B)を被験者が家族と認識し、温和な雰囲気で生活を行っていたことを知らせます。しかし装着させたカメラがSCP-505-JP-A、-Bの姿を捕えたことはなく、また被験者やSCP-505-JP-A、-Bが通信機の交信に応じることもありません。またSCP-505-JP内部を捜索した際、被験者のカメラに職員が映ることがありましたが、職員が被験者を発見することはありませんでした。

音声の分析からSCP-505-JP-Aは5歳から10歳程度の男児、SCP-505-JP-Bは18歳から25歳程度の女性であると考えられています。SCP-505-JP-Aは被験者を「父母」と認識して対応しますが、SCP-505-JP-Bは「夫」あるいは「母」と認識して対応します。音声内に他の被験者の音声が確認された事例はありません。SCP-505-JP内部に被験者が同時に2名以上存在している場合でもSCP-505-JP-A、-Bはそれぞれの被験者の会話音声に記録されています。

SCP-505-JP内部で活性状態に遭遇した場合、滞在者のうち1名は「帰宅」と同様に消滅します。またその活性状態の終了まで、滞在者の消滅を全く認識出来ないことが判明しています(音声記録505-JP-3参照)。また内部で活性状態に遭遇した場合、その活性状態中に外部から観測してもその影響を受けません。

非活性状態のSCP-505-JPへ侵入した場合、その瞬間に居住者が消えたかのような状況及び物品が観測1、回収されることがあります。現在までに回収された物品は、玩具類、衣服(Dクラスの衣服も含まれています)、皿に盛りつけられた人体の一部2などが回収されています(完全な記録は「505-JP回収物品一覧」を参照してください。)。物品は全て市販されているものであり、また人体は死亡後に加工されたものであることが確認されています。

SCP-505-JPは199█/██/██に[編集済]の調査を行っていたエージェント吉川がその影響を受けたことにより財団に発見されました。エージェント吉川は幸いにも「帰宅」前にSCP-505-JPの活性状態が終了したため無事でした。その後の調査によってSCP-505-JPの近隣住民はSCP-505-JPの影響を受けたことがなかったこと、SCP-505-JPの建設の経緯や時期などを正確に覚えていないことが明らかになっています。

事件記録505-JP: 199█/██/██にSCP-505-JP内部8か所にテープ式カメラを設置し、非活性状態の内部変化の様子を観察する調査が行われました。活性状態終了後すぐにカメラの設置し、記録を開始。想定外のリスクを避けるために2時間後に侵入し回収、7台のカメラの回収に成功しましたが、1階の廊下を映していたカメラはその破片の一部しか発見できませんでした。SCP-505-JP-Aあるいは-Bに破壊されたものと考えられています。また、この侵入時に活性状態でないにも関わらずエージェント城崎が消滅しました。

補遺1: 回収されたカメラは侵入の瞬間に衣類が出現したことを捕えており、また1:26:08から1:31:13までの間SCP-505-JP-A、-B及び被験者となったDクラスの声と生活音が少なくとも4組分重なった状態で記録されていました。なお、破壊されたカメラの破壊音は記録されていませんでした。

補遺2: 事件505-JP後の内部調査で、居間から破られたスケッチブックの断片が回収されました。

回収された断片に書かれていた文章

たのしいおうち
すばらしいかぞく
けんかはいらない
てをつなごう

だってなかよしだから
しっかりと
てをつなごう

付記: 文章は一般的な黒のクレヨンで書かれています。また、文字の脇まで何かを塗りつぶした跡が見て取れますが、その全体像は不明です。

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