SCP-507-JP
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SCP-507-JP。

アイテム番号: SCP-507-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: 異常空間の封じ込めに関する基本的な対処プロトコルに則って、SCP-507-JP周辺区域はゾーン-81/507に指定されました。観測拠点-████がゾーンに隣接する地点に設けられ、4名の潜入エージェントが周辺環境の監視及び活性現象への対応任務を請け負っています。SCP-507-JP内部の音声情報は外部から有線で接続された集音装置によって記録されており、恒常的にSCP-507-JP-Aと対話可能な状況が維持されています。発生したSCP-507-JP-B実例は速やかに回収し、記録観察後は標準遺体収容手順(SRCP)に準拠した方法でサイト-8115の極冷温保管庫に安置されます。対象の立地条件に起因する問題の解決のため、財団は警視庁上位管理職員及び公安部特事課との協力関係を確立しています。SCP-507-JPの異常活性に新たな変調が観測された場合、PEJEOPAT(既存日本超常組織平和友好条約)1に基づき上記機関の連絡担当員へ通達を行う必要があります。

収容手順更新 2010/03/18: SCP-507-JP-Cは現在サイト-8115の標準人型実体収容房#12で生命維持処置を受けており、治療の試みが行われています。アウターヘッジ・プロトコルに従事する職員は事件記録507-2010-03-17を参照してください。

説明: SCP-507-JPは警視庁本庁舎地下3階に位置する射撃訓練場で、現在SCP-507-JP-Aに指定されている存在の長期的な影響下にあります。異常な効果が発現する1985年まで、訓練場はPEJEOPAT加盟機関・警視庁公安部特事課が使用する訓練施設として機能していました。

SCP-507-JP-Aは実体を持たないクラスⅠの知的存在で、SCP-507-JPの電気システムを不明な手段で掌握していると考えられています。SCP-507-JPは本庁施設の電力系統から完全に独立した異常性を示しており、場内照明は外部電源から切断された状態でも正常に点灯している、又はその様に振る舞います。対象はSCP-507-JP内に設置された数基のスピーカーを介し、合衆国南部の訛りの強い英語を用いる男性の声で会話することが可能です。SCP-507-JP-Aは場内に侵入した人間に対して速やかな退去を求め、拒否された場合には照明の頻繁な明滅やスピーカーの“音割れ”に似た騒音を発します。対象はこの行為を自身の重大な任務であると熱心に主張しており、後述するSCP-507-JP-Bの処理以外での領域侵犯には抵抗を表します。SCP-507-JP-Aは収容に対し概ね協力的ですが、対話に於いて自身の起源に関する話題には正確な回答が出来ません。(詳細はインタビュー記録 507-JP-Aを参照してください)

SCP-507-JPは10-150日にかけてのランダムな周期で活性化し、SCP-507-JP-Aは1985年8月11日16時に放送されたNHKラジオ第2放送“気象通報”の正確な反復を再生します。この音声自体に特筆すべき異常性は確認されていません。観測情報の読み上げ内容がウルップ島から松輪島へと移行した時点で、SCP-507-JP内部にSCP-507-JP-B実体が出現します。これは活性化と共にSCP-507-JP中央部に発生する不可視のポータルから“排出”されたように観測されます。電磁波測定器の検出結果は、SCP-507-JP-B出現時に激烈なガンマ線放射を行う直径10mm前後の“穴”の存在を示唆しています。2

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ジョン・ウィルクス・ブース、1865年。

SCP-507-JP-Bは同一の遺伝子を持つ人間男性の複製体で、一度の活性化で1-68人のSCP-507-JP-Bが発生します。その全ては出現時点で既に死亡しており、外見上はリンカーン大統領暗殺事件の実行犯として知られる米国俳優、ジョン・ウィルクス・ブース(John Wilkes Booth, 1838-1865)に酷似しています。実体は出現例ごとに異なる様々な要因によって損傷しており、激しい損耗で身体の一部が存在しないものも確認されていますが、ライフル弾による頸部の貫通射創とその周辺の火傷痕は全実体に共通しています:これはSCP-507-JP-Bのオリジナルと推定されるジョン・ブースの死因と一致します。

回収経緯: SCP-507-JPは公安部特事課が所有していたアイテムによって創造されたと考えられています。政府機関が扱う範囲を逸脱した超常事象の運用法を定めたPEJEOPAT規則に則り、オブジェクトの管理権限は1985年9月に財団へ委譲され、関係書類が第三者機関を通じて提供されました。以下はその抜粋です。

オブジェクト研究チームは、報告書中に記述がある「団体028・ガンチャーチ」を、米国が起源とされる銃愛好者のカルト宗教団体・懐中銃教会(The Holy Derringer Church)の分派と関連付けています。

インタビュー記録 507-JP-A: 以下はSCP-507-JP-Aに対して行われた初期応答並びに尋問記録の抜粋です。

事件記録 2010/03/17: 7日間の休眠期間を経てSCP-507-JPが活性化し、SCP-507-JP-Aは通常の気象通報の代わりに、カナダのインディーズ・バンドRed Bisの楽曲『Z.O.C.』を再生しました。異常活性から1分13秒時点で出現したSCP-507-JP-Bは1例のみ(SCP-507-JP-B-████)で、複数箇所の深刻な銃創と広範囲に渡るIII度熱傷を負いながらも生存していました。保安要員が救助するために接近した際、B-████は以下の言葉を発しました。

“そうあれかし”の言葉にこそ救いはあると聖典は物語っている。彼方より覘く神に導かれし軌道は緩やかな傾斜を描くものだと神学は論じている。大いなる流れそれ自体の信奉は軈て実を結ぶであろうと牧師は述べている。

間違っている。

三位一体は存在しない。発射され加速する我々は天地創造の本質から遠ざかってゆく、救済の舟が遥か遠方に座礁し、速贄を舐め取るまがいものの巣窟となるように。そうして現世に顕れし黄泉には悪党が連座し、王侯貴族の亡骸を踏み締める不信心者が利を得、堕落した教会は偽りの聖戦の歓喜に湧き立つ。清廉な天使でさえもが類稀な潔白を脱ぎ捨て、雄叫びをあげるいくさのけものの列に並び、己を堕落した祝詞で寿ぐ。まことの物事は既に無く、全ての頭上ににせ王国が君臨する。王は外法の神を掌握し、外法は王の手の内より離れることはない。その足は真なる地に触れず、その眼は真なる天を仰がない。

地獄を見た。かの銃身は冷え、弾丸は落下し、標的は失われる。均衡を統べていたものは亡び去る、そしてそれは今だ。

実体はその後意識を喪失し昏睡状態に陥りました。DNA鑑定の結果、実体は1985年のオブジェクト生成時に消失し行方不明となった特事課職員、██ ███捜査官と同一の遺伝子を保有していることが判明し、その異常の独自性からB-████はSCP-507-JP-Cに指定されました。現在実体はサイト-8115に移送され治療を受けています。

当該事案以降SCP-507-JPは活性化しておらず、SCP-507-JP-Aとの意思疎通の試みも成功していません。Neutralizedへの再分類が研究チームと81管区管理部の間で議論されています。

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