SCP-510-JP
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蚊取閃光.gif

蚊に攻撃するSCP-510-JP

アイテム番号: SCP-510-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-510-JPはサイト-8181の耐熱施工された気密収容倉庫に収容されます。SCP-510-JPを用いた実験には、セキュリティクリアランス3以上の職員3名の承認を必要とし、被験者にはDクラス職員が起用されます。実験時のSCP-510-JP-aには、レベル3警備員2名の同伴時のみ訓練用ゴム弾の使用が許可され、実験にはサイト-8181の小銃射撃場を用いるようにしてください。

説明: SCP-510-JPの形状は円柱の上面にドーム形状を結合したもので、直径は5.4cm、全高は2.2cmです。全体がガラス長繊維強化プラスチックで構成されており、200g前後の重量を持ちます。ドーム形状の表面が未知の方法によって常時発光しています。
SCP-510-JPは発光部位から可視光線レーザーを放つことができます。通常の照射量では皮膚に当たると火傷を生じさせたり、物に当たると火災を生じさせたりする恐れがありますが、一定の照射量を長時間に亘って維持させることはできないようです。SCP-510-JPはレーザーを用いた極めて精密な射撃を行います。15〜25km/hで不規則に移動する直径10cmの的に対して、5kmの範囲では100%に近い命中率を発揮しました。
SCP-510-JPは生物的及び機械的な発声器官が無いにも関わらず、明らかな会話能力を有しており、コミュニケーションを試みる際には日本語を使用します。SCP-510-JPは「蚊」「狙撃技術」「銃火器」の分野に関する相当な知識量を保有しています。SCP-510-JPは蚊を「人類の敵」「絶対悪」と認識1しており、基本的に蚊にのみ射撃を行います。人間に攻撃することを禁忌としていますが、後述のSCP-510-JP-aに対しては「指導」と称して通常よりも出力を弱めたレーザーを照射することがあります。
SCP-510-JPと2時間以上の直接的なコミュニケーション2を行った対象(SCP-510-JP-aと識別されます。)は、SCP-510-JPの持論や善悪の価値観を認めて敬うようになります。そして、SCP-510-JPの射撃を視認したSCP-510-JP-aはSCP-510-JPに狙撃技術の指導を求め始め、SCP-510-JPはこれを引き受けます。SCP-510-JP-aがSCP-510-JPの指導を受けると、明らかに異常な速度で狙撃技術を習得3していき、いずれの実験でも凡そ2ヶ月でレベルA狙撃手の水準能力を超える技術を習得しました。これらの異常性について、SCP-510-JPに尋ねてみても必ず「そんなものは知らん」と否定します。
SCP-510-JP-aは蚊以外の生物(主にヒト)を狙撃することに強い嫌悪感を抱きますが、大抵は強要してそれらを実行させることができます。SCP-510-JPは人間を狙撃したSCP-510-JP-aに対して深い失望を示し、師弟の関係を絶とうと攻撃的になります。

SCP-510-JPの活動を支えるエネルギー源は今のところ不明です。

実験記録510-JP-B-1
蚊虻走牛作戦記録

付録: 覚書

私が気にしているのはSCP-510-JPが蚊を「人類の敵」としている理由が「人間を最も多く殺している生物が蚊だから」という点です。確かに蚊は年間72万人もの被害をだし、最も人間を殺している動物ランキング第1位という調査結果もあります。ですが、その第2位は私たち人間です。
私が気にかけているのは、このランキングの1位が変わった時、SCP-510-JP、SCP-510-JP-aは「人類の敵」を何とするのか、ということです。

-若桑博士

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