SCP-521-JP
評価: +4+x

アイテム番号: SCP-521-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-521-JPは電磁波遮断措置が施された標準コンテナに収容してください。コンテナ内部には計測器を設置し、点検は月に1回、担当の職員によって行われます。実験の際はSCP-521-JPをコンテナから出す前に各記録装置を設置します。実験中レベル3以上の職員は、SCP-521-JP周辺の半径20m以内に接近してはいけません。

説明: SCP-521-JPは銀灰色の金属で構成された一辺3mの立方体です。収容当初のXPS分析の結果や特徴の一致から表面の材質はチタン製と診断されていますが、酸化の徴候を一切見せず、いかなる損傷も受け付けないため、チタンに類似した未知の元素で構成されているのではとの見解も出ています。表面に継ぎ目や溶接痕は見当たらず、X線や超音波などを用いた内部構造の特定は全て失敗に終わりました。また、SCP-521-JPは常に未知の電気信号を発しています。この電気信号と後述する現象の関係性には未だ確証がなく、現在も信号を解析する試みが続けられています。

半径12.2m以内に接近した被験者の84%は「誰かに話しかけられている気がする」「挨拶をされた気がする」「歌声が聴こえる気がする」と訴えます。その内の更に20%の被験者はインタビュー中SCP-521-JPを「彼女」と呼称します。これに関しては追求しても「何故だか分からないがそう呼ぶべき気がした」などの回答しか得られていません。ここまでにおいて、これらの証言はあくまでも「気がする」とされている点に留意してください。

尚、該当しなかった16%の被験者は前述のような感覚を覚えません。代わりに軽度から中度の自己嫌悪・鬱病の徴候を示し、閑静な環境を恐れるようになります。これらの症状は一般的なカウンセリング治療で改善可能です。

ヒトを除く一部の動物はSCP-521-JPの半径50mより接近するのを避けようとします。強制的に接近させようとすると激しく抵抗しますが、10.5m程まで迫ると途端に静かになります。この時、殆どの動物は全面降伏を表す動作や姿勢を行います。これらの反応を見せるのは、一般的に感情と称されるような情動反応を持つ動物に限られるようです。

SCP-521-JPは静岡県██市の一部地域において「山奥に金属の女神様が居る」という噂話が子供達の間で広まっている事にエージェントが注目。近隣の山中を捜索したところ、地中に2.8mほど埋没したSCP-521-JPを発見、収容に至りました。その後噂話は2週間程で終息しています。情報の発信源は掴めていません。

SCP-521-JPに接触したと思われる子供達数人に対しインタビューを行ったところ、一部の証言の中にはオブジェクトは立方体ではなく[編集済]だったというものもありましたが、一貫性の乏しさから信憑性は薄いとされています。

追記1: SCP-521-JP収容当時、回収地点の周囲を探索したところ、地中から様々な年代の文書が複数回収されました。しかし、文書は全て劣化・損傷が激しく、特に新しいものはインクで塗り潰されているため、全文の解読は困難です。放射性炭素年代測定により、これらの文書は最も古いもので███年前のものと判明しています。

年代の古いものには何らかの絵図が描かれており、それによるとSCP-521-JPは地中から掘り出され、その性質から神託を与える御神体として宗教的活動に使用されていたようです。一方、比較的新しい文書は前述の要因のため読み取れる箇所はごく僅かですが、資産家が個人的にSCP-521-JP発掘・研究し、徐々に精神病を患い最終的にオブジェクトを再び投棄した経緯が書かれている模様です。余白には塗り潰すのに使用されたものと同一のインクで「あれは鏡であり恐らく繭のようなものだ」と殴り書きされています。

追記2: 199█/08/██ 実験中、SCP-521-JPに対する距離に関係なく、入室していた職員全員が以下のような女性の声を知覚しました。

私はもう一度、自分の足で歩いてみようと思う。

各装置に該当する音声は観測されていませんでした。音声の発生源は不明です。

補遺: 追記2の事例からSCP-521-JPが自律性を持っている、あるいは自律性を持った存在が関与している可能性が示唆されました。現在Euclidクラスへの格上げを検討中です。

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