SCP-5261
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アイテム番号: SCP-5261 LEVEL 3/5261
収容クラス: KETER 極秘

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SCP-5261の影響を受けた水槽。以前はオキアミが飼育されていた。

特別収容プロトコル: 財団ウェブクローラ J/M-CON が報道機関やソーシャルメディア・プラットフォームを監視し、海洋生物の飼育施設における奇妙な事件についての投稿の有無を探ります。既知のSCP-5261事象の目撃者は、カバーストーリー58-B (“侵入窃盗”) の下に記憶処理され、被害額が弁済されます。進行中のSCP-5261事象が発見された場合は、そのSCP-5261-1個体群を捕獲し、海洋サイト-82に移送します。これらの個体はまず大西洋の収容区画に解放して異常性を無効化してから、再捕獲して更なる異常性が発現しないかを監視し、その後は恒久的な移送を行うか、実験に使用します。

2021/03/22の事件以降、SCP-5261-1の給餌と世話は厳重に監視され、可能な限り遠隔操作で実施されることになりました。SCP-5261研究チーム以外でSCP-5261-1個体への接近を望む人物は、バノック主任研究員の事前承認を得る必要があります。

説明: SCP-5261は多数の海洋生物を飼育する事業所、とりわけ水族館やエキゾチック・ペットショップに影響を及ぼす異常現象を指します。影響された事業所間の直接的な繋がりは発見されていませんが、その大半は過去に品質管理検査で不合格判定を受けているか、不正な手段で野生動物を取得していたことが判明しています。

SCP-5261は、その事業所で飼育されている水生生物の間に、集団意識に似た共有知性を発達させると考えられています。知性の発達から24~32時間以内に、影響を受けた生物たち (SCP-5261-1とする) は連携し、人気のあるメディアでしばしば脱獄と関連付けられる戦略を使って事業所を脱走しようと試みます。SCP-5261-1がこれらの戦略の大半を首尾よく達成できる理由は不明です — 戦略の有効性は多くの場合、把握力を有する体肢の欠如から悪影響を受けないようです。脱走に続いて、SCP-5261-1は最も近場の海水域を見つけ出し、離散します。SCP-5261-1が離散に成功するか、再捕獲・再収容されると異常な影響は収まります。

SCP-5261事象の頻度と規模は完全にランダムであるようです。特筆すべき事象は以下の通りです。

  • 小型水槽内のヒトデがガラス一面にへばり付き、内部の様子を完全に覆い隠しているのが発見された。詳しく調べたところ、水槽の中にいた数匹の巻貝が、殻をその場しのぎのドライバーとして使用し、吸水口カバーのネジを緩めようとしていたことが判明した。
  • カニの水槽の中身が、着色小石・砂・人工水草を抜け殻に詰め込んで作られた間に合わせのレプリカに置き換えられていた。カニの行方は現在不明だが、店舗のレジから数百ドルが紛失していることも判明した。
  • 行方不明になったペットショップの輸送バンが閑散とした浜辺で発見された。小さな穿刺傷で覆われた運転手の死体が車両後部から発見された。検死解剖によって微量のフグ毒が死体の循環系から検出された。バン内部の輸送用水槽は全て粉砕されていたが、破片の分析結果は水槽が内部から割られたことを示す。
  • ニューイングランド水族館の全域から海洋生物が行方不明になり、警備員も全員失踪した。更なる調査で、各水槽は巨大海洋水槽1を中心として、外洋に通じるトンネル網で接続されていたことが判明した。水族館の保安システムを検査したところ、各監視カメラの視界は乾燥したイカ墨で覆い隠されていた。警備員の行方は未だ不明だが、幾つかの水槽の底からは、銃器を正確に象る形状に彫られたサンゴの死骸が発見された。

補遺.5261.1: 2021/3/22、SCP-5261-1収容水槽で軽微な収容違反が検出されたことを知らせる警報が鳴りました。現地の保安職員が調査に向かいましたが、程無くして帰還し、現場には既にエージェントがいたと報告しました。その後間もなく、大量の海洋生物がサイトの投棄ハッチから放出されるのを水中センサーが検知しました。保安部隊は問題のエージェントらしき人物を近隣で発見したものの、エージェントは家具を倒す、壁に衝突するなどの不安定な動きで逃走を試みました。拘留されると、エージェントは大量の海水と有機物、並びに2匹の大きなタコを嘔吐しました。保安部隊はタコを拘留しようと試みましたが、タコは近場のトイレに逃げ込んだ後、行方不明になりました。

エージェントの検死解剖で、この人物は記録上の如何なる財団職員とも合致しておらず、乾燥コンブと墨で作られた偽造身分証明書を所持していたことが判明しました。タコは当該人物の脳の一部を軽く締め上げて動きを誘発し、身体を操縦していたと考えられます — 1匹が手足を制御している間、もう1匹は肺を圧迫して脳に空気を供給していた疑いがあります。この事件以降、サイトに入場する職員へのより徹底したスクリーニング検査が実施されています。


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