SCP-527-JP
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アイテム番号: SCP-527-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-527-JPはその性質上移動させることは不可能なため、SCP-527-JPを含む地域一帯を封鎖し周辺に住宅に偽装したサイト-81██を建設します。サイト-81██に勤める職員は実験用のDクラスを除いて全て女性で構成してください。また、近隣住民に定期的に記憶処理を行いつつカバーストーリー「開発工事」を適用してください。SCP-527-JPに関するインターネット上の情報などは発見され次第、情報の検閲を行ってください。

説明: SCP-527-JPは、神奈川県██市に存在する十字路の交差点およびそれを構成する道路です。それぞれの道路は完全に直角に交わっており、それぞれの道路が平均して高さ2mを超えるコンクリート塀で覆われているため、一般的な歩行者が左右の道路を視認することは困難です。
SCP-527-JPを構成するいずれかの道路から16~22歳の男性(以下、被験者と表記)がSCP-527-JP交差点に歩行によって侵入した場合、SCP-527-JPの異常な特性が発揮されます。
被験者が交差点に侵入する瞬間、被験者から見て左右いずれかの道路から被験者とおおよそ同年代の外見をした女性1に見える人型実体(以下、SCP-527-JP-1と表記)が出現し、必ずお互いの肉体が衝突します。この時出現するSCP-527-JP-1が被験者によって外見が著しく変化する点、また被験者へのインタビュー記録から、SCP-527-JPは何らかの手段によって被験者の趣向を読み取っていると推測されています。また、SCP-527-JP-1は通常の人間と同程度の耐久性を持ち、ほぼ全ての場合激突した際に被験者と同程度の損傷を負います。SCP-527-JPの出現、消失の瞬間を映像機器によって捉える試みは不自然なノイズや飛来する遮蔽物の存在によって失敗に終わっています。
被験者は1回目のSCP-527-JP-1との衝突を経験した際、SCP-527-JP-1のことを「運命の人」であると認識し、以降衝突ごとに3分から20分程度の雑談を行った後にSCP-527-JP-1はその場を離れ、消失します23。その後被験者は第4回目の衝突時まで、SCP-527-JPを通りたいという欲求を示し、出来うる限り毎日SCP-527-JPを通行しようとします4。この状態の被験者はクラスB記憶処理によって完治が可能です。

被験者とSCP-527-JP-1の衝突時の衝撃は回数を重ねるごとに強力になります。これについては下記の表を参照してください。

衝突回数 衝突時の衝撃
1回目 通常の体格の人間が10km/hで衝突する力とほぼ同等の衝撃力。個人差にもよるが被験者は転倒時に擦り傷、軽い打撲を生じる。
2回目 一般的な家庭用自転車が20km/hで衝突する力とほぼ同等の衝撃力。被験者は多くの場合打ち身や捻挫、場合によっては骨折を生じる。
3回目 一般的な軽自動車が40km/hで衝突する力とほぼ同等の衝撃力。ほぼ全ての場合において被験者は軽度から重度の骨折および内出血を生じる。
4回目 一般的な平ボディ軽トラックが60km/hで衝突する力とほぼ同等の衝撃力。被験者は重度の骨折や内臓破裂を生じるが、現在までこの段階での被験者の死亡は確認されていない。
5回目 測定不能。この衝撃によって発生する余波が膨大なものと推測されているにも関わらず、余波は計測されていない。

被験者は4回目の衝突を経験した場合、SCP-527-JP及びSCP-527-JP-1に対して消極的な反応を示し、出来うる限りSCP-527-JPを通行しないよう試みます。被験者へのインタビューを行ったところ全員が「SCP-527-JP-1と喧嘩別れをした」という旨の供述を行っており、このことが原因であると推測されています。

SCP-527-JPを用いた実験記録は下記を参照してください。

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