SCP-532-JP
評価: +12+x

アイテム番号: SCP-532-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: 実験用として確保したSCP-532-JPはサイト-81██の標準型水生生物用水槽で飼育されています。水温は15度を維持し、不必要なSCP-532-JPの肥大を防いでください。万が一温度管理の異常等で個体が増えすぎた場合はSCP-532-JP-1の発生及び爆発を防ぐためSCP-532-JPを水ごと組み出し、液体窒素で凍結させてから破砕処分してください。

SCP-532-JP-1について研究を行う場合、SCP-532-JPを含む水4Lを耐衝撃収容室に移送した後に、水温25度を維持しSCP-532-JPに十分な光を照射し続けてSCP-532-JP-1個体を得てください。なおSCP-532-JP-1の収容室内の温度と湿度はそれぞれ28度、80%を維持してください。サイト-81██では現在3体のSCP-532-JP-1を記録用に収容し対話と監視を行っています。

未収容のSCP-532-JPの生息が確認された湖には観測所が設けられています。現在日本国内に3か所、ロシアに1か所の生息地が確認されています。青森県の██湖に出現するSCP-532-JP-1は人間に対し敵意を有しており危険であるため終了が認められています。爆発、誘爆の恐れがある為終了の際は十分な距離を取り、爆発の衝撃に耐えられる装備を使用してください。後述の補遺1からSCP-532-JP-1の終了や攻撃は現在財団と有効な関係を保っているSCP-532-JP-1との関係を悪化させ、更なる他のSCP-532-JP-1の敵対的反応を引き起こす可能性があると推測されています。敵対的なSCP-532-JP-1が出現した場合、不発弾の解体を理由として近隣の住民などを避難させ、SCP-532-JP-1を耐衝撃コンテナまで誘導し封じ込めて下さい。この時、対話が可能であればすべて音声記録として保存します。敵対的な反応が続く場合はコンテナ内の温度と湿度をそれぞれ40度、30%に設定し、SCP-532-JP-1の自爆を促します。

説明: SCP-532-JPはマリモ(学名:Aegagropila linnaei)の球状集合体に酷似した細胞群体です。SCP-532-JPを構成する細胞は100個から5000個程とみられ、SCP-532-JPの大きさは直径数百μmから5cmと様々です。各細胞からは細胞壁を貫通する形で細胞質から葉緑体を含んだ数本から十数本の鞭毛が生えています。SCP-532-JPは年に数回の無性生殖を行うほか、環境悪化時には有性生殖による繁殖を行います。大型の細胞群体同様、細胞同士の連結が大きく解かれた場合は自然環境下で生存することが出来なくなりますが、完全な状態のSCP-532-JPは数十年に渡り生存が可能です。

SCP-532-JPは周囲の水温が25度前後,かつ日光照射量が十分な状態が二週間程継続した場合に異常性を発現させます。SCP-532-JPが先述の状況に置かれると爆発的な速度で無性生殖を行いその数を増殖させ、それと同時にSCP-532-JPは生息環境の広さに関わらず自身の大きさを肥大化させます。実験では,40 cm × 30 cm × 30cm の水槽内において,SCP-532-JP個体は直径30 cmまでに肥大しました。ある程度肥大化したSCP-532-JP個体は適当な大きさの他のSCP-532-JP個体と細胞間同士の連結を行い、体長150c mほどの人型の形状を取るようになります(この状態をSCP-532-JP-1と呼ぶ)。SCP-532-JP-1は人間と同等の知能を持ち、言語によるコミュニケーションを行うほか、独自の分化を有します。加えて、学習能力も高く人間の文化や道具の使い方を理解する事が可能です。また、1から十数の、枯死した細胞で形成されていると見られる装飾品をどの個体も身に着けています。財団収容下で実験により誕生したSCP-532-JP-1は人間に対して友好的な感情を抱いていますが、これがSCP-532-JPの本心からの意思なのかどうかは不明です。財団ではSCP-532-JP-1の言語の翻訳作業が行われており、現在までにおよそ8割の言語が解明されています。

SCP-532-JP-1の内部の間隙には高濃度の酸素と細胞の死骸から生成された可燃性の液体が充てんされており、高温乾燥や強い衝撃、ストレスなどで爆発します。また、SCP-532-JP-1の意思によって自爆する事も可能です。その威力はSCP-532-JP-1ごとによって異なりますが、生存期間の長いSCP-532-JP-1程爆発の威力が高くなる傾向があります。爆発後のSCP-532-JP-1はSCP-532-JP同様、細胞間の連絡が途切れた事で死亡します。

SCP-532-JPは1957年にその存在が認識されました。財団は3年にわたりSCP-532-JPの存在を追跡し、1960年に最初のSCP-532-JP-1を確保、その後の研究でSCP-532-JPが水生細胞群体であることを突き止めました。財団は1985年までにSCP-532-JPの生息が確認された湖に観測所を建設し現在の収容体制がほぼ確立しました。後述する2003年の事件以降、水温が高くなる時期には青森県██湖の観測所には常に少人数の機動部隊が在中している他、各地の観測所に一名の交渉術に長けたエージェントが配属されます。

以下はSCP-532-JP-1の思想、知性の分析の為に行われたインタビュー記録です。

補遺1: 2003/07/13、青森県の██湖でSCP-532-JP-1群が出現しました。複数のSCP-532-JP-1は手をつないだ状態で岸に上陸し十五分ほど彷徨よった末、付近の道路で爆発を起こしました。この爆発の威力はTNT█kg分に相当し、結果として複数の負傷者を出しました。このSCP-532-JP-1は自己の意思で爆発したと思われます。財団は「不発弾の爆発」としてこの事件を隠ぺいしました。

この事件の同時刻、収容施設内のSCP-532-JP-1がおよそ30秒間高周波の音声を発しました。以下はその音声を解析、翻訳したものです。

ああ、何故ですか君、そして同胞よ。なぜ殺した。彼の者は我らを傷つけることはしない友好の民だ。Zappendiollasの様に五指があり肌に毛が無くとも中身はまるで違う。君よ、貴方の双眸も緑濁の水に染められてしまったのですか。貴方が求めたとこしえの大洋はもう無いのですか。君よ、あなたは私が傅いた頃の貴方では無くなってしまったのですね。一つの大いなるgamboraziの藻屑には戻れないのですか。あぁ、あんなにお慕い申し上げていたのに。

君、どうか、目を覚ましてください。遍く慈悲をもって全てを白砂の隣人として受け入れましょう。さすればわれらは再び水底の天球の元に一つになれるのです。すべてを水底に、どうか。

特に指定がない限り、このサイトのすべてのコンテンツはクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス の元で利用可能です。