SCP-5417
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評価: +67+x
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2020_Villa_Weisdorff.jpg

異常効果が発現する前のSCP-5417。

アイテム№: SCP-5417

オブジェクトクラス: Safe Keter

特別収容プロトコル: SCP-5417を起点とする今後の異常活動は、いかなる代償を払ってでも阻止しなければなりません。

説明: SCP-5417はハワイ州カイルアに所在する、物理的な力に対して堅牢なヴィラ様式の住宅です。2024/09/13、全人類はSCP-5417に転送されました。

SCP-5417内の空間は86億人を一度に収容できるほど広大ではなかったため、この事象により人類の大多数が即死しました。主な死因は高圧で強く押し潰されたことによる圧死でした。結果として破砕した大量の人間の死体は、利用可能な全ての開口部から噴出しました。内臓は半径30 kmに散乱し、そのうち一部は地球低軌道上に乗りました。

異常性が発現した当時、SCP-5417のドアや窓がいくつか開いていました。それゆえに、ごく少数の人間が生きたまま建物から排出されました。SCP-5417内を移動できる状況になかったため、生存者は主に出入り口の近辺に出現した人物でした。

現時点では総計で22名が生存しており、財団職員はそのうち3名のみです。このため、必然的にBK-クラス "捲られたヴェール" 機密性喪失シナリオが引き起こされました。現在、人口を増やす方法が研究されています。

補遺: [未記入]

<転写開始>

よし、記録開始。

(ぬかるみを踏むような足音、虫の羽音がする。人間が唾を飲み込む音が鳴る。)

うえっ、フェイスマスクを付けてても臭うな。こりゃ吐かないほうがいいな、臭いがひどくなる……

(深呼吸。)

よし。これでよし。俺はキャメロン・パーク。正式にはD-307だ。俺はこれから — あの家を見にここへ来た。自分の目で確かめに。他の奴らは家に近付かないでいる。臭いが嫌だとか、外観が嫌だとか、当時を思い出させるものが嫌だとかさ。

でもそれは…… あいつらはただ逃げてるだけだ。それだけでしかない。人類の99%がいなくなったってのに、あいつらはオフィスに逃げ隠れて、取るに足らない文書を書いて、そんで。そんでこんなくだらないことを書き連ねてんだ。「いかなる代償を払ってでも阻止しなければなりません」、まるで今でもできるかのような口ぶりで —

(何かが踏み潰されたような小さな音がする。足音が止む。)

(8秒間の静寂。)

ただの歯だったわ。

(足音が再びし始める。)

あいつらは誰が誰なのか判別しようとした、あー、埋葬するためにな。でもうまくいかなかった。見分けなんてつきようがない、みんなが…… まあ、ああなってたらな。チェン研究員は歯科記録を駆使しようとしたが、その頃にはもうインターネット全体がダウンしかけていた。財団サーバーでさえもだ、永遠に稼働し続けるはずだって聞いたんだがな。

主な推測だが、サイトの多くが取り消しの効かないタイプのフェイルセーフを作動させたと見てる。より重要なサイトの中には粉々に吹っ飛んだのもあるかもしれんが、確かなことは誰にも分からない。本土に浮かぶ灰の雲を見て以来、誰も出て行きたがらなくなったんだ。

(静寂。足音が11分間続く。虫の羽音が背後から聞こえる。)

……みんな……

みんなここにいる。正確には幸運な22人を除いてだが、80億人に比べればちっぽけなもんだ。俺は今、野球界のあらゆるスーパースター選手の上を歩いている。あらゆる博士の上を。あらゆる建設作業員や、あらゆる看守の上を歩いている。誰かは知らんが、財団を管理してる奴も — 管理してた奴もここにいる。そして、他のDクラスの奴らもみんな、そういう奴らと混ざり合っている。もう…… そんなに違いもないけどな。

(笑い声。)

時々さ。俺たちが、その、本当に幸運なのかって疑問に思うことがあるんだ。というのもな、俺たちがあの山から引っ張り出した可哀想な奴らの中には、間違いなく死んだほうがマシなのもいるんだ。それに、それに俺を含めた他の奴らだって。もしかしたら、俺たちもあそこに残るべきだったのかもしれない。みんなと一緒に。

馬鹿げた話なのは分かってる。それでも、時々考えちまうんだ。

(静寂。足音が18分間続く。)

[…]

(足音が止む。ゆっくりとした深い呼吸音がする。)

[…]

(木材を軽く叩く音。)

これは、ただの…… 家だ。老朽化した家。まあ、そんなのは分かってた。あの日 — あれが起こった時に、もう見たんだからな。それでもふと考えたんだ、もしかしたらって……

(27秒間の静寂。風が吹く。)

(人間が座る際の、布地が擦れる音がする。虫の羽音が目立たないながらも続いている。)

……ここに誰が住んでいたのか、あいつらには解き明かせなかった。どうしてあれが起こったのかも解き明かせなかった。あいつらがかき集めた派手な技術を以ってしても、得られた答えは何もないってことだけだった。理由もない。意味もない。もしかしたら、初めから何でもなかったのかもしれない。

(31秒間の静寂。風が吹く。)

もしかしたらあの日、何かが決めたのかもしれない。みんな、家に帰るべきだって。

<転写終了>

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