SCP-543-JP
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アイテム番号: SCP-543-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-543-JPはサイト-81██の標準鳥類収容施設に収容します。担当職員は一定期間鳥類の雛の育成を行い、その様子をSCP-543-JPに認識させ、育成を引き継がせてください。

説明: SCP-543-JPは1羽の雌のスズメ目ヨシキリ科オオヨシキリ(学名:Acrocephalus arundinaceus)です。体長や食性は一般的なオオヨシキリのそれと変わりありませんが、収容時から現在まで老化の兆候を見せていません。

SCP-543-JPは何らかの手段で血縁関係の有無を判別可能であり、生物が血縁関係に無い個体を養護している様子を認識した際にその異常性を示します。SCP-543-JPは養護している個体(以下、仮親と表記する)が養護されている個体(以下、子と表記する)から目を離した隙を狙い、黄色味をおびた白色の粘着性物質を口から吐き出し、それを子に摂取させます。この物質を検査した結果、蛋白質、脂肪、炭水化物等の栄養素が含まれていました。SCP-543-JPがどのようにして、この物質を体内で生成しているかについては現在も判明していません。
物質を摂取した子の"声"を聞いた仮親は、子に対して無関心となり養護を放棄します。実験により、暴露後の仮親は子の声や排泄物の臭い等を知覚できなくなっていることが判明しています。SCP-543-JPは放棄された子に育雛本能を働かせ、一般的なオオヨシキリが雛を育てる場合と同様に昆虫類や節足動物等を餌として与えます。しかし、あくまでこれはオオヨシキリが雛を育てる方法であるため、対象となった生物によっては餌を摂食出来ずに衰弱死してしまうこともあります。SCP-543-JPは子の居場所を正確に把握することが可能であり、子を隔離しようとする試みはSCP-543-JPの激しい抵抗を引き起こします。ただし隔離されていない子が他に存在している場合には、そちらへの餌の運搬を優先する様子が確認されています。

200█/██/██の発見時、SCP-543-JPは財団フロント企業の託児所で█人の乳幼児に物質を摂取させていたことが確認されています。乳幼児の声を聞いたことで暴露した託児所職員には記憶処理が施されましたが、声を聞く度に影響が再発現するため完全な回復には至りませんでした。

補遺: 収容から3日後、SCP-543-JPの収容施設内にカッコウ(学名:Cuculus canorus)の雛1羽の遺体が出現しました。SCP-543-JPが雛を回収しようとした職員に対して激しい抵抗を示したことから、出現した雛は物質を摂取した子なのではないかと推測されました。更にその2日後、今度はSCP-543-JP発見時に物質を摂取させられた乳幼児の1人が施設内に出現したことで、SCP-543-JPは物質を摂取した生物を自身の元へ転移させることが可能であると判明しました。この事例から収容プロトコルは、前述の性質を利用したものへと改定されました。

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