SCP-5455
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死亡したSCP-5455-1個体のMRIスキャン。

アイテム番号:

5455

収容クラス:

KETER

特別収容プロトコル: アラスカ州バルディーズの市域内または近隣で突発的に発話能力を失った人物は、SCP-5455-1個体であると見做され、燻蒸処理によって終了されます。バルディーズの市域内または近隣で突然の蟻走感1を経験した人物は不可避的にSCP-5455-1個体になるため、燻蒸処理によって終了されます。死亡前に前述したいずれかの症状を呈した人物の死体は燻蒸処理されます。燻蒸処理された人物/死体と同じ家庭で眠っていた人物は、追って通達があるまで暫定サイト-188に個別に隔離されます。

バルディーズは人口規模が小さく孤立しているため、財団によるリチャードソン・ハイウェイとポート・バルディーズの監視で、市内外への移動は効果的に統制されています。

説明: SCP-5455はアラスカ州バルディーズで発見された、異常な寄生行動を取るオオアリの一種です。SCP-5455のコロニーは、鼻の篩板にトンネルを掘って頭蓋骨に侵入するという形式でヒトに感染します (通常は潜在的宿主が眠っている夜間) 。頭蓋骨の内部に入ると、SCP-5455は宿主の脳の運動野を咬んで深い溝を掘り始め、やがて完全に破壊します。これによって宿主は自発的な運動が不可能になりますが、呼吸や意識などの不随意的な身体機能は維持されます。更に、SCP-5455はこの際に露出する複数の血管を利用し、宿主の循環器系に潜り込みます。循環器系を介して脊髄に到達したSCP-5455は、脊髄の各所を刺激して宿主の動きを制御します2。この時点で宿主は完全に感染し、SCP-5455-1個体に再分類されます。

SCP-5455-1個体は宿主の日常生活を模倣し、人間社会に溶け込み、密かに他者を感染させようと試みます。SCP-5455-1個体はヒトの身体機能のほとんどを模倣できますが、複雑な運動能力を再現することはできません。例として発話、筆記、自動車の運転が挙げられます (ただし、これらのみに限られません) 。SCP-5455-1個体は言語を理解し、キーボードのタイピングを行うことは可能です。

補遺5455.1: 2日連続の豪雨の後、暫定サイト-188の内部で数匹のオオアリが発見されました。これらのオオアリがSCP-5455個体であるかは不明です。暫定サイト-188を封鎖する努力は進行中です。また、財団による地元商店の監視では、殺虫剤の購入量の大幅な増加が確認されています。

補遺5455.2: SCP-5455-1個体のマイケル・クルーナーは、更なる研究のため、暫定サイト-188で生きたまま冷凍保存されています。クルーナーは血で汚れた果物ナイフを右手に持って病院に侵入し、逮捕された後にSCP-5455-1個体と特定されました。SCP-5455がクルーナーを病院へ誘導した理由は不明ですが、彼の左腕に横方向の切り傷が複数あり、ほぼ完全に皮膚が除去されていたことから、その治療を受けさせるためだと考えられています。これらの切り傷からは約160匹のオオアリが露出し、クルーナーが冷凍保存された際も血管を通って傷口から出入りしていました。

健康記録が示す限り、マイケル・クルーナーには当該事案以前の自傷歴がありません。しかしながら、クルーナーが不眠症と診断されていた旨が記されています。

補遺5455.3: 暫定サイト-188における民間人の個別隔離は持続不可能になりました。収容空間を確保するため、3日以上隔離されてもSCP-5455感染の症状を示していない民間人らは集団隔離とします。

補遺5455.4: 2017/01/08、ウサック研究主任が暫定サイト-188の端末を使用し、以下の緊急メッセージを発信しました。

奴らが私の血管にいる

ウサック研究主任及び感染した全ての財団職員を終了するため、二次対応班が派遣されました。到着した二次対応班は、暫定サイト-188、リチャードソン・ハイウェイ、ポート・バルディーズのいずれにおいても財団職員を発見できませんでした。

ポート・バルディーズ収容班の記録には、合計22隻の帆船、手漕ぎボート、カヌー、その他の原動機が付属しない小舟に関する言及が残されていましたが、これらは二次対応班によるポート・バルディーズの捜索で発見されませんでした。

アラスカ州南部の海岸線の監視が進行中です。



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