SCP-546-JP
評価: +31+x

アイテム番号: SCP-546-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-546-JPは8m x 8m x 6mの、内壁がステンレス製の収容室に収容してください。収容室内部には、金属が混入されていない120立方メートルの土砂を入れ、平らに均してください。SCP-546-JPの収容室内部は常に換気し、脱臭フィルターにかけた上で排気を行ってください。SCP-546-JPには三日に一度、収容施設の食堂から出た生ごみ家畜用飼料を金属探知機に掛け、金属が混入されていないと確認できたものを20kg天井から投下してください。

収容室内の観察は、収容室天井のガラス窓強化アクリルと防弾ガラスの積層窓や、遠隔操作ロボットに搭載されたカメラを用いて行ってください。

収容室からオブジェクトや遠隔操作ロボットを回収する場合は、8分以上の薬物消毒を行ってください。

説明: SCP-546-JPは蟻の一種で、地中のトンネルと複数のアリ塚から成る巨大な巣を形成します。SCP-546-JPと通常の蟻の大きな相違点としては、3対の足のうち頭部に近い1対を手のように器用に操ることができる点が挙げられます。また、SCP-546-JPのコロニーには女王は存在せず、以下の2種類の個体によってコロニーが形成されています。

SCP-546-JP-A:体長10mmほどの個体で、一般的な働きアリとしての役割を担っており、各個体ごとに餌の収集や巣の拡張・修繕、卵や幼虫の世話などの仕事を分担しています。ただし各個体が生殖能力を有しており、後述するSCP-546-JP-Bとの交尾により10個程度の卵を産卵します。産み落とされた卵はおよそ二時間で孵化します。またSCP-546-JPは、体節を擦り合わせる音と数種類のフェロモンを用いて他の個体と高度な意思の疎通を図っています。
SCP-546-JP-B:体長15~20mmほどの個体で、兵隊アリとしての役割を担っていると考えられています。しかし、天敵の存在しない収容環境内では特に何をするわけでもなく、目についたSCP-546-JP-Aの個体と数分おきに交尾を行っています。コロニー内に占める割合では、SCP-546-JP-Aの一割程度です。なお、SCP-546-JP-Aと同じく音とフェロモンでもって意志の疎通を図るようですが、これまでSCP-546-JP-Aと対話できている様子は確認できていません。また、巣内部のSCP-546-JP-Aフェロモンの濃度が上昇し、コロニー全体が慢性的な餌不足状態に陥ると、後述する間引き行動が発生します。

SCP-546-JPの特異性はSCP-546-JP-Bの間引き行動時に発揮されます。SCP-546-JP-Bは餌不足によるコロニーの全滅を回避するため、SCP-546-JP-Aを間引くことで餌不足の解消を試みます。その際にSCP-546-JP-Bは間引きを効率的に行うため、様々なオブジェクトを作り出します。オブジェクトの多くは、SCP-546-JP-Aの甲殻を削り出した刃物といった原始的なものですが、時折原始的な構造の銃や、火炎放射器、場合によってはミサイルや核融合炉などを作成する場合があります。オブジェクトの用途はSCP-546-JP-Aの間引きですが、その余波により収容違反が生じたり、周囲に被害を及ぼす可能性があります。

以前はSCP-546-JPの作り出すオブジェクトも研究対象とされていました。しかしオブジェクト546-JP-B34の事例を受け、収容室内を常に換気することでSCP-546-JP-Aフェロモン濃度を低下させ、間引き行動の発生及びオブジェクトの制作を防いでいます。

SCP-546-JPが作り出したオブジェクトの詳細については、オブジェクト収容目録を参照してください。

補遺:
オブジェクト収容目録:

オブジェクト546-JP-B2
回収日時:19██/██/██
概要:SCP-546-JP-Aの甲殻で構成された刃物。
メモ:確かに切れ味は鋭いが、対SCP-546-JP-A用であって、対人用に拡張するには少々小さすぎる。そもそも分子構造再現の手間を考えると、合金を作った方が楽そうだ。-████博士

オブジェクト546-JP-B3
回収日時:19██/██/██
概要:SCP-546-JP-Aの甲殻で構成された穂先を持つ槍。槍の柄の部分は、SCP-546-JPに給餌目的で与えた生ごみに含まれる、チキンの骨などといった硬質素材を用いてに構成されている模様。

オブジェクト546-JP-B6
回収日時:19██/██/██
概要:SCP-546-JPのフェロモン嚢を用いた銃火器。フェロモン嚢の発酵に伴うガス圧の上昇により、SCP-546-JP-Aの甲殻を用いた弾頭を射出する。銃身は生ごみに含まれていたチキンの骨をベースに、SCP-546-JP-Aの甲殻や粘土を練り合わせたもので構成されている。研磨を繰り返したためか弾道直進性が高く、SCP-546-JPの体格ならば6メートルの範囲においては十分精密射撃に利用できる精度であった。
メモ:単発式だったのは惜しいな。-████博士

オブジェクト546-JP-B9
回収日時:19██/██/██
概要:SCP-546-JP-Aの体液と、餌となった生ごみを発酵させて作った液体の混合物によるナパーム溶液。オブジェクト546-JP-B6を改良したと思われるオブジェクトを用いて噴霧、着火することで広範囲に炎を撒き散らすことが可能。ちなみにSCP-546-JP-Aは摂氏50度以上の熱に10秒以上晒されることで生命活動を停止するため、本オブジェクトを用いた場合オブジェクト546-JP-B2の8倍以上の効率での間引きが可能だと考えられる。
メモ:酸欠のためかコロニーが全滅しかけた。でもこの液体燃料は使えるぞ。-████博士

オブジェクト546-JP-B16
回収日時:19██/██/██
概要:アリ塚の一つから摂氏8度まで冷却された空気が地下の巣全体に流入した。SCP-546-JP-Bは、寒さにより身動きのとれなくなったSCP-546-JP-Aの頭部をオブジェクト546-JP-B2で切断し、間引いていた。アリ塚を回収、分解したところ、アリ塚の内部にはアンモニアを冷媒とする冷却装置が構築されていた。アンモニアは餌の生ごみを発酵して採取したものと考えられる。また、冷却装置の各種配管は、SCP-546-Aの甲殻を体液で継ぎ接ぎして構築されていた。なお、コンプレッサーには簡易的な歯車が組み込まれており、複数のSCP-546-JP-Bが動力源となって稼働させていたと思われる。
メモ:原理的には確かに人力でも冷房は動かせるが…-████博士

オブジェクト546-JP-B22
回収日時:200█/██/██
概要:アリ塚の一つが発射され、通常ガラスであった監視窓を突き破って監視室に侵入した。アリ塚は監視室内で破裂し、研究者及び各種施設に蟻酸と複数の化学物質からなる溶剤を監視室内に噴霧した。計算によれば、発射されたアリ塚は高度6メートルにおいて、8m x 8mの領域に万遍なく蟻酸と複数化学物質からなる溶剤を十分に散布する予定だったと思われる。SCP-546-JP-Aへの被害程度は未知。
追記:本件をもって、SCP-546-JPの収容規定を一部改訂。監視窓は強化アクリルと防弾ガラスの積層のものとする。O5-█

オブジェクト546-JP-B31
回収日時:20██/██/██
概要:地表に設置された、20cm x20cm x 10cmのアリ塚に偽装された核融合炉。回収の結果、該当アリ塚は生ゴミに混入されていたアルミ箔と蟻酸を用いて生成された水素による、天然の核融合炉となっていた。ただし、発電機構や放射線防護措置は一切されておらず、稼働開始から10数分で発生させた熱によって自壊して停止した。単純に収容室の空気を加熱して、地表や浅い地中に存在するSCP-546-JP-Aを間引くのが目的だと考えられる。
メモ:回収されたのはガラス状になった土とアリと骨の塊だった。熱量からすると核反応なのは確実で、プルトニウムなどの持ち込みが不可能なことを考えると核融合だったと考えられる。-████博士

オブジェクト546-JP-B33
回収日時:20██/██/██
概要:円形に配置されていたアリ塚が発光し、アリ塚の中心からオオアリクイが出現。オオアリクイはアリ塚に襲い掛かり、およそ5分にわたってSCP-546-JP-Aの個体を捕食し続けた。オオアリクイを回収して検死したが、しばらく餌にありつけていなかったこと以外は普通のオオアリクイと変わりが無かった。
メモ:今回呼び出されたのがただのアリクイでよかった。これがもっと別のモノだったらもっと重大な収容違反が起こっていたかもしれない。本件を持って、収容方法の改訂をO5に申し出よう。-████博士
追記:特別収容プロトコルの改訂を承認する。O5-█

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