SCP-547-JP
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SCP-547-JP実体の写真。収容前に現在SCP-547-JP-Aとされている職員の誰かが撮影した物と考えられています。

アイテム番号: SCP-547-JP

オブジェクトクラス: Euclid Neutralized

特別収容プロトコル: いかなる理由があろうと、財団職員のSCP-547-JP実体への直接接触は認められていません。SCP-547-JPは現在サイト-81██の小型オブジェクト収容コンテナに収容され、SCP-547-JP-A群は現在同サイトの中型人型オブジェクト収容セルに個別収容されています。SCP-547-JPないしSCP-547-JP-Aの他サイトへの移送は現在検討中です。
SCP-547-JPは現在サイト-81██の低危険物収容ロッカーに収容されています。SCP-547-JP-Aの精神的異常性は除去されたことが確認され、通常業務に復帰しました。

説明: SCP-547-JP実体は異常認識を引き起こす紙製の立像です。その形状はほぼ一般的な紙飛行機ですが、下部に足と思われる突起が一対付いています。実体はその形状、質量バランスから、一般的な紙飛行機とは違い飛行することは困難と見られています。
SCP-547-JPの異常性は、それを直接視認した場合に発現します。視認した対象は、この実体を飛行させることに強い興味を示します。この影響は時間と共に思考の大部分を占めるようになり、最終的には「SCP-547-JPを飛ばすこと」に対する強い執着を示すようになります。この状態に陥った対象をSCP-547-JP-Aと分類します。以降、SCP-547-JP-AはSCP-547-JPを飛ばすための活動に従事するようになります。これは絶対的な強制を伴うものではなく、SCP-547-JP-Aの以前までの人格によって差異はありますが、それまで有している常識や倫理観、生理的欲求を無視することはありません。しかしSCP-547-JP-Aのそれ以外の活動に対する興味・関心は減衰し、趣味に対する興味の喪失、SCP-547-JPと関連しない事柄に対しての顕著な集中力の低下、睡眠や食事に費やす時間の減少といった影響が現れます。またSCP-547-JP-AはSCP-547-JPに関連する事柄に対し特異的な熱意をもって取り組み、それはしばしば財団にとって普遍的に有用な技術の開発1という形での結果をもたらしました。
現在SCP-547-JP-Aの人数は██人で、その全てをかつてサイト-81██に勤務していたレベル0~3、クラスB・C・Dの財団職員が占めています。よって、大多数のSCP-547-JP-Aは自身が以前に着手していた職務、特に財団で収容しているオブジェクトや要注意団体、あるいはサイト-81██自体についての豊富な知識を有しています。これは財団の収容体制に関する重大な懸念と考えられ、SCP-547-JP-A群の功績にもかかわらず、財団がSCP-547-JP-A群を有効活用しない理由でもあります。
SCP-547-JPの異常性が発見されたのは、サイト-81██の職員団体「紙飛行機を飛ばす会」の発足と、その精力的な活動がサイト内で注目されたことからでした。団体の発足当時から、構成員であった職員に対して職務の怠慢や注意力散漫などが指摘されていました。その後当団体がこれまで財団で未開発であったいくつかの新技術を開発したことが、サイト-81██上層部の関心を引きました。団体とその構成員に対して調査が入り、その過程で活動の中心であったSCP-547-JPの存在と、その異常性が確認されました。SCP-547-JPの収容時点ではSCP-547-JP-AはSCP-547-JPを直接用いた活動を自粛していたため、サイト-81██の職員への被害は最小限に抑えられていましたが、しかしSCP-547-JPの異常性に関する調査がさらなるSCP-547-JP-Aの増加、すなわちサイト-81██の人的資源という代償を伴った事は留意すべきです。


事案547-JP-3: 20██/08/██、サイト-81██でSCP-547-JPおよびSCP-547-JP-Aの収容違反が発生しました。この事案においてSCP-547-JP-A群は特筆すべき練度の連携を見せましたが、個別に収容されていたSCP-547-JP-A同士がどのようにして他のSCP-547-JP-Aと通信をしていたのか、また対策として投入された財団の機動部隊に匹敵する連携をどのようにして習得したのかは不明です。
この収容違反を受け、SCP-547-JPのサイト-81██への即時移送、SCP-547-JP-Aの禁固などを含む収容プロトコルの見直しが承認されました。しかしながらこの事案と同時に行われたSCP-547-JPとSCP-547-JP-Aとの接触において、SCP-547-JP-Aは[編集済]によるSCP-547-JPの定常安定飛行に成功しました。観測によると、SCP-547-JPはおよそ8秒間、距離にして約40m飛行し、墜落しました。それと同時に、SCP-547-JPおよびSCP-547-JP-Aから一切の異常性が消失しました。結果として、改訂された収容プロトコルが反映される前に、SCP-547-JPはNeutralizedへと再分類されました。


資料547-JP-N: SCP-547-JPが異常性を失った後、SCP-547-JP実体にはいくらかの記述がなされている事が判明しました。当該文章を含むオブジェクト全体の劣化によって判読は困難でしたが、記述は短文の集合体であり、SCP-547-JPは元々手紙の役割を持っていたと推測されています。以下は判明した文章の写しです。

おとうさんへ

おとうさんがさびしくないように、おてがみをかくといいって、おかあさんがいってました。
おとうさんがいなくなってさびしいけど、あんりはげんきだし、おかあさんもげんきだっていってます。
なのでおとうさんもげんきでいてください。
おとうさんがいるところはとってもとおいってようちえんのたなかせんせいがいってたので、
ちゃんととどくようにひこーきにします。
じゃーね、ばいばい。

あんり


事後調査547-JP: これまでSCP-547-JPの出自には疑問の残る部分が多くを占めていました。しかしながら資料547-JP-Nより、SCP-547-JPが人為的に異常性を付加された可能性が浮上し、そのため財団はSCP-547-JPの出自を再度精査しました。サイト-81██の至近に居住する一般人の母子家庭の存在が浮上し、財団はその家庭に対する追加調査を行いました。結果として、母親と子供どちらにも異常性およびその兆候は発見できず、彼女らとSCP-547-JPの異常性の間に相関は無い、あるいはごく薄いと結論付けられました。現在では、SCP-547-JPの異常性発現はごく偶発的なアクシデントであったと見られています。

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