SCP-554-JP
評価: +12+x

アイテム番号: SCP-554-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-554-JPはサイト-81██の中の収容室に冷凍保存されます。実験を行う場合使用した器具類は全て最終的に焼却処分を行い、実験を行った財団職員は実験後に検査を必ず受け、結果次第で投薬・全身の消毒による駆除措置を受けて下さい。未収容の個体・発見が確認された地域に対してはプロトコル・スムーズヘッドに基いての対応を定期的に行って下さい。

SCP-554-JP-aは防音加工を各所に施した一般的人型オブジェクト収容エリア内に収容されます。1日3食の人型実体基準の定期的な食事を与え、2週間毎のカウンセリング、財団が許可する範囲での嗜好品の要求が認められています。SCP-554-JPの飛散を防ぐ為、収容エリア内の各種警報装置の音量は通常基準よりも減少しています。現在1名が収容されています。
SCP-554-JP-bはエリア-██内で全身を拘束、顔以外の頭部を強化アクリル製カバーで覆った状態で補強した椅子に全身を固定し、機械による定期的な点滴の補充、精神安定剤の投与を行い、エリア内には定期的な薬剤の散布を行って下さい。SCP-554-JPの飛散を防ぐ為、IV期への移行が確認された場合エリア内をSCP-554-JP-bごと焼却する事で対応して下さい。現在3名が収容されています。

説明: SCP-554-JPはエキノコックス(Echinococcus granulosus)の一種、並びに寄生した人間に対して発生する一連の症状です。一般的なエキノコックスと同様の耐久力・卵胞の経口摂取により寄生しますが、イヌ科・ネコ科の哺乳類に対して感染した場合は体毛の増加以外の症状は確認されず、通常のエキノコックス同様に脾臓に寄生しながら排泄する大便内に卵胞が混入されます。
人間に対して寄生した場合、通常のエキノコックス種と異なりほぼ100%の確率で脳内にコロニーを形成します。この時コロニーの個数は調査の限りでは全てが2箇所に留まり、形成される位置は感染者の正中線に対して線対称の関係を示します。
推定1週間の潜伏期間中(ステージ0)に頭痛、立ちくらみ等の症状が発生しますが、Dクラス職員による実験では「気のせいだと思った」程度のごく弱いものである為大抵の感染者は自覚症状として認識しないものと思われます。
形成されたコロニーの位置による明らかな症状の違いから、内耳に近い位置にコロニーの形成された人間の感染者をSCP-554-JP-a、それ以外の感染者はSCP-554-JP-bと分類されます。以下はステージ毎の症状です。
 
SCP-554-JP-a:
ステージ(感染後の経過時間) 発生する症状
I期(約150時間) 内耳を通した侵入により両耳孔の内部に若干の痒みが発生、軽度の聴覚障害を覚える。
II期(約260時間) 外耳が軽度の「痺れる様な」と評される痛みと共に徐々に縮小、内耳から頭蓋骨表面を通したコロニーの移動による頭皮への痒み・蟻走感。縮小が顕著になり始めた後半に自覚症状として認識する事が多い。新たな内部器官が完成後、頭頂部側面に2つ孔が空けられる。
III期(約420時間) 完全に外耳が消失、耳孔が塞がれ、空けられた孔の周辺に新たな「耳」が形成され始める。形状はイヌ科、ネコ科等ヒト種以外の哺乳類の形状に似通ったものとなり、徐々に該当する種に似通った体毛が「耳」の表側に生え始める。聴覚の鋭敏化・位置の変化に若干の違和感を感染者は覚えるが、数日内に慣れるとされる。
IV期(約600時間) 末期。形成された「耳」の内側にSCP-554-JPのコロニーが生成される。約90デシベル以上の音を聞いた際の「耳」の反射行動により空中に、または両耳を覆った感染者の手に卵胞を飛散・付着させる。コロニー内への薬剤の直接投与により、感染者からの完全な駆除が可能。
SCP-554-JP-b:
ステージ(感染後の経過時間) 発生する症状
I期(約80時間) 増殖した個体が脳内全域に移動しながらコロニー群を形成する。ステージ0と同様、ごく軽度の頭痛、立ちくらみが継続する。
II期(約200時間) 大脳表面に複数個の小規模なコロニー形成、頭蓋骨が内側から削られる事による頭部の痒み。手を用いて掻く・頭部を洗う等の行為により、老廃物と合わせて毛根部の消失した毛髪、頭蓋骨片が落下し始める。
III期(約400時間) 消失した頭蓋骨を補う様に、脳から直接感染者の頭髪に酷似した物体をコロニーの表面から複数本露出、やがて残存していた頭蓋骨が顔を残して脱落する。感染者は他者に対して暴力的な態度を取るようになる。この時点でSCP-554-JPの駆除を行った場合、大脳部の露出により二次的な被害が発生する可能性が高い。
IV期(約400時間後不定期) 末期。両目・両耳・鼻・口等各種感覚器から出血、脳が完全に破壊されるまで頭部を振り回す・壁や床等に打ち付ける等の行動を行い、行動を阻害した場合は約15分後に心臓発作、または出血多量により死亡する。一連の動作において、頭部からSCP-554-JPの卵胞が飛散する。

SCP-554-JPは200█年6月、██県内の山中の山小屋内で発見された遺体、並びに遺体の身元である█ ██氏の自宅から発見されました。当初遺体を発見した登山客が通報、回収に携わった県警を含む3█人が感染、数日後SCP-554-JP-bとなった対象の周囲への暴力行為・IV期への突入によって合計███人の死傷者・更なるSCP-554-JP-a・bが発生した事から財団により回収、カバーストーリー「薬品成分による異常」が流布されました。
その後プロトコル・スムーズヘッドの設立により、該当する地域への薬剤の散布、カバーストーリー「清潔週間の義務化」による近隣住民への手洗いの徹底・洗体用洗剤の無償配布等からSCP-554-JPの感染者は発見当初と比べ大幅に抑制されています。
山小屋内で発見された遺体は死後約2日が経過していると予想され、通常の感染者とは異なり全身にSCP-554-JPのコロニーが合計████箇所形成されている状態でした。以下はSCP-554-JPに関連していると思われるメモの文面です。

耳成功率→4割弱
尻尾成功率→50回に1回ぐらい
人体まるごと→これからやる
結論→宝くじの1等を当てるよりは楽、やるしかねえモフモフ

█氏の住んでいた部屋内の資料・メモ類・HDD内の[検閲済]等からは「動物と人間を合成した生物の生成」を非常に激しい熱意と[検閲済]の上でSCP-554-JP作成に取り組んでいたと予想されています。

補遺: SCP-554-JP-aに分類された後、SCP-554-JPの駆除作業を終えたDクラス職員へ再度SCP-554-JPを人為的に寄生させた結果、過去のコロニー形成位置と同じ位置にコロニーを形成、以前と生成された「耳」の形状が違う以外は再度SCP-554-JP-aへと分類されました。
今結果から予め内耳近くにSCP-554-JPを寄生させる事によるSCP-554-JP-a化の誘発、SCP-554-JP-b化を抑制する研究が現在進められています。

我ながら酷い方法だ。-目里博士

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