SCP-559-JP
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アイテム番号: SCP-559-JP

オブジェクトクラス: Safe(2014/6月更新)

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2014/6/12日に撮影されたサイト-8156の正面玄関。

特別収容プロトコル: SCP-559-JPの発生を見逃さないため、発生時刻±30分の間は必ずサイト-8156の正面玄関を監視してください。発生したSCP-559-JP-1は健康診断ののち拘束し、サイト-8156内の防音環境を備えたロッカーに収容してください。
事故防止のため、17時から02時の間はサイト-8156及び周辺30キロ圏内への黄粉々原博士以外の職員の滞在は認められません。
すべてのサイト-8156で勤務する職員は遅くとも17時には職務を切り上げ帰宅してください。無関係な人間の侵入による被害を防ぐため、サイト-8156周辺には財団のフロント企業による監視体制が敷かれます。
SCP-559-JP-1の収容担当職員は、帰宅前にSCP-559-JP-1を収容ロッカーから取り出し、サイト-8156の正面玄関付近に設置してください。
現在収容されているSCP-559-JP-1の死亡が確認された場合、即座に財団により新たに発生するSCP-559-JP-1を発見するための監視網が敷かれます。発見されたSCP-559-JP-1は財団にてサイト-8156の管理責任者として雇用し、毎月SCP-559-JP名義の銀行講座に5000円を入金してください。

説明: SCP-559-JPは、現在サイト-8156の正面玄関にて毎朝発生する異常な現象の総称です。
SCP-559-JPは「回収」と「配達」のサイクルから成り、いずれも「定期購読者」の半径20キロ圏内で発生します2014/06/12現在、SCP-559-JPの効果範囲は23キロまで増加しています。次回の調査が終わり次第この文章は書き換えられます。

1.回収サイクル
毎晩20:00から遅くとも02:00にかけて、SCP-559-JPは「定期購読者」から半径20キロに存在する人間(「定期購読者」自身を含む)を無差別に一名消失させます。以下この人物をSCP-559-JP-1と呼びます。
拘束や隔離によってこの消失を阻止しようとする試みは現在まで失敗しています。
2.配達サイクル
毎朝04:00から遅くとも10:47分までの間に、消失したSCP-559-JP-1が「定期購読者」名義の家の玄関前に出現します。「定期購読者」が個人名義での生家を持たない場合単純に定期購読者の真上1mほどのところに出現します。
SCP-559-JP-1は出現した瞬間から、筆記・発声その他あらゆる手段を用いてその日の“ニュース”と称する一つの情報をひたすら表現し続けます。SCP-559-JP-1はそれ以外のあらゆる情報の伝達を行うことが出来ません。現在まで、SCP-559-JPに回収された人間を治療する試みは成功していません。
SCP-559-JP音声記録

対象: 2013/6/12日の記録。

付記: この記録は2013年度のSCP-559-JPの効果範囲測定実験の際に取られたものです。

SCP-559-JP-1: 今日のニュースです。港区の水族館で、狙撃(SCP-559-JP-1の滑舌が不明瞭。「衝撃」ではないか)を受けると核融合を起こすサボテンの展示がスタートしました。訪れた子供らがが触れると美しい黄緑色の化学反応を誘発するこちらのサボテンに対し、飼育係の[不明瞭]んさは「まるで海に浮かぶ光のツリーのようだ。また家族で来たい」と発言しました。サボテンの体重は91キロ、体調はもうすぐ1.3メートル、ママのおっぱい離れも近そうです。…今日のニュースです(以下繰り返し、繰り返し内容に問題が無いことを確認した後拘束して収容)」

対象: 2014/4/1日の記録。

付記: この日、収容してから初めてSCP-559-JP-1からと見られる通信がありました。こちらからの質問には返答されませんでした。

SCP-559-JP-1:今日のニュースです。来たる4日1月に消費税が5%から8%に改定されました。…新聞記述にもサービス料などと同様に8%の消費税がかかります。長らく財団員様にご愛顧いただき、私共と致しましても企業努力に努めてまいりましたがこれらの事態を鑑みまして新聞の月極購読料を100円値上げさせていただく所存でございます。…また、一部ごとの販売額もこれまでから3%値上げの133円とさせていただきますのでご理解のほどよろしくお願いいたします…(以下繰り返し、拘束して収容)

SCP-559-JPに「定期購読者」が存在しない場合、SCP-559-JPの「回収サイクル」の効果範囲はランダムに移動します。現在までに、最大で125人が一晩のうちに消失した事例が記録されており、この状態の時、SCP-559-JPの効果範囲内に存在する民家へとSCP-559-JP-1及び一般的な紙製の「定期購読契約書」が送られます。この「定期購読契約書」には

契約書:日刊 成人男性を毎朝定期購読します。
回収 20:00〜
配達 04:00〜

と一般的な紙とインクで印刷されています。この書類に触れた時点で、対象はその意思に関わらず「定期購読者」と認定されます。
SCP-559-JPによって「定期購読者」に認定された人間は、毎晩周囲の人間をSCP-559-JPに回収させるようになります。
毎月15日に、「定期購読者」の銀行口座から3000円が自動的に引き落とされます。2014/4/01、引き落とし額は3100円に引き上げられました。 引き落とし先の追跡は失敗しました。残高不足や口座凍結によって銀行講座から引き落としが出来なかった場合、その時点でSCP-559-JPとの「定期購読契約」は打ち切られます。

補遺-ア
SCP-559-JPは、18██/██/██に警察署潜入の財団職員によって全国各地で「毎朝やってくる不審者」の通報が聞きつけられたことによって最初に収容されました。数度の収容失敗ののち、SCP-559-JPの効果範囲が厳密に測定され、SCP-559-JPを収容するための機能を備えた施設として人々の生活区域から遠く離れた場所にサイト-8156が建設、初代収容プロトコル「茸代 キヌ代」が確立されました。

190█/██/██、収容されていたSCP-559-JP-1が老衰により死去。数日後に新潟県でSCP-559-JP-1の発生を確認。二代目収容プロトコル-「荻原 次狼」確立。

195█/██/██、回収サイクルによって問題なく回収されたSCP-559-JP-1が配達されず。回収中に死亡したと見られる。数日後に三代目収容プロトコル「生田目 天童」確立。

198█/██/██、収容されていたSCP-559-JP-1が回収サイクル前に病死。翌朝サイト-8156付近の別の収容施設にて泊り込みで研究文書の整理を行っていた黄粉々原研究員の元にSCP-559-JP-1が配達された。
調査の結果、彼の整理していた研究文書の中に何者かの手によって「定期購読契約書」が挟み込まれていたのが確認されました。その日のうちに決定が下され、新収容プロトコル「黄粉々原 蕨彦」が確立、黄粉々原研究員は永久にサイト-8156に収容されることになりました。同日、黄粉々原氏の身分は博士、およびサイト-8156管理最高責任者に格上げになりました。「定期購読者」の存在および本人名義の銀行口座の喪失はSCP-559-JPの重大な収容違反と一般人の大規模な犠牲に繋がる可能性があるため、担当職員は毎朝届けられるSCP-559-JP-1の体調を必ず確認し、問題が無いことを確かめてください。
新しく「定期購読者」及びSCP-559-JP-1が設定される場合、それに合わせて収容プロトコルを修正してください。
補遺-イ
200█/██/██、安全とされていた20キロ圏外で警備作業に当たっていた財団フロント企業の非正規雇用警備員が「回収サイクル」に巻き込まれる事案が発生しました。調査の結果、収容当時よりSCP-559-JPの効果範囲が2キロメートル増加していることが確認され、収容プロトコルは見直されました。

SCPの収容において、財団側が人的犠牲を払わねばならない場合というのは少なくない。特別収容プロトコルというのはそういうものだし、財団の人間はそれを理解して実行すべきだ。ただ……これに限っては彼に同情するよ。本当に。_SCP-559-JP担当職員

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