SCP-561-JP
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現在のSCP-561-JP。長年の放置により錆が目立つ。

アイテム番号: SCP-561-JP

オブジェクトクラス: Euclid Neutralized

特別収容プロトコル: SCP-561-JPは現在無力化されており、機関車部のみがサイト-81██の敷地内に放置されています。

※以下の説明文は196█年にNeutralized指定されるまでのものであり、当時の技術及び世相を反映した記述のままのことを留意して下さい。

説明: SCP-561-JPは、日本国有鉄道において運用されているD51型蒸気機関車に酷似した実体です。車体に付けられたプレートにより車両番号が████であることが確認されており、当該車両は1946/8/██の乗客乗員を線路上に残して忽然と消えるという超常現象の発生以降行方不明です。SCP-561-JPは通常時高度█,███~1█,███mの日本国及び琉球列島米国民政府の領空内を75-85km/hの速度で未知の手段を用いて飛行しています。客車に当たる部分は4両編成であり、同じく日本国有鉄道のオハ35形車両と同型です。3両目の客車の進行方向左側、前から2番目の対面座席に2つの人型実体(SCP-561-JP-1及びSCP-561-JP-2と呼称)が向かい合うように座っており、これ以外の動体はSCP-561-JPの機関車・客車全体において確認されていません。SCP-561-JP-1は10代後半の日本人男性、SCP-561-JP-2は7歳前後と見られる日本人女性ですが、外部からの一切の刺激に対して反応せず常に窓の外を眺めています。SCP-561-JPはSCP-561-JP-1とSCP-561-JP-2を含むその構成要素全てがレベルⅢ霊的実体(可視・物理接触不可・活動的)であり、現在財団が持つ技術での物理接触は不可能です。非物質変位無効装置(nPDN)の有効性が確認されています。

SCP-561-JPは、不定期に"天気輪の柱"イベントを発生させます。イベントは日本標準時の20:00-22:00の間に開始し、遅くとも翌日の日の出までに終了します。イベント発生時、SCP-561-JPはそれまでの軌道を斜め下に変え、速度を最大で150km/hまで上げて降下します。この時の角度は降下中常に一定であるため、降下地点は容易に計算できます。SCP-561-JPがある程度の高度まで降下すると、対象は速度を30-40km/hまで落として付近に存在する三角測量用の高覘標1(以下SCP-561-JP-Aと呼称)へ近づき、その先端部の5-15m上空を通過します。この時、通過と前後してSCP-561-JP-Aは先端部を中心に2,000-3,000cd/m2の輝度2で発光を始めます。発光原理は分光計測結果よりセントエルモの火3に似た大気プラズマ現象であることを示していますが、プラズマに実体はない上に天候に関係なく発生し、SCP-561-JP-Aを破壊しない限りイベントの終了まで発光は維持されます。一つのSCP-561-JP-Aを発光させた後も、近くに該当する構造物がある場合SCP-561-JPはそちらをSCP-561-JP-Aとして発光させます。近隣に対象となるSCP-561-JP-Aがなくなった時点で、SCP-561-JPは再び速度を最大で150km/hまで上げて上昇を開始し、一定高度に達すると通常の巡航状態に戻り"天気輪の柱"イベントは終了します。

高覘標の設置場所が主に山の頂上など人里離れた場所であることから、設置規制による"天気輪の柱"イベントの阻止は予定されていません。事案561-JP-1960/█/██を受け、"天気輪の柱"イベントを阻止する方法を模索中です。

補遺1: 1960/█/██、これまで高覘標のみで発生していたSCP-561-JP-A現象が東京タワーにおいて発生し、目撃者██,███人に対する記憶処理及びその後の大規模な情報改竄が必要となる事態が発生しました。更にこれ以降、全国の四角錐型の高圧送電用鉄塔などでもSCP-561-JP-A現象が発生するようになり、大規模な目撃事案が頻発しています。

SCP-561-JPそのものの危険度はほぼ無く、大した問題ではない。しかし、空飛ぶ機関車というまさに児童文学の世界から抜け出してきたような存在がこれほどまでに頻繁に衆目に晒される可能性があるというのは、"異常な存在を人々の目から遠ざける"という財団の理念に対する大きな脅威である。このことから、あらゆる手段を用いたSCP-561-JPの収容、あるいはそれが不可能であるならば無力化を行うこととする。 —日本支部理事 █

SCP-561-JPに対する呪術的・魔術的な手法を含むあらゆる実体化・無力化の試みは失敗に終わりました。特別収容プロトコルの改定により目撃事案の増加をある程度抑えることには成功しましたが、SCP-561-JPに割かれる人員は増え続けています。現在対象となるSCP-561-JP-Aを減らすため、フロント企業をによる送電鉄塔と電波塔の建て替えを進めていますが、目撃事案の発生頻度は増加を続けています。

補遺2: 196█/█/██、財団応用物理学部門によりnPDNが開発され、汎用的な霊的実体の物理固定が可能となりました。これを受け、"天気輪の柱"イベントで通過が予測される送電鉄塔にnPDN██基を設置するという実験を行ったところ、上空を通過した際にSCP-561-JP本体の実体化が確認されました。また、このとき実験主任である南方博士の発案で同時に設置されたカント計数器が、SCP-561-JPの通過に伴うヒューム値の変動を記録しており、何らかの現実改変が行われている可能性が浮上しました。

SCP-561-JPが現実改変能力を有していると考えた時、これまでスクラントン現実錨(SRA)の影響を受けなかった理由について一つの仮説が立てられる。現実改変によりレベルⅢ霊的実体となり、この時空上から[編集済]へと存在の位相をずらすことで、周囲の現実性へ影響すること無く[編集済]上の現実を書き換えていたというものだ。これならば現実改変の痕跡を残さず[編集済]を通して光学的影響を現実に与えることができ、SCP-561-JP-Aの発光現象も説明できる。そしてこの仮設が正しい場合、これらの現実改変はSCP-561-JP-1またはSCP-561-JP-2が引き起こしているものと考えられ、これらを単離することでSCP-561-JPを停止させることが出来ると考えられる。—南方博士

この仮説の検証のため、nPDNで実体化したSCP-561-JP-1及びSCP-561-JP-2に対するSRA暴露実験が行われました。実験による現実改変能力の無力化はSCP-561-JP本体の墜落を招く危険性があるため、ヘリコプターから吊り下げたSRAを対象に近づけることで短時間の暴露とそれによる反応の確認のみを行いました。

インシデントレポート561-JP-18 - 日付196█/██/██

██県██郡███村で発生した"天気輪の柱"イベントに伴い行われた検証実験において、SCP-561-JPが予期せず無力化しました。nPDNでSCP-561-JPを実体化させた状態でSRAを近づけた際、SCP-561-JP-2が突如消失しSCP-561-JP-1が頭を抱えはじめました。同時にSCP-561-JPは大きく蛇行しながら高度を下げ始めたため、直ちにSRAと全てのnPDNを停止させました。しかしSCP-561-JP-2が再び出現することはなく、SCP-561-JP自体の蛇行と降下は止まらず1両目の客車が付近の高圧送電用鉄塔の上部に衝突しました。この衝撃によりSCP-561-JPの機関車部と客車部の連結が外れ、機関車部は速度を落としながら軟着陸しましたが、客車部はその場に墜落しました。この結果SCP-561-JPの客車部が失われ、近隣地域において大規模な停電が発生しました。墜落した客車部の残骸の中からSCP-561-JP-1が発見されましたが心肺停止状態であり、収容サイトへの搬送中に死亡が確認されました。SCP-561-JP本体に関しては着陸後異常性を発揮することはありませんでしたが、SRAによる遮断後もある程度の浮遊能力を有していた事実を考慮し、SRAパネルで封鎖した状態で同サイトに収容しました。

SCP-561-JP-1の死体の調査とその後の捜査の結果、1946/8/██の消失事件の際の行方不明者4████氏である事が確認されました。また、SCP-561-JP-2は写真調査の結果より████氏の妹である███氏と断定されましたが、1946/8/██当時既に故人であったことが確認されています。この事実は、SCP-561-JP-1がnPDNとSRAの停止後に現実改変能力を再度発揮しなかった原因に関係がある可能性がありますが、対象が死亡したため詳細は不明です。SCP-561-JP本体はその後の調査で異常性が確認されなかったため、Neutralizedオブジェクト指定が決定しました。機関車部のみは保存し、長期的な観察が行われる予定です。

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