SCP-5681


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SCP-5681-1が映り込む直前の、SCP-5681の映像中に見られるステージ。

特別収容プロトコル:

SCP-5681はサイト-43の大容量データストレージ施設1号に保管されます。SCP-5681の視聴は、サイト管理官マッキンスの明示的な承認を得て、厳格な制限下で行う必要があります。

I/O METATRONは全てのテレビスタジオの電子通信を監視し、SCP-5681またはGOI-5889への言及が無いかを探ります。

説明:

SCP-5681はGOI-5889 (“ヴィキャンデル=ニード・テクニカル・メディア”) がスポンサーとなって配信したゲームバラエティ番組 “ゲヘナ・アーケード” のある放送回が収録されたVHSテープの指定名称です。このテープは番組販売用のパイロット版として、様々なテレビ局のエンターテインメント担当幹部職員に視聴させ、利点を売り込むことを意図して作られたものです。

SCP-5681の異常な効果は、人間がVHSテープの内容全体を一度に視聴した時のみ発現します。このような場合、対象者は番組を反復的に視聴する必要性を感じ始め、衛生習慣や食事などの活動を放棄してVHSの再生を繰り返します。

対象者が24時間SCP-5681を視聴できないように抑制されると、強迫衝動は収まります。効果が解除された時点で、異常な副作用が生じる可能性があります (認知や行動の変化など) 。

発見:
1991年7月28日、アメリカ合衆国の大手テレビ局3社に潜入していた財団エージェントらが、異常メディア回収の警報を発しました。ABC及びNBCに送付されたSCP-5681のテープは記憶処理の必要なく回収されました。残念ながら、CBSに送付されたテープはCBSエンターテインメントの社長、ジェフ・サガンスキーの手に渡りました。

サガンスキー氏はSCP-5681テープが悪戯に過ぎないと考え、補佐役を務めていた財団の潜入エージェントにVHSテープを引き渡そうとしませんでした。サガンスキー氏は幾度も執拗にSCP-5681を視聴するようになり、会議を欠席し、その日の夜は帰宅しませんでした。7月29日の01:00、機動部隊カッパ-43の隊員が動員され、ニューヨーク州ニューヨーク・シティにあるCBS本社に秘密裏に潜入しました。隊員たちはサガンスキー氏が前屈姿勢で顔面をテレビデオに押し付けているのを発見しました。画面から引き離そうとした時点で、サガンスキー氏が緊張状態に陥っていることが判明しました。当該SCP-5681実例は回収され、サガンスキー氏は治療のために空輸されました1


SCP-5681の内容:

VHSテープのオープニングで、以下の番組説明が表示される。

“ゲヘナ・アーケードは、ヴィキャンデル=ニード・テクニカル・メディアがお届けする次世代のエキサイティングなプロジェクトです。司会のジェレミー・キンケイド2と出場者3人による昔ながらのゲームバラエティ。各コーナーに個性的なミニゲームが用意されており、それぞれの出来に応じて出場者に得点が与えられます。各コーナーの終了時、得点が最も高かった出場者に賞品が授与されます。番組の最後に、各出場者の合計得点が集計され、優勝者が決定します。”


以下は第1コーナーの書き起こしである。

[SCP-5681-1がセット内に出て来る。彼は白黒チェック柄のスーツジャケット、幅広の黒いネクタイ、白い襟付きシャツ、灰色のスラックスを着用している。黄疸が進行した患者に特有の黄色みがかった皮膚で、両目からは常に黒い油質の涙が流れている。彼はカメラに向かって微笑む — 歯は血まみれで黄ばんでいる。彼は少なくとも45cmある細長いマイクを持っている。]

[SCP-5681-1が演壇の後ろに現れると、観客が拍手する。]

SCP-5681-1: 出場者たちの知恵と持久力に挑む比類なきゲームバラエティ、ゲヘナ・アーケードの記念すべき第1回放送へようこそ! ヴィキャンデル=ニード・テクニカル・メディアの素敵な方々から皆さんにお届けしております。

[出場者たちが姿を見せ、ステージ上に一列に並ぶ。キアラとケビンは興奮しているようだが、サンドラは汗をかき、眉をひそめている。]

SCP-5681-1: 3名の出場者をご紹介いたしましょう。ケビン・フィルモアくん、サンドラ・ゴンザレスくん、キアラ・バクシくんです!

[観客の軽い拍手。]

SCP-5681-1: それでは皆さん一人一人、軽い自己紹介をお願いしましょうか。

ケビン: ええっと、俺はワシントン大学に通って刑事司法の学位を-

[観客がブーイングを始める。]

SCP-5681-1: おやおや、ケネスくん、早速の減点です。幸先良くないですねぇ!

[カメラ映像が切り替わって、3つの平行な枠に分割され、それぞれに参加者の名前が表示された大きなスコアボードを映す。数匹の犬が悲しげに鼻を鳴らす音声が大音量で流れ、ケビンの名前の下の“0”が“-1”になる。]

ケビン: あの、俺ケビンです。

SCP-5681-1: そうですか。ではサンドラくん、君の番ですよ!

サンドラ: 私は今のところ無職だけど、テキサス大学で心理学の修士号を取得したばかりです。

SCP-5681-1: きっと色々と使い勝手の良い学位なんでしょうねぇ!

[観客が笑う。サンドラは再び眉をひそめ、床に視線を落とす。]

SCP-5681-1: 良し、ではキアラくん、どんどん続けていきましょう!

[キアラが話そうと口を開くが、SCP-5681-1が遮る。]

SCP-5681-1: おっといけない! 時間切れでした。ではゲーム説明に移ります!

[SCP-5681-1は出場者3名を、3つの幅広く低い台が一列に並んだステージ正面に手招きする。それぞれの台は床よりも約18cm高い。]

SCP-5681-1: [3つの台を指差す。] さて、これが我々の呼ぶところの雑学ゲームです。

[出場者3名は、身を屈めて台の1つを軽く叩いているSCP-5681-1を見つめる。SCP-5681-1は後ろに下がって微笑む。出場者3名の誰も動かない。]

SCP-5681-1: どうしました?

キアラ: 雑学ゲームって言ったよね。

SCP-5681-1: そうです! まさか高所恐怖症じゃありませんよね? [眉を吊り上げてカメラに向き直る。観客が笑う。] さぁ。台に。さっさと。乗れ。

[3名全員が足場に乗る。]

SCP-5681-1: では、観客の皆さん、いいですか、出場者を手助けしちゃいけませんよ!

[カメラが回って観客席を映すが、どの席も照らされていない。観客席に座っている数十体の人影が、全く動かないシルエットとして辛うじて判別できる。幾つかの目が暗赤色に輝き始める。]

SCP-5681-1: 素晴らしい、やはり皆さんは頼りになりますねぇ! [出場者たちに向き直る。] さてさて、ルールはいたって簡単。正解数が多ければ多いほど得点になります、答えが分かったら大きな声で発表してください。それと、足元にはご注意を! ゲーム終了前にステージに踏み込んだ人は2ポイント減点です!

[画面に重ね掛けされたLEDの数字で“03”からカウントダウンが始まり、1秒ごとにブザー音が鳴る。カウントダウンが“00”になった時点で、SCP-5681-1が出題を開始する。]

SCP-5681-1: ヴェルサイユ条約の修正第4条は何か?

[出場者3名は無言で顔を見合わせる。サンドラが露骨に肩をすくめる。30秒後、ブザー音が鳴る。]

SCP-5681-1: あぁ、残念、正解者が出ませんでした。観客の皆さーん?

[出場者たちに観客席の方向から小石が投げ付けられる。]

SCP-5681-1: 第2問!

簡潔にまとめるため、11時間の映像を省略。3

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SCP-5681の映像中に見られるスコアボード。

[SCP-5681-1は出題を続けているが、その多くは正答するために非常に詳細な歴史的・科学的な知識が求められる。出場者たちが回答できない度に、小石、砂、そして鉢植え用の土壌らしきものが投げ付けられる。この時点までに、ケビンは4ポイント、サンドラとキアラはそれぞれ11ポイントを得点している。]

SCP-5681-1: よぉし! そろそろその同点を終わりにしましょう!

[出場者たちはいずれも汚れており、露出した皮膚は小さな擦り傷に覆われている。サンドラとケビンの脚は明らかに震えている。]

ケビン: こんなんなってもゲーム続けなきゃダメっすか?

SCP-5681-1: [目を細める。] ええ、カールくん、ダメです。すぐにまた“刑事司法”学位のお勉強に戻れますので、ご心配なく。

[観客がブーイングし、ケビンだけに砂を投げ付ける。]

[ケビンは首を横に振る。]

SCP-5681-1: いきましょう! 地球上の生命の源とは何か?

サンドラ: 神様!

キアラ: 生命の発達に最適な条件が揃ったことによってタンパク質から発生した単細胞生物。

SCP-5681-1: キアラくん、不正解! サンドラくん、惜しかった! 君の勝利です!

キアラ: ねぇ待ってよ、何これバカじゃないの。

SCP-5681-1: 負け惜しみは嫌われちゃいますよ、キアラくん。

サンドラ: それで、私は何を貰えるの?

SCP-5681-1: 貰える?

サンドラ: そう。プロデューサーから、各コーナーの勝者に賞品が出るって聞いたけど?

SCP-5681-1: あー、そうでしたね。じゃあ、私の“よくできました”から得られる満足感を差し上げましょう。

サンドラ: なんか大した賞品じゃない感じ。

SCP-5681-1: [マイクを口から遠ざけながら呟く。] なぁジェリー、俺こいつ嫌いだわ。



以下は第2コーナーの書き起こしである。

[SCP-5681-1は演壇の後ろに立ち、笑顔でカメラを見ている。彼のスーツジャケットの前部は、目から滴り落ち、顔と首を伝って流れている黒い流体で汚れている。出場者3名はいずれも、各々の名前が金文字で記された青いドアの前に立っている。]

SCP-5681-1: さぁ、“死の迷宮”コーナーのお時間がやって参りました!

[出場者3名全員が様々な程度に不快感を露わにした表情でSCP-5681-1を振り返る。]

SCP-5681-1: 単なる言葉の綾です! やだなぁもう… オーケイ、皆さんにはこれから別々のドアを抜けて迷宮に入ってもらいます。向こう側で待つ私の下まで最初に辿り着いた人が賞品を獲得します!

サンドラ: 前回よりマシな賞品だといいけど。

SCP-5681-1: 聞こえてまーす!

[全員“0”にリセットされたスコアボードが映し出され、サンドラのポイントが“-1”になる。]

SCP-5681-1: [観客席に向き直る。] 私がもう仕返しする気満々なのに気付いてないようじゃありませんか、ねぇ?

[カメラ映像が観客席に切り替わる。どの席も空である。カメラは無人の観客席を3分間映し続けた後、SCP-5681-1に戻る。]

SCP-5681-1: 3-2-1、レッツゴー!

[出場者たちの前にある3枚のドアが全て開く。各出場者に撮影を続けるためのカメラが後続し、画面は三分割される。お互いの1m以内に立っていたにも拘らず、各参加者は今や一人きりになっている。]

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SCP-5681の迷宮コーナーの静止画像。

[ケビンは通路を進む。彼は最初のうち気付いていないが、通路の床は下向きに傾斜し始めている。サンドラも同じようにスタート部屋を出て、螺旋状に曲がりくねった狭い通路に出る。この通路は本来ならば彼女が退出した部屋と交差するはずだが、実際にはしていない。キアラはスタート部屋の端にあるドアを開け、上に伸びて野外に通じている梯子を見つける。彼女は梯子を上り、地平線まで伸びている木製の足場に辿り着く。キアラが見下ろすと雲しか見えず、梯子と通路は消えている。彼女は座り込み、膝を抱えて震える。三分割された映像に合わせて、SCP-5681-1が話し始める。]

SCP-5681-1: おぉ、順調なスタートを切りました。キアラくんは息をするのもやっとのようですが、そのせいで脱落しないことを願いましょうか!

[サンドラは螺旋廊下を下り続け、レンガ壁に嵌め込まれた赤いドアに辿り着く。高さは通常のドアの半分程度で、サンドラは屈んで通り抜ける必要がある。ケビンは床の傾斜が大きくなるにつれて自分が滑っていることに気付き、声が枯れるまで叫び続ける。キアラはどうにか立ち上がり、足場に沿って先に進むが、足場は徐々に細くなり始め、やがて幅1m未満になる。手すりは無い。]

SCP-5681-1: ケビケビくんが凄い勢いで驀進していますねぇ!

[ケビンは滑り続けた末に半塩水のプールに転落し、30秒間水面下に沈んでから浮上する。プールの直径は少なくとも2kmある。サンドラは少しずつ直径が狭まってゆく廊下を先へと這い進んでいる。キアラは両腕を広げてバランスを取りながら細い足場を歩き、やがて霧の中へ降りてゆく別な梯子を見つける。]

SCP-5681-1: 見てください、まだ誰も死んでません。

[ケビンは水中から浮き橋によじ登り、周囲を囲まれた石造りの廊下へ向かう。サンドラは這い進み続け、ケビンが到着した場所と同じ石材で構築された広い廊下に出る。キアラは梯子を下って霧の中へ降り、やはり同じ廊下に到着する。廊下の遠端には1枚の青いドアを照らすスポットライトがある。ドアの上で“EXIT”と記された赤い看板が点滅している。]

SCP-5681-1: [口笛を吹く。]

[同じ部屋に辿り着いた出場者3名は廊下を下り続け、次第に駆け足になり、やがてドアに向かって走り始める。ケビンが他2名を引き離してドアを開け放ち、中に飛び込む。彼がドアのすぐ外で膝を突いて倒れ込むと、ドアは自動的に閉まる。SCP-5681-1はケビンのすぐ正面で軽く拍手している。]

SCP-5681-1: ああ、おめでとうございます、トレバーくん! 君は勝ち取ったんですよ!

[スコアボードに表示されたケビンの名前の下に10ポイントが加算される。ケビンは立ち上がり、膝の埃を払う。]

ケビン: えー… まぁ、ありがとう。で、勝ち取ったって何を?

SCP-5681-1: 自分の生命をです!

[迷宮の出口の向こう側から悲鳴が聞こえる。血液と内臓がドア下の隙間から流れ込んでくる。]

ケビン: 何だよこれ?! “死の迷宮”は言葉の綾だって言ったじゃんか!

SCP-5681-1: あぁ、すみませんね、あれは言葉の綾だと言いたかったんです。だってそうでしょう。ほら、“お前の顔面に風穴を開けてやるぜ、マーク”という決め台詞はいわゆる言葉の綾です。でもそれは私が君を殺そうとしてないという意味にはならないでしょう。

[ケビンは身を屈めて叫びながら、ゆっくりとステージに膝を突いてゆく。]

SCP-5681-1: やれやれ、勝ったらワクワクするとでも思ってたんですかね。 [溜め息。] 次のコーナー入りまーす!



以下は第3コーナーの書き起こしである。

[SCP-5681-1はステージの正面に立ち、観客席の方向を向いている。拍手が45秒間続く。SCP-5681-1は両手を上げ、観客に拍手を止めるよう促すかのように振っているが、笑顔である。顔全体が目から流れ出る黒い物質に覆われており、今や空の眼窩となった両目からは常に液体が放出されている。着衣は黒い液体でずぶ濡れになっており、身動きするたびに小さな湿った音が聞こえる。]

SCP-5681-1: はいはーい、その辺で十分ですよ! いよいよ皆さんお待ちかねの最終コーナーです。出場者にご登場いただきましょう!

[ケビンが画面外から1対の腕に押し出されて映り込む。彼に続いて、血まみれではあるものの、それ以外の点では見たところ無傷のサンドラとキアラが現れる。出場者3名は全員、顔を涙で濡らし、足を前後に動かしている。]

SCP-5681-1: え、待って。君たち-

[SCP-5681-1は耳に手を当てて低い声で話し始めるが、まだ録音でも聞き取れる。]

SCP-5681-1: えっ何してんの、ジェリー? 死んだんじゃないのあいつら? [数秒の沈黙。頷く。] あぁそう、成程… 代役ね。いや俺はただ番組の評判が気になってさ、分かるっしょ? “死の迷宮”って謳ってんのに出場者が死なないってのは番宣に出した時のインパクトがいまいちなんじゃ… そっか、オーケイ。撮影後になんか考えとく。

[SCP-5681-1は出場者3名に向き直って微笑む。]

SCP-5681-1: さてさて、サンドラくんとキアラくんにはまだ勝つチャンスが残されていたようです。全てはこの最後のゲームに掛かっています!

[SCP-5681-1は笑顔のままカメラに向き直る。]

SCP-5681-1: 本日の最終ゲームは“価値はどれだけ?”です! 出場者たちは見せられた品々の価値を順番に推測し、一番近かった人が得点! 最後に獲得ポイントを集計して優勝者を発表します! さぁ、出場者の皆さん、準備は宜しいでしょうか?

ケビン: ああ、どうでもいい。

SCP-5681-1: オーケイ、コナーくん、もうちょっと元気出してもらえませんかねぇ? ゲームバラエティ番組なんですから! 女の子2人、サンドラくんとキアラくんの用意は?

キアラ: 出来るだけ早く家に帰れるなら何でもいい。

[サンドラがカメラに向かって中指を立てる。]

SCP-5681-1: 素晴らしいですねぇ、いきましょう!

[スポットライトがステージを囲む6枚のドアを照らす。ドアにはそれぞれ対応するローマ数字が記されている。カメラ映像は出場者の合計得点を表示しているスコアボードに切り替わる: ケビン - 8、サンドラ - 11、キアラ - 11。]

SCP-5681-1: じゃあ、ジョージくんに追いつくチャンスを差し上げましょう。君が最初の回答者です。

ケビン: 俺はそんな名前じゃない。

[SCP-5681-1は笑顔で頷き、ドアを身振りで指す。スポットライトが集中したドア#1が開くと、前輪2個とボンネットが欠落している錆びた自動車があるのが分かる。]

SCP-5681-1: 中古の1972年製プリムス・ダッジ! 価値はどのぐらいでしょうか、レオくん?

ケビン: えー… 100ドル?

SCP-5681-1: 女の子たちは?

サンドラ: 無価値。

キアラ: [笑う。] 150ドル。

SCP-5681-1: 金額オーバーせずに一番近かったケンダルくんにポイントが入ります!

[ケビンの得点が2ポイントアップする。]

サンドラ: ねぇ、これってただのザ・プライス・イズ-

SCP-5681-1: 黙れ。さぁ、次のドア!

簡潔にまとめるため、16分の映像を省略。

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ゲーム中に提示された“品”の1つ。堆肥としての価値があるため、8セントの価格が付いている。

[ゲームは続き、次のようなアイテムが提示される: 腐ったリンゴの芯、ダンテ・アリギエーリ著“神曲・地獄篇”のサイン入り初版本、駐車違反切符4、27インチのカラーテレビ。この時点でのスコアはケビン - 12、キアラ - 13、サンドラ - 13。]

SCP-5681-1: 熾烈な競争が続いております。果たして誰が頂点に立つのか! 最後のドア、開けてください!

[スポットライトが集中したドア#6が開き、ワシントン大学の刑事司法の学士号取得証明書があるのが分かる。記名欄には“ケビン・フィルモア”と記されている。]

ケビン: おい、何がどうなってる what in the hell ?!

サンドラ: 23,000ドル。

キアラ: 24,500ドル。

SCP-5681-1: フレッドの勝利です!

[サンドラとキアラが番組制作アシスタントらによってステージ外に誘導され、SCP-5681-1がケビンに近寄る。]

SCP-5681-1: いや全く、驚きましたよ! 今までは後れを取っていましたが、見事にやってのけましたねぇ!

ケビン: 答えてなかったんだけど。

SCP-5681-1: そこはまぁ、君が胸中密かに価値を知っていたのが重要なんですよ。君は6年間の徒労を重ねて警察学校に入り、有色人種や社会の爪弾き者扱いされているマイノリティを抑圧する手助けをするチャンスを掴んだんです。誇らしいでしょう?

ケビン: 俺は警官になる気は無-

SCP-5681-1: どうでもいい事ですよ! [カメラに向き直る。] では、本日のゲヘナ・アーケードはここまでです! 来週も同じ曜日、同じチャンネルでご視聴ください! ヴィキャンデル=ニード・テクニカル・メディアの提供でお送りいたしました、より良い明日TMのために!5

ケビン: 待てよ、賞品は何も出ないのか?

SCP-5681-1: おお、そうでした、勿論出ますとも。

[SCP-5681-1はスーツジャケットの内ポケットに手を差し入れ、1枚の紙片を取り出す。紙片はSCP-5681-1の衣服と顔を覆う黒い物質でずぶ濡れである。SCP-5681-1は紙片をケビンの胸に叩き付ける。紙片はケビンの服に貼りつく。]

SCP-5681-1: レッドロブスターの50ドル分のギフト券! おめでとうございます!

ケビン: マジかよ、聞いたこと無いけど何それ?

SCP-5681-1: おやおや、もう既に自分とは違う人たちを余所者扱いし始めたようですねぇ。可愛いじゃないですか、皆さん? ちっちゃな赤ちゃん警察官のケビンくんでちゅよ!

ケビン: あんたクズだな。

SCP-5681-1: ACAB!6 おやすみなさい、アメリカ!


更新 – 1991年10月13日: 追跡調査によって、出場者3名全員が自ら主張した通りの人物であり、番組中の体験による危害を加えられていないことが判明しました。インタビューを受けた3名は全員例外なく、撮影について思い出すことができませんでした。ケビン・フィルモアは引き続き刑事司法の学位取得を目指しています。彼は1996年5月に卒業予定です。

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