SCP-570-JP
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アイテム番号: SCP-570-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-570-JPはサイト-8141の標準人型収容室に隔離された状態で収容しています。SCP-570-JPは精神科医の所見に基づき処方された精神安定剤を提供して下さい。ゲームや書籍といった創作物の支給は禁止されています。SCP-570-JPと交流した職員は適切な記憶処理を受けて下さい。

説明: SCP-570-JPは身長175cm・体重██kg・年齢20代前半の日本人男性です。SCP-570-JPは戸籍上、服部 ██(はっとり ██)と登録されており、財団による収容以前は初鳥 ██(はつどり ██)という芸名で活動していました。

SCP-570-JPは人間と接触を行なった際、認識障害を発生させます(以下、交流。接触した人間を交流者と指定)。認識障害の範囲は単純な物理接触だけでなく、電話等の遠隔接触・SCP-570-JPが人間を視野に収める・察知しているだけの状態でも異常性を発揮する事が判明しています。
SCP-570-JPは交流時、架空の人物(以下、役)を演じます。SCP-570-JPはノンフィクションを含んだ大半の創作物の人物を演じますが、自己創作したストーリーなど自己表現を伴う演技を行うことができません。しかしSCP-570-JPの演技は、本心や事実とは異なる振る舞いそのもの、が異常性を発揮することに注意して下さい(詳細は補遺-事案570を参照)。

SCP-570-JPの演じる役はオブジェクトの意思により自由選択が可能ですが、交流者が演じる役はランダムに決定され、ストーリーを知らない状態でも、違和感や疑問を自覚せず台本通りに展開していきます。SCP-570-JPの演技中、交流に曝された人間はストーリーの登場人物として振る舞うだけでなく、SCP-570-JPを架空の人物として認識します。この認識障害はSCP-570-JPの容姿や動作に限らず、“腕が伸びる”、“魔法で炎を出現させる”等の現実では実現不可能な行為を行った際、現実に実現しているものとして認識します。認識障害の他に、交流者は決定された役によっては急激な思想変更が生じることから、ミーム的な効果を有していることが確認されています。SCP-570-JPによる全ての影響は、記憶処理を施さない限り脱することはできません。

 
補遺-事案570

事件概要: 20██年█月██日、SCP-570-JPによる収容違反が発生しました。当時、SCP-570-JPへインタビューが行われており、██博士は対象のことを「SCP-570-JP」と呼称した際、オブジェクトはその名称を否定、██博士に認識障害が発生しました。
SCP-570-JPの影響を受けた██博士は、SCPオブジェクト未指定の人間が収容室に存在している事を上層部に報告。不審人物及び収容違反発生事件として警備員が対応しましたが、警備職員が状況を把握し冷静に対処することで事件を小規模に収める事に成功しました。
今件の事件発生トリガーは、SCP-570-JPがその名称を否定することにより発生した事件だと考えられています。事件後、██博士とSCP-570-JPに接触した全ての職員には記憶処理を施しました。

事件詳細: 収容初期SCP-570-JPは創作物の演技を行うことで異常性が発揮するオブジェクトだと考えられていましたが、SCP-570-JPの認識障害は真実や本心とは異なった虚偽の振る舞いそのものが異常性の範囲に含まれることが判明しています。SCP-570-JPは対人用の演技(主に笑う・会釈する等の日常的な動作。以下、擬態)を行うことで、自身に敵意や警戒心を抱かれないように振る舞っており、擬態に曝された職員はSCP-570-JPを異常特性を有した人型オブジェクトであることを理解していたにも関わらず、『芸能人かつ俳優である初鳥 ██として取り扱っていた』ことが発覚しています。SCP-570-JPが擬態を行う理由について調査したところ、オブジェクトは重度の鬱と対人恐怖症を発症していることが判明しました。現在SCP-570-JPを抑制/制御するべく対人恐怖症の治療を行っていますが、オブジェクトは接触時に擬態を開始するため、恐怖症の治療は困難を極めています。
 
事案-570は、オブジェクトがナンバー呼びされたことを一般的な理由によって拒絶し、発生した事件なのでしょう。異常性の詳細が収容初期に判明し、最小限に抑えられたのは幸いでした。……しかし、研究員がSCP-570-JPや服部 ██ではなく初鳥 ██として接していた点が引っかかります。ところで……彼本来の性格はどのような人格をしているのでしょうか? - 芽吹博士

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