SCP-575-JP
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アイテム番号: SCP-575-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-575-JPは十分な広さを持つ牧草地に収容し、脱走防止用に高い壁と監視カメラを設置して下さい。SCP-575-JPは自然環境の中で自活出来ますが、緊急時は標準的なヒトと同等の処置を行います。全SCP-575-JP個体は収容施設への移送前に、適切な財団職員と宗教を問わず婚姻儀礼を結び、姓を財団職員側に合わせた状態を維持しなければなりません。しかし、実験と収容違反を除く時間は、夫婦別姓を許可されます。

説明: SCP-575-JPは、[編集済]の放牧地に生息する、異常な認識を持たれるコーカソイドの一族です。対象は度重なる近親交配によって内臓疾患や骨格異常が見られますが、それ以外には生物学的に完璧なヒトであり、にも関わらずヒト含む他の生物からはアルパカ(学名Vicugna pacos)と認識されます。胃内部からは未知の細菌が発見されましたが、牧草の消化吸収を助ける以外の目立った特性は見つかりませんでした。

実験記録: 以下の実験は、SCP-575-JPを人間であると看破する為に行われました。対象となるオブジェクトはSCP-575-JP-01であり、2歳前後のメスに見えます。

実験1: SCP-575-JP-01をアルパカに詳しい生物学者と接触させる。
結果: 生物学者は、対象が完璧にメスのアルパカであると断言した。

実験2: SCP-575-JP-01を通常のアルパカ2匹(4歳オス、3歳メス)と接触させる。
結果: オスのアルパカはSCP-575-JP-01と交尾を行おうとする。SCP-575-JP-01は実験室内を逃げ回る。メスのアルパカは特に関心なく実験室内で草を食んでいる。

実験3: SCP-575-JP-01の体組織を遺伝子検査にかける。
結果: 遺伝子検査の結果はそれがメスのアルパカである事を示した。また、対象の毛はアルパカの毛アレルギーを持つ財団職員に対し、強烈なくしゃみをもたらした。

実験4: SCP-575-JP-01を1.監視カメラ、2.レントゲン撮影、3.CTスキャン、4.MRI画像撮影、5.体重計にかける。
結果: 1.監視カメラは通常のアルパカの姿を映した。2.レントゲン撮影はアルパカの骨格を映した。3.CTスキャンと4.MRI画像撮影は、機材に頭部までしか入らなかったものの、通常のアルパカと同じ断面図を映した。5.体重計はそれが通常のアルパカよりも重い、88㎏である事を示した。

注記:実験環境にはなかったが、財団施設収容前のミリ波スキャナーによる全身走査図は、通常のアルパカと同じ像を映した。

実験5: SCP-575-JP-01に物品を提示し、知能および手指の操作能力を測る。提示した物品は以下の通り。1.子供向けの絵本1冊、2.知恵の輪、3、皿に乗ったビーフステーキと食器類、4.タッチペン式の携帯ゲーム機、5.A4サイズのコピー用紙1枚と鉛筆
結果: 対象は3.ビーフステーキと5.コピー用紙を踏みつけ、4.携帯ゲーム機に唾を吐いた。1.絵本と2.知恵の輪には関心を示さなかった。対象が本来人間である事を考えると、これらは意図的に無視された物と思われる。

実験6: 観察側の認識が異常性に及ぼす効果の検証。安全対策を整えた上で、SCP-575-JP-01とアルパカに対する性的倒錯があるDクラス職員を接触させる。
結果: Dクラス職員は、対象との”結婚”を申し出る。研究班の判断により、急遽財団内の教会で結婚式が執り行われた。逃げ出そうとするSCP-575-JP-01をエージェントが取り押さえ式が進行する。牧師の合図で誓いのキスが行われると、その瞬間SCP-575-JP-01は40代の白人男性に変化した。Dクラス職員は膝から崩れ落ち号泣する。実験は停止された。

補遺: SCP-575-JPの共通点は、自身の姓を”アルパカ”(Alpaca)としている事です。これは初期収容以前に変わり者の富豪が養子縁組の対象とした事で人間化したSCP-575-JP‐00事案および、収容後の財団による実験からも、何らかの重要な関わりがあると考えられます。SCP-575-JPの起源は不明ですが、SCP-575-JP-03からの聴取では、”ひいおじいさんの代から”この様な生活をしていると口伝にある、としています。更に同個体は、”草を食むのは伝統であり、よりアルパカらしい振る舞いが自分達を正しい天国へ導く”とする宗教的観念が存在する事も明らかにしました。

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