SCP-577-JP
評価: +54+x

アイテム番号: SCP-577-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-577-JPは電源コードから電力を供給されていない状態でサイト-81██内の電子ロック付き保管庫に収容してください。実験時を除いてSCP-577-JPに電力を供給することは許可されません。

追記: 現在SCP-577-JPの実験を行う際にはクリアランスレベル3以上の職員2人の承認が得られた場合のみ、月に2度までDクラス職員を用いた実験が許可されます。詳細は補遺を参照して下さい。

説明: SCP-577-JPは重さ125kg、大きさ1200 x 900 x 900mmの冷凍機内蔵型ショーケースです。SCP-577-JPは電源コードから電力を供給される事で活性化します。SCP-577-JPは活性化している場合、不規則なタイミングで原因不明の約60dBの警報ブザー(以下、SCP-577-JP-1と記載)を発生させます。この音は一般的なブザー音とは異なり、子供の泣き声、または叫び声のように聞こえる事がDクラス職員による実験で判明しています。過冷蔵や周囲の温度上昇といった正常な動作による警報の場合には異常性は発現しません。

SCP-577-JP-1は5分後自動的に停止し、その間にSCP-577-JP-1を聞いた生物(以下、暴露者と記載)はSCP-577-JPに対して攻撃的になり、暴力的な手段によってSCP-577-JP-1の発生を停止させようとします。暴露者によってSCP-577-JPに生じた損傷は異常な物理的耐久性によって現在まで確認されていません。SCP-577-JP-1の停止後、暴露者は沈静化し、その間に行っていた行動を止め何事もなかったかのように振る舞います。この時暴露者は暴行時の記憶を保持していますが、SCP-577-JPを攻撃した理由についてはいずれも「音がうるさかったから止めようと思った」といった主張を繰り返しています。

SCP-577-JPは██県のスーパーマーケット██████・██支店で起きた傷害事件を警察内部に潜入していたエージェント・██が調査中に発見しました。通報を受けたエージェント・██が現場に到着した時、現場では従業員を含めた██名がSCP-577-JPへの暴行に巻き込まれ負傷しており、発生していたSCP-577-JP-1を聞いたためエージェント・██は暴露者となりました。その後SCP-577-JPは暴動によって偶然電源コードが引き抜かれた事で非活性状態となり、沈静化したエージェント・██によって異常性が確認されました。関係者全員にはAクラス記憶処理を行い、カバーストーリー「警報装置の誤作動によるパニック」を流布し、その際に故障したという名目で修理業者に偽装した財団のエージェントによってSCP-577-JPは確保されました。

██支店の店長の証言によると、SCP-577-JPは内部の故障による動作不良の修理のため、修理業者に7日間預託していた事が判明しました。店長がインターネット上で連絡を取っていた修理業者のホームページを財団が調査した所、ページの大部分が削除されており、代わりに以下のようなメッセージが残されてありました。

諸事情により営業を終了させていただきます。
どうか私達の直した子供達を可愛がってあげて下さい。
長らくのご愛顧ありがとうございました。
ざまあみろ

補遺: SCP-577-JPの確保から2日後、エージェント・██が自分の娘である██ ██を殺害する事件が発生。警察の聴取に対する「泣き声がうるさかったから止めようと思った」と言う供述からSCP-577-JPとの関連性が疑われ、財団が調査した結果、SCP-577-JPの発見時に暴露者となった人間が、同様の動機で事件を起こしている事が明らかになりました。以下は現在確認されている暴露者が発生させた事件の一覧です。

発生した事件
エージェント・██が生後7ヶ月の娘を撲殺。殺害後警察に自首した。聴取に対して「泣き声がうるさかったから止めようと思った」と供述。
居住しているマンションの隣部屋に押し入った男性が11歳の少女を刺殺。男性は現行犯逮捕された。聴取に対して「あの子供の叫び声がうるさかったから」と供述。事件発生時、殺害された少女の一家はホラー映画を鑑賞していた。
██県の公園で遊んでいた8歳の少年を女性が持っていたイヤホンのコードで首を絞めて殺害。その後他の子供を同様に殺害しようとした所、通報を聞いて駆けつけた警察官に現行犯逮捕された。聴取に対して「子供達の笑い声がうるさかった」と供述。
SCP-577-JPが発見されたスーパーマーケットの従業員█名が営業中、ベビーカーに乗っていた2歳の少女とレジに並んでいた6歳の少年に暴行し、少女を庇った母親が全治2ヶ月の重傷を負い、少年は顔面を[削除済み]。その後SCP-577-JPの暴露者で無かった他の従業員と客に取り押さえられ、駆けつけた警察官に現行犯逮捕された。聴取に対して全員が「子供の泣き声がうるさかったから」と供述している。

以上の事件とDクラス職員を用いた実験から、暴露者はSCP-577-JPに対してだけでなく、暴露者が「子供」と認識している人間が発生させた60dB以上の声によって攻撃的になる事が判明しました。この影響は記憶処理によって消去されません。この事から暴露者となったDクラス職員が予期せぬ事態に出る危険性を考慮し、実験後暴露者となったDクラス職員には終了処置がとられました。実験後の終了処置及び再雇用の費用の増加が懸念されるため、SCP-577-JPの実験に関して大幅な改定が行われています。

特に指定がない限り、このサイトのすべてのコンテンツはクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス の元で利用可能です。