SCP-5791
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アイテム番号: SCP-5791

オブジェクトクラス: Neutralized

特別収容プロトコル: サイト-201の生物災害棟03にSCP-5791の残骸が保管されています。その出現地点周辺での事案は不安定な地形による建設機械の転倒、ベルモント・ハウスが被った損傷は建物の構造不良として説明されています。どちらかの出来事を目撃した全ての人物には記憶処理が施されました。

説明: SCP-5791はカナダ国オンタリオ州トロント、ノースヨーク・シティセンターの建設現場に発生した有機的な開口部でした。2019/06/30の20:02、建設現場の地面が崩落し、ヒトの喉頭と気管に似た幅9mの構造物が、未知の深さまで下に延びているのを明らかにしました。作業員はいずれも負傷せず、全ての設備は無傷でした。“どデカい痙攣するケツの穴”に関するパニック状態の通報が傍受され、財団職員が派遣されました1

現場に到着した財団のスペシャリストは、問題の異常実体が激しく痙攣し、エアロゾル化した血液と非有機的な粉塵から成る煙を空中に放出しているのを目撃しました。生物災害の発生を懸念したスペシャリストたちは、現場から全ての作業員を避難させ、感染媒介の拡散を防止するための増援を呼ぶ準備を始めました。これは、SCP-5791が苦痛を示す不規則な呻き声で喘ぐのが聞こえた時に中断されました。この音は人間の発話時に生じるものと一致しましたが、SCP-5791には完全な声道が欠如していたため、解釈可能な声になりませんでした。この時、くぐもった機械の作動音2と、何者かが付近で会話する声が、不明な場所から発生していました。

間もなく、SCP-5791は建設現場全体を不安定化するほどの勢いで痙攣しました。伸縮ブームの破損によってクレーンが正面入口に倒れ込み、現場の基礎に亀裂が入って周辺領域が下方に沈み込み、SCP-5791を中心とする陥没穴が形成されました。煙はこの間も放出され続けており、地面が滑りやすい粘膜で覆われたために、陥没穴からの脱出は不可能になりました。作業員の1人、シルヴェーヌ・ベルガーは身を守るためにロードローラーに乗り込みましたが、その下の地面が崩落し、ロードローラーごとSCP-5791の内部へと転がり落ちました。増援が要請されました。

20:45、痙攣は収まりました。SCP-5791の内部に沿って複数の裂傷が形成され、開口部は内側に向かって崩れました。土砂と瓦礫が急速に流出し、SCP-5791は埋没しました3。その後間もなく、老人ホーム“ベルモント・ハウス”からの緊急通報が傍受されました。通報者は、入居者の身体の中からロードローラーが出現したと主張しました。

問題の入居者は退職した重機オペレーターのコスタ・ウォーカーであり、胴体の左側から車両が飛び出した結果、遺体の内臓は横方向に露出していました。ウォーカーを監督していた介護スタッフ2名が死亡し、ロードローラーは壁を突き破って残骸を撒き散らしながら老人ホームの中庭で停止しました。ロードローラー自体は激突による構造損傷を被っていましたが、搭乗していたベルガーは胸部骨折と腕の負傷のみで生還しました4

SCP-5791から聞こえた背景会話は死亡した介護スタッフ2名の声であり、機械の作動音はウォーカーの人工呼吸器だったと推定されます。退職する前、ウォーカーは建設現場で繰り返し粉塵を吸入したために珪肺症を発症していました。

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