SCP-5801

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SCP-5801-1実体。

アイテム番号: SCP-5801

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-5801は財団によって買収され、私有地として指定されています。SCP-5801の指定危険区域に到達した民間人は、記憶処理を施され、配備されている警備員によって場所を移されます。SCP-5801-1への実験及びインタビューは、SCP-5801を取り囲む障壁の外側で行ってください。

説明: SCP-5801はアラスカ州ノームに存在する某地です。SCP-5801の周囲には、未知の透過性物質で構成された障壁が存在しています。障壁は高さ7mで、直径22.4mの領域を取り囲んでいます。SCP-5801-1実体及び職員が障壁を通り抜けることは不可能です。

SCP-5801内にはSCP-5801-1実体群が存在しています。SCP-5801-1実体は球形の雪塊3個で構成された知性体で、体肢にあたる部分に木の枝が取り付けられています。SCP-5801-1の顔立ちを形成する素材は多様ですが、小枝、葉、ベリー、野菜、岩等が素材として記録されています。SCP-5801-1実体はそれぞれ会話能力及び移動能力を持ち合わせており、定期的にSCP-5801-1同士で会話を行う様子が確認されています。

SCP-5801-1実体とのインタビューによると、SCP-5801は故人のための死後の世界であり、SCP-5801-1は何らかの儀式的プロセスを経て形成された故人の彫像であるとされています。新たなSCP-5801-1が発生していないことを鑑みるに、現在当プロセスは行われていないものとみられています1

補遺 5801-01:インタビュー記録: 以下は、SCP-5801-1のうち、SCP-5801-1-Aと指定された実体へのインタビュー記録です。インタビューはモリシー研究員によって実施されました。

SCP-5801-1-Aは障壁の近くをぎこちなく歩いている。SCP-5801-1-Aの顔のパーツは、全てがブルーベリーで構成されており、体長はおよそ1.8mである。モリシー研究員は障壁の外側に立っている。

モリシー: あの、あーちょっと良いでしょうか?

SCP-5801-1-A: なんだい?

モリシー: こんにちは、私はモリシーと申します。SCP財団に勤務する研究員です。もしかするとこの辺りで我々のチームを何度か見かけたかもしれないですね。お時間があれば、あなたにいくつか質問したいのですが。

SCP-5801-1-A: ああうん、構わないよ。どうせこんなとこには忙しい用事なんてそれほど無いからね。

モリシー: 分かりました。まずはあなたのファーストネームを教えてもらえますか?

SCP-5801-1-A: いいよ、ピートだ。

モリシー: オーケー、ピート。ここに来る前のことについて思い出せますか?

SCP-5801-1-A: ありがたいことにな。

SCP-5801-1-Aは含み笑いを浮かべる。

SCP-5801-1-A: 俺は農家だった。小さな酪農会社を経営していた。かなり小さいが農場も持っていた。そこを家族と一緒に経営していたんだ。

モリシー: 家族の誰かがあなたをここへ連れてきたのですか?

SCP-5801-1-A: あいにくだが、それについては言えないな。

モリシー: それはどうしてですか?

SCP-5801-1-A: あんたらがここを監視していることをやつらは知っている。んでもって俺は、やつらのことを誰かに喋ったら「氷結地獄」に送るってやつらに言われてる。これが何を意味するかって?あんたなら分かんだろ。

モリシー: ふむ、分かりました。ならば、あなたをここに連れてきた儀式について話せることはありますか?

SCP-5801-1-A: あー、儀式について教えたら罰を受けるなんて話は聞いたことねえな。なら、覚えていることをあんたに言っても大丈夫か。死ぬ間際のことだが、俺はやつらに言われたんだ。「心から死を恐れ、人生を凍りつかせることを強く望むと宣言する」か、それに沿った内容を言えってな。それから、やつらは魔導書を開いてよくわからん呪文を唱えた。その次に、やつらから「体が大量の雪に埋まることになる」とか言われた。その時「氷の中に存在が閉じ込められた」ような、そんな感じがした。

モリシー: 実際、あなたは死ぬのが怖かったのですか?

SCP-5801-1-A: そりゃそうだろ、あんた。当然だ。俺は神の存在なんて全く信じてなかったから、来世にも期待なんてしてなかった。死んだら意識と感覚が無くなるもんだと考えていた。俺は死ぬのが怖かった。やつらが現れるまではな。もちろん、やつらとどうやって会ったかあんたらに教えることは恐らくできねえ。だから、俺からはここまでにさせてもらう。今、俺はここにいる。まだ意識もはっきりしてる。それについてどう考えるべきかは、俺にはまだわからない。

モリシー: 分かりました、お時間いただきありがとうございます。

SCP-5801-1-A: ああ、気にしないでくれよ、あんた。さっきも言ったが、ここではやることなんてあんまないんだ。だから、この時間は有意義なものだったよ。

記録終了

補遺 5801-02: インタビュー記録 2: 以下は、SCP-5801-1のうち、SCP-5801-1-Bと指定された実体へのインタビュー記録です。インタビューはモリシー研究員によって実施されました。

SCP-5801-1-Bは障壁の近くにいる。SCP-5801-1-Bは、2つの石でできた目、ニンジンの鼻、ブルーベリーで作られた口を持つ。SCP-5801-1-Bの体長はおよそ1.2mである。

モリシー: やあ、そこの君、体の小さな君!

SCP-5801-1-Bは辺りを見渡す。

SCP-5801-1-B: あ、こんにちは!あなたは研究をしているおにいさん?

モリシー: (小さく笑いながら) ああ、そうだよ。

SCP-5801-1-B: かっこいい!

モリシー: (小さく笑いながら) ありがとう。いくつか質問しても良いかな?

SCP-5801-1-B: もちろん!これっておにいさんの研究の手助けになるの?

モリシー: ああ、間違いない。

SCP-5801-1-B: やった!いつでも質問して。

モリシー: よし、分かった。君の名前は?

SCP-5801-1-B: 僕はティモシー、ティミーでも良いよ!

モリシー: いい名前だね!じゃあ、ティミー、君がこの場所にどうやって来たか知りたいんだ。

SCP-5801-1-B: えっとね、僕は脳腫瘍ってやつになってたんだ。僕のパパとママは僕に死んでほしくないって思ってたの。だから、パパとママはボクのことをある人のところに連れてってくれて、その人の名前は-

SCP-5801-1-Bが言い終える前に、顔のパーツが滑り落ち始める。

SCP-5801-1-B: 待って、ごめんなさい!あの人たちに言うつもりじゃなかったんだよ、違うって!

SCP-5801-1-Bの頭部が反転する。

SCP-5801-1-B: やめて、お願い!ママ、ママ…

SCP-5801-1-Bの体が解け始め、崩れて水混じりの雪の塊となる。水混じりの雪は解けて水となる。人間のものと類似した心臓が水たまりの中央に取り残される。付近にいたSCP-5801-1は、この光景を目の当たりにして、恐怖と悲しみの入り混じった反応を示す。

モリシー: ああ、なんということだ。

記録終了

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