SCP-5865


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アイテム番号: SCP-5865

オブジェクトクラス: Thaumiel

特別収容プロトコル: ミーティング・ポイント協定に則り、SCP-5865の収容は標準的な多元宇宙部門外交に限られています。指定された宇宙間外交要員のみが、Dクラス職員の取得以外の理由でSCP-5865に入ることを許可されています。如何なる状況においても、財団職員が5865-地球の組織構造に変化を及ぼそうとすることは認められません。SCP-5865-Aによる財団職員への憑依はミーティング・ポイント協定違反と見做され、自動的な終了処分の対象となります。

担当職員は、補足文書5865-Aで取得プロトコルの詳細を閲覧可能です。

説明: SCP-5865は標準的な財団の実験に用いられるほぼ全てのDクラス職員の供給源、宇宙D-4594Aの指定名称です。SCP-5865は1943年に発見され、現在の活用法は1945年のO5評議会指令で定められました。これ以前の財団は専ら死刑囚を実験に利用していましたが、度重なるセキュリティ違反や、産業社会において秘密裏に受刑者を用いた実験を行うのは非現実的だと判断されたことから、この方針は廃止されました。SCP-5865との接触後、超次元的な解決策が多元宇宙部門によって考案されました。

SCP-5865内に存在する平行地球は、1934年10月にSCP-5865-Aが出現し、人類を征服するまではベースライン現実と同一の歴史を辿っていました。SCP-5865-Aは非物理的な異常実体であり、あらゆる知的生命体の精神を侵食・制御する能力を有しているようです1。SCP-5865-Aは被害者の精神を統制するレベルを自由に選択可能であり、人格や記憶を“書き換える”ことさえもできます。この能力は70年以上にわたって、ベースライン財団にDクラス職員を安定供給するために利用されています。現在、Dクラス職員の95%はSCP-5865の出身です。

未知の理由によって、SCP-5865-Aは次元間を移動できないと主張しており、従って財団へ移送される全ての被害者を制御下から解放します。SCP-5865-Aが及ぼした認知の変更は、既知のどの記憶処理治療によっても不可逆です。

SCP-5865-地球の行政区域:

5865-地球に到着し、12時間未満で侵略を完了してから間もなく、SCP-5865-Aは既存の国家を解体して、地球を3種類の行政区域に分割しました。これらの区域は財団によって各々の役割ごとに命名されています。SCP-5865-Aの言語が解明されていないため、実際の指定名称は不明です。

実験区域 (アメリカ大陸、アイスランド、グリーンランド): SCP-5865-Aが人間に対する実験及びシミュレーションの実施に利用しています。実験内容は単純なもの (完全に家母長制家族のみで構成された社会) から非常に有害なもの (人間集団に非標準的な食物を長期間摂取させて生理的反応を研究する) まで様々です。これらの虐待にも拘らず、実験区域の住民は、他2つの区域の住民に比べて遥かに質の高い生活を送っています。取得プロトコルを介して入手したDクラス職員はほぼ全て実験区域の住民です。

労働区域 (ヨーロッパ及びアフリカ大陸): SCP-5865-Aが地球の天然資源開発に利用しています。この区域の人間には最低限の住宅設備のみが与えられ、休息はほとんど許可されていません。財団は労働区域の死亡率を70%以上と推計しています。

収穫区域 (その他の地域): この区域に関する情報の開示はO5評議会と現在のSCP-5865プロジェクト主任に制限されます。

補遺: 倫理委員会審査: 1973年、財団倫理委員会はSCP-5865の収容プロトコルと、SCP-5865-Aとの間に交わされたミーティング・ポイント協定を審査しました。委員会は以下の理由を基に、SCP-5865を介したDクラス職員の取得は許容範囲であり、無期限に継続されるべきだと合意しました。

  • 財団は5865-地球に進出し、人類を解放するための技術やリソースを有していない。如何なる試みも財団に被害が及ぶだけであり、SCP-5865-Aの犠牲者たちの助けにはならない。
  • SCP-5865-Aの“次元間移動が不可能である”という主張は虚偽の可能性がある。その場合、SCP-5865-Aを5865-地球から排除する試みは、彼らによるベースライン現実の侵略を誘発すると思われる。
  • Dクラス被験者の生活環境は実験区域の住民よりも遥かに良好である。
  • 必要量のDクラス職員を現行の方針よりも倫理的に取得する現実的な手段が無い。

第2次倫理委員会審査は、ミーティング・ポイント協定の1987年度改定によって実験区域から多数の実験区域住民が輸入された結果、生き残ったDクラス職員を毎月終了する必要が生じたために行われました。この際も第1次審査と同じ結論となり、倫理委員会の投票結果は取得プロトコルの継続的実施を支持しました。

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