SCP-595-JP
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SCP-595-JP-1

アイテム番号: SCP-595-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-595-JPの発生地帯は標準地域隔離手順に従って封鎖されています。「私有地であり立入り禁止」とのカバーストーリーを適用してください。再出現イベント発生時期には無人調査機を常にSCP-595-JP発生地帯全域に巡回させ、再出現した対象に対して速やかな回収を行ってください。

説明: SCP-595-JPは██県██郡の山岳地帯で発生する異常な幻覚現象です。発生地帯は██km²に及びます。

SCP-595-JPは発生地帯の気温がおよそ-5℃以下の状態で、降雪または積雪している時発生します。この条件下において、SCP-595-JP発生地帯では、様々な種類の焚き火のような実体(SCP-595-JP-1)が観測されます。SCP-595-JP-1が自然に鎮火することはありませんが、人為的な消火は可能です。また、SCP-595-JP-1はSCP-595-JP発生地域内に自生している樹木へ引火することはありません。SCP-595-JP-1を発生地帯外へ移動する試みは、SCP-595-JP-1が完全に消失する結果に終わりました。

人間(以下、対象)がSCP-595-JP-1から5m以内に近づくと、SCP-595-JP-1及び対象、その装備品は消失します。対象に発信機を取り付けた所、位置情報は消失せずSCP-595-JP-1の存在した地点を示し続けました。その他のあらゆる通信機器は消失せずに残存します。

消失したSCP-595-JP-1及び対象は、気温が上昇して10℃前後になる時期(発生地帯においては通常3月下旬~4月上旬)に再出現します。気温は必要条件に過ぎず、再出現はランダムか更なる未判明の発生条件が存在するものと見られています。財団の行った実験では最長で27年間、対象が消失したままです。

再出現時のSCP-595-JP-1は燃え尽きています。対象は消失以前の装備に関わらず全裸であり、低体温症、栄養失調、重度の凍傷によって非常に衰弱しています。また、通常の凍死とは異なる特徴として、対象の皮下脂肪組織は異常に肥大した状態で壊死しており、皮膚を破壊して外部へ露出しています。発生地帯内の肉食動物は直ちに対象を捕食するための行動に移ります。一般的に、再出現後3分以内の適切な治療処置無しでは対象は生存できず、30分以内の保護無しでは死体を保存できません。また、治療に成功しても対象の精神状態は恒久的に極めて不安定であり、現在まで得られた情報は対象の低温に対する純粋な恐怖心のみです。

SCP-595-JPは19██年まで冬季登山の名所として知られていましたが、その遭難率の高さが財団に知られる所となり、消失イベントが観測されたことで収容へと至りました。現在、███名の対象が消失状態であり、今後再出現すると考えられています。

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実験時のSCP-595-JP発生地帯

実験記録595-JP-い

対象: D-77685

実施方法: Dクラス職員に防寒具及び携帯食糧を装備させた上でSCP-595-JPに暴露させる。記録、通信機器が残存したことを踏まえ、筆記用具とメモ帳で記録を命令する。再出現地点周辺に簡易観測基地を設置して24時間体制で再出現に備え、再出現した対象は直ちに回収、治療した上で、可能であればインタビューを行う。

結果: D-77685及びSCP-595-JP-1は問題なく消失したが、2年1ヶ月後に気温が氷点下であるにも関わらず再出現。この特異性の変化は内部に記録手段を持ち込んだことによると考えられ、実証実験を申請中。最大限の治療を施したものの、インタビューが可能な状態ではなかったため終了した。メモ帳はSCP-595-JP-1内で焼失しており、判読不能状態にあった。D-77685の口腔内より文章が記述されたメモ帳の一部と思われる紙片が発見され、筆跡はD-77685のものと断定。紙片に記述された文章は以下の通り。
 
 

 
生きろ 春を待て 外はある
 

 

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