SCP-608
評価: -5+x

アイテム番号: SCP-608

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-608は研究の対象となっていない間は、常に真空チャンバーの中へ置かれます。オブジェクトは磁気浮上によってチャンバーの中心に浮遊させてください。これらの措置が失敗した場合には必須でない職員に対してクラス3退避処置を実施し、可能な限り迅速に収容措置を復旧します。封じ込め違反が1時間以上継続した場合、収容に関係していない職員に対してクラス4退避処置が実施されます。いかなる理由であれ超過加圧が発生した場合には、クラス5退避処置を即座に行わなければなりません。

説明: SCP-608は1本の銀色のティンセルで、異常なほどふわふわした外観をしています。しかし環境に依存して、オブジェクトは崩壊していく粒子による「発光」に取り巻かれています。これと接触したいかなる物体もゆっくりと分解を始めますが、接触が無くなると即座に過程は停止します。接触と同時にの時、発光はその強さを増します。顕微鏡、レーダー、ソナー、MRIやその他の知られている検査技術による観察では、オブジェクトが「ぼやけた」ような外見であり、容易に境界線を定めることができないという点以上のことについては分かりませんでした。むしろ、その外見は遠ざかるほどに消失していくようなものです。このため、物体を崩壊させていく性質と合わせて、財団は初期にこのオブジェクトをEuclidに誤分類していました。

しかしながら最近の調査では、このオブジェクトの性質は[編集済]状態であること、より簡単にいえばその存在がフラクタルであることに起因していることが判明しました。平たく言うと、オブジェクトは潜在的に、放射状に広がりながら徐々に小さくなっていく無限の数の「枝」を持っており、ミクロ的な観測とマクロ的な観測が似ている、あるいは同等の結果をもたらします。崩壊作用は、分子や原子のレベルにおいて、単一のフィラメントや細かな「枝」が物質の中を横切るために起こります。詳細は補遺608-1を参照して下さい。

発見: SCP-608は19██年の発光するティンセルに関する報告の後に、初めて財団の注目を集めました。重要である可能性は低いと考えられたものの、オブジェクトは探索されました。不運にも当時それを保管していた家が不明な理由により倒壊し、オブジェクトの上に大量の物体が重なる結果となりました。この作用により、[編集済]に比肩するほどの██ ████トンの爆発力と非常に多量のアルファ、ベータ、ガンマ、[編集済]放射線が発生しました。[編集済]の発生地の中に生存者は見つかりませんでしたが、オブジェクトは無傷に見える状態で残っていました。

研究可能性: 現在、研究チームはオブジェクトに対して、未知のより基礎的な粒子を発見する期待のもとに微粒子ビームを当てる許可を待っています。特に、オブジェクトのレーザーを阻害する能力は推測の源となっており、もしそのような研究が許可されれば高い優先度となるでしょう。

補遺608-1: オブジェクトの正確な性質が確定すると、即座にそれは真空チャンバーに収容されました。その後解析のためにサンプルを収集する試みが行われました。結果は以下の通りです。

日付: ██-██-20██
器具: スチール製はさみ
結果: はさみの刃は崩壊し、目に見える影響はありません。

日付: ██-██-20██
器具: バナジウム加工したスチール製のこぎり
結果: のこぎりの刃は崩壊し、目に見える影響はありません。

日付: ██-██-20██
器具: 100kWレーザー
結果: 発光がはっきりと強さを増しましたが、損傷はありません。

日付: ██-██-20██
器具: SCP-███-██で造られた刃を持つ電動丸鋸
結果: 器具が約1mの距離に接近した時点で発光が強さを増しました。器具が500mmに近づくと、アルファおよびベータ粒子の両方が顕著な増加を見せました。実験を行う前に必須でない職員の退避が行われました。実験許可が降りると、感度の高いものから監視デバイスは動作を停止し始めました。最大で30マイル以内にいた人が不安感を感じ、これは恐らく[編集済]粒子のためであると考えられています。オブジェクトが器具の100mm以内に入った時点でこれ以上のデータは得られなくなりました。サイトの事後調査では、全ての有機素材が[データ削除済]、ダイアモンドのような巨大分子とともに発見されました。極めて高密度なSCP-███-██が原子レベル以下の連鎖反応により破壊されたという仮説が立てられています。爆発点から離れた場所でのデータの復旧が進行中です。

補遺608-2: ██-██-20██、オブジェクトの組成を調べるために干渉分光器が使用されました。実験結果は銀、白金に加え超重元素を含むポリマーの存在を示唆しています。これらの物質が観測可能なオブジェクトの幅の中に圧縮されるメカニズムは現在までに判明しておらず、研究が進行中です。1つの説は、本体にのみそれらの物質が含まれており、マイクロファイバーの部分は完全に別の物質であるというものです。

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