SCP-614-JP
評価: +7+x

アイテム番号: SCP-614-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-614-JPはサイト-8109、第二実験棟二階の低脅威度オブジェクト保管室423号ロッカーに収容されています。実験時を除き、電源から隔離した状態を維持してください。SCP-614-JP-1は同保管室424号ロッカー内に安置されています。経年劣化および破損を防ぐため、標準的なVHSビデオテープの長期保存に適したものと同じ環境および方法で取り扱ってください。実験時を除き、SCP-614-JPやその他の映像再生機器に挿入しないでください。

説明: SCP-614-JPは1978年に日立製作所が発売したVHSビデオテープレコーダ内蔵型テレビ受像機に一致する外見を有しています。また、特異性を除き同モデルと同様の機能を有しています。製造番号は日立製作所の製造記録と矛盾しませんが、内部には未知の機構が取り付けられていることが判明しています。

SCP-614-JPはそのビデオテープレコーダ機能を用いてVHSビデオテープを再生している際に活性化します。SCP-614-JPが活性状態にあるとき、画面が存在している部分を通じて、画面に接触することなく筐体内に身体を挿入することが可能になります。これを行った人物は、SCP-614-JPが再生している映像が撮影された時点と場所を再現した空間(以下、映像空間)に転移します1。映像空間は基準世界とは異なる次元に存在する異空間と考えられており、機器を用いた追跡は全て失敗しています。一方、映像空間内では随意的に行動が可能であり、その場に存在する物品や個人に対して基準世界で行うのと同様に接触や対話を行うことができます。また、自らの意志により任意のタイミングで基準世界に帰還することができます2。このとき、映像空間内から物品等を持ち出す方法は発見されていません。ビデオテープが最後まで再生された後に基準世界への帰還が成功した例はありません。

映像空間への進入実験のログは、画面を撮影して得られた映像記録、進入したDクラス職員が装備していた各記録機器のデータおよびその証言の書き起こしの形で第三資料室W1区画-002棚に格納されています。本報告書にはそれらから抜粋する形で複数の実験記録を記述します。

実験記録

実験1
被験者: D-81105
実験手順: 対象はサイト-8109、中央実験棟、C-105室で撮影された映像。D-81250が室内に配置されている以外、特筆事項なし。映像再生中にD-81105に指示し、映像内に進入させた。進入後は、D-81250と自由に会話をするよう指示。
結果: D-81105は筐体内に進入すると同時に映像内のC-105室に出現。指示通りD-81250と自由に会話を行った後、基準世界に帰還した。SCP-614-JPが表示していた映像、D-81105が装備していた記録機器およびD-81105の証言は一切の矛盾がなかった。一方、D-81250にインタビューを行ったところ、「撮影中は一言も声を発しておらず、D-81105とも会っていない」との証言を得た。

実験2
被験者: D-81105
実験手順: 実験1と同様の手順に加え、D-81105が映像空間内にいる間、ビデオテープの早送り、巻き戻し、停止の操作をそれぞれ行った。
結果: D-81105およびD-81250が上述の操作に従った動きをしているのが画面上で観測された。巻き戻し後の再生においては、巻き戻しを行う前と会話内容や両者の身振り等に変化はなかった。一方で、D-81105は「早送りや巻き戻しに該当する動作はしておらず、ただ普通にD-81250と会話していただけ」であると証言。装備させていた記録機器のデータもこれに矛盾しなかった。

実験3
被験者: D-81105、D-81341
実験手順: 実験1と同様の手順に加え、D-81105を映像空間内に進入させた後、D-81341を同じ映像空間内に進入させる。
結果: SCP-614-JPの画面上には三名のDクラス職員が同時に映し出されていたにもかかわらず、D-81105、D-81341の証言は「D-81250とは接触したが、互いとは接触していない」に一致。D-81250の像および音声は二重に出力された。

補遺: SCP-614-JP-1は2011年8月にSCP-614-JPを確保した際、そのビデオデッキ部分に再生が終了した状態で挿入されていたVHSビデオテープです。これ自身に異常性は発見されていませんが、SCP-614-JPに深く関わりがあることが予想されることから、便宜上のナンバリングが行われています。
SCP-614-JP-1に記録されている映像は、映っている二名の人物3が対話を行うという内容に終始します。対話は、斎藤博士が概ね一方的に「なかなか見舞いに来れなかった」ことを謝罪し、「どうしても会いたくなったので、無理をして会いに来た」などと語りかけるものが大半を占めます。映像が撮影されたのは2006年10月の財団管轄下にある病院の集中治療室であることが判明しています。礼子氏は撮影の二ヶ月後に急死しており、やむを得ず映像空間内でインタビューを行いましたが、SCP-614-JPに関する有用な情報は得られていません。また、当該インタビューの際およびその後の複数回にわたる進入実験において、映像空間内に斎藤博士は発見されていません。上記の会話内容ならびにSCP-614-JP発見時の状況から、斎藤博士が同オブジェクトの起源に関する重大な情報を有している可能性に鑑み、インタビューを行う方法の開発に向けた取り組みが進行中です。




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