SCP-632
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SCP-632の成熟した実体。

アイテム番号: SCP-632

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-632の1つのコロニーが、現在サイト-52の生物収容棟において20×40×20センチメートルの密封された容器に保管されています。容器側面の減圧投入口を通じて、十分な量の餌昆虫と水が毎週投与されなければなりません。SCP-632の生体サンプル、死体サンプルの双方は、呼吸装置付きの全身防護服を着用した職員によって取り扱われなければなりません。SCP-632との皮膚接触は絶対に避けてください。

頭痛、皮膚にクモの網が張られる感覚、クモに関する侵入的想起を報告した職員は、SCP-632の感染を判断するためにMRIスキャンを受けなければなりません。罹患者は後期段階の発症前に鎮静して拘束し、新たに発生した全てのSCP-632実体は外科的に除去してください。

野生下にある未収容のSCP-632実体は発見され次第破壊されます。

説明: SCP-632は異常な手段によって繁殖を行うクモの一種です。成熟した実体は全長10-15ミリメートルで、高度な社会性を持ち500個体程度からなるコロニーを形成します。実体の外骨格は石灰化した脂質に似ていますが、内部構造のほぼ全体は分化したヒト脳組織からなります。SCP-632はクモ類としては珍しく、雌雄の形態にほとんど差がありません。生殖器官は痕跡的なものにすぎず、これはその生殖方法が理由となっているようです。

SCP-632はヒトの宿主を一連の感覚的刺激に曝露することで繁殖します。これらの刺激には、SCP-632の腹部の模様の視覚的パターン、SCP-632が皮膚を這うことによる触感、成熟したSCP-632が放出する複数の未同定化合物が含まれます。

SCP-632の全ての感覚的刺激を受けてから2-3時間後、罹患者は軽い頭痛、皮膚上にクモの網が存在する感覚、クモについての侵入的想起が繰り返し発生する状態を経験します。この段階でのMRIスキャンでは、感染者の前頭皮質において長さ2-3センチメートルの小さなフィラメント様構造が数百本形成されていることが明らかとなります。細胞分化のメカニズムは未だ不明ですが、SCP-1204の犠牲者に見られる[編集済]と類似していると推定されています。この構造は脳血管に圧力を加え、罹患者の前頭部に局限した頭痛を引き起こします。患部が繰り返し叩かれるとフィラメント様構造はエンドルフィンを放出し、患部の腫れによる痛みを緩和します。構造の成長はクラスB記憶処理薬を適時投与することによって停止させることができます。この手法はSCP-632の症状が完全に発現することを防ぐためには有効ですが、既存の症状を寛解させることはできません。

SCP-632の症状が進行すると、前頭部の内側にある骨、筋肉、脂肪組織は徐々に分解されて前頭皮質のフィラメント様構造に組み込まれます。曝露から6-7日で、頭痛の持続時間と強度は急激に増加します。これはフィラメント様構造が既に完全なSCP-632の幼体に変化し、その運動によって脳血管に加わる圧力が大幅に上昇しているためです。この段階の罹患者は、頭痛の軽減に十分なエンドルフィンを生成するために前頭部をより強い力で叩きつけるようになる傾向があります。最終的に、ほとんどの罹患者は誤って無理な力を加えることで頭蓋骨を骨折し、この時点で骨折部から80-200個体のSCP-632実体が脱出します。

SCP-632の症状の完全な発現は、通常致命的な結果となります。しかし医療従事者による処置が速やかに行われれば、運動機能の恒久的な低下、衝動制御障害、重度のクモ恐怖症といった後遺症は残るものの、SCP-632感染の最終段階にある宿主の86%は生存します。

発生記録:

日付 場所 状況 死傷者
1972年10月09日 安徽省、Z█████████ Z█████████の町民全員が撲殺された状態で発見されました。早期対応チームはZ█████████全体で、数千個体のSCP-632からなるスーパーコロニーを無数に発見しました。スーパーコロニーは町民の腐敗した遺体に集るハエによって生存していたと考えられています。 死者106名、負傷者23名
1999年01月30日 安徽省、舒城県 中華人民共和国農業部の役人である王 茜は、慢性頭痛を訴えた後に舒城県の下町の病院で倒れました。王は彼女の頭をコンクリート壁にぶつけて骨折し、頭蓋腔から脱出した多数のSCP-632実体によって28名が感覚刺激に曝される結果となりました。この時点では感染は発覚せず、罹患者のうち16名はさらに291名をSCP-632に曝露させることとなりました。 死者27名、負傷者293名
2001年07月11日 河南省、草廟 李 震霆という86歳の独居女性が、眼球を喪失した死体となって自宅でソーシャルワーカーに発見されました。死体は腐敗の進んだ状態にありましたが、剖検では脳のほぼ100%が失われていることが判明しました。██████病院病理部に潜伏する財団エージェントは状況への介入権限を得て、李のベッドの直上の天井板に棲むSCP-632のコロニーを発見しました。李は寝たきりであり、SCP-632の感染を繰り返し受けたことでほぼ全ての脳がSCP-632実体に変換されることとなったと考えられています。李は頭蓋骨を自力で折るには衰弱しすぎていたため、実体はどうやら眼窩を通って脱出したようです。 死者1名、負傷者5名
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